Single again…<総優> 6.
<一部の言葉に、不快に感じるやも知れない箇所が有ります。
お詫びします。>
優紀は、総二郎が、言わんとしている言葉の意味が、全く、分からずに居た。
だから、首を傾げて、総二郎を、じーっと、見ていた。
其の顔付きの優紀に、総二郎は、更に、優紀に惹かれて行く自分自身を感じて居た。
だからだろうか?
総二郎は、自然と、優紀に、告白していた。
「この前な、土砂降りの雨が降ってた時…。
優紀ちゃん、ダチと、カフェに居ただろ?
その時…。
俺、外に居たんだ。
ガラス越しに、優紀ちゃんが見えて、俺…。
一瞬、焦ったわ‼
綺麗に成ったよな、優紀ちゃん…‼」
「えっ??」
優紀は、社交辞令に取っては居るが…。
総二郎の真剣な顔付きに、如何して良いのか?
迷って居た。
だが、一応、お礼だけは言おうと、優紀は、総二郎に声を掛けていた。
「有難うございます。
社交辞令でも、嬉しいです。」
「………」
総二郎は、優紀の返答に、或る意味、如何言って良いのか?
言葉を失って居た。
だが、“優紀ちゃんには、俺の優紀ちゃんへの気持ちは、しっかり、伝えるべきだろう。”と、思って居た総二郎だった。
だが、総二郎が優紀に対して、一番言いたい言葉は、結局、総二郎の中で、喉の奥に押し込んでいた。
総二郎が、其の言いたかった一言とは、結局、優紀には、言えずに居た。
其の言葉とは…?
“社交辞令じゃねぇっつーの‼
優紀ちゃんは、牧野じゃねぇんだから…よ。
俺の気持ちを、もっと、理解しろよ‼
優紀ちゃん、頼むよ‼”と…。
で、総二郎は、其の言葉を呑み込みながらも…。
切なげに、優紀に、訴え掛けていた。
「社交辞令じゃねぇっつーの‼
俺は、優紀に、惚れたんだ‼
否、愛してんだ‼
優紀、此れで、俺の気持ちは、分~ったか?」
「………」
優紀は、総二郎の言葉に、テンパってしまった。
だから、如何、切り返したら良いのか?
分からずに居たのだった。
で、総二郎は、急に、優紀の顔を覗き込んで、艶っぽい顔付きに成って居た。
優紀は、更に、テンパり、戸惑い始めた。
だが、総二郎も、そんな自分(総二郎)自身に、驚愕して居た。
『更』には、総二郎自身、そんな気は起らなかった。
また、総二郎は、『更』を、戸惑わす様な顔付きに成る事も無かった。
所謂、総二郎と更は、艶っぽい様な状況に成らなかったのだ。
其れが、総二郎の相手が『優紀』なら、総二郎は、間違い無く、『優紀』を虐めたく成る。
また、総二郎は、相手が、『優紀』なら、エロい言葉も平気で言いたく成る。
此の時の総二郎は…思って居た。
“やっぱり、更は、俺にとっては、『幼馴染』だったんだ。
否、『妹』だったのだろう。
だから、俺にとっての更は、『女』じゃなかったって事だろう。
けど…。
優紀は、『女』って事、何だろう…な。”と…。
だから、総二郎は、優紀を弄り出した。
「優紀…?
今、俺の心は、寒ぃ~んだよな‼
俺を暖めてくれねぇか?」
「えっ??」
優紀は、もう、顔からデコルテまでを真っ赤にして、俯いて居た。
だから、総二郎は、優紀に、確認していた。
「良いだろう…優紀?」
だが、優紀は、驚愕した様な顔付きが隠せないで居た。
だから、総二郎は、尚も、優紀を弄り始めた。
「なぁ~、そんなに悩む事か?
優紀が、俺を後押ししたって、悩んでんだったら…。
俺に、其の事を許して欲しいんなら…。
優紀が、俺を暖めてくれよ‼」
「………」
優紀は、尚も、如何答えたら、良いのか?
優紀には、分からず、総二郎の顔を直視する事も出来なかった。
だから、総二郎は、優紀に、ニコっと、笑い掛けて、一言、言って除けていた。
「良いよな、優紀…‼」
もう、優紀は、頷くしかなかった。
本来の優紀は、今も、相変わらず、総二郎の事が好きだった。
だから、総二郎が、優紀を選んでくれた事は、嬉しかった。
例え、更の様に、短い間でも…。
優紀が、そんな風に思って居るとは、総二郎は、気付いて居なかったが…。
総二郎は、優紀の腕を引き上げて立たせ…。
そのまま、総二郎は、優紀を引き連れて、(美作邸の)エントランスに向かった。
そして、総二郎は、優紀を連れて、其のまま、美作邸を出て、優紀をリムジンに乗せて、運転手に、メープルに向かう様に、告げていた。
そして、総二郎は、リムジンの中から、あきらにLINEを送っていた。
『悪ぃが…。
このまま、俺と優紀は、(美作邸を)出るわ‼
T3には、上手く誤魔化して於いてくれ‼』
此のLINEを確認したあきらは、思って居た。
“こういう面倒臭ぇ事は、何で、何時(いつ)も、俺、何だ?”と…。
また、あきらは、思って居た。
“遣ってらんねぇ‼”と…。
で、あきらは、類&T3に、総二郎と優紀が、(美作)邸を抜けた事を伝えて居た。
変な役回りを押し付けられて、あきらは、困惑しかなかった。