tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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Single again…<総優>  14.




優紀は、(西門邸の)本邸の奥に在る『開かずの扉』の奥の『離れ』のリフォームについて、家元夫人にお礼を伝えないといけないと思っていた。


何故なら、優紀には、分かって居た。
優紀の為に、家元夫人は、(西門邸の)本邸の奥に在る『開かずの扉』の奥の『離れ』のリフォームに着手したのだと…。


なので、優紀には、家元夫人の気持ちは、認識出来て居たのだった。


だから、優紀は、お茶のお稽古の為、西門邸に、総二郎に寄って、連れて行かれた際…。
優紀は、家元夫人に、お礼を伝えていた。


「家元夫人…。
 私の為に、お気遣い下さり、有難う御座います。」


家元夫人は、優紀に向かって、クスクス、笑い出した。


其れが…だ。
其の内、家元夫人が、右手の甲を口元に置き乍ら…。
「おほほほほほ…。」と、笑い始めたのだった。


クスクス笑う家元夫人の姿も有り得ないのだが…。
家元夫人が大笑いする姿を、優紀は、驚愕顔のまま、見詰めていた。


優紀は、其の家元夫人の姿を見ていて、“此の方は、何方なのだろうか?”と、思ってしまう程だった。


普段、家元夫人は、笑う事等、殆ど無いと言っても過言じゃ無かった。


総二郎程では無いが…。
家元夫人は、普段、怖めのポーカーフェイスを顔に張り付けていた。


道明寺HD 道明寺楓社長が、『鉄の女』なら…。
西門流 家元夫人は、『氷の女』なのかも知れない。


其れ程までに、家元夫人の顔付きが、『冷たい女』と、言われていた。


所謂、家元夫人は…。
「顔付きに、暖かみが感じられない。」とも、言われていた。



そんな家元夫人の笑いが収まった頃に、家元夫人が、優紀を諭し始めていた。


「何を今更、仰って居るのかしら…?
 優紀さんが、総二郎を『男』に為さったんでしょ?
 最後まで、総二郎には、責任を持って頂かないと…。
 そうでしょ?
 ねぇ、優紀さん‼」
「………」


優紀は、家元夫人の其の言葉に、何も返せなかった。


それ処か…。
面食らったままの優紀が出来上がって居た。


其れ程までに、家元夫人の言葉は、優紀を驚愕させてしまって居た。



そして、其れからの優紀は、西門邸と優紀の姉で在る 瑞紀のマンションとの行ったり来たりの往復生活だった。


総二郎は、優紀の送り迎えをして居た。


勿論、優紀から、離れられない総二郎だった。


だが、優紀は、優紀の姉で在る 瑞紀のマンションに総二郎を入れたく無かった。


何故なら、総二郎は、優紀の姉で在る 瑞紀のマンションで在っても、お構い無しに、優紀に『コト』を起こそうとするのだ‼


優紀は、優紀の姉で在る 瑞紀のマンションだから…とかでは無く…。
自宅では無い所で、そう言う常識の無い様な事はしたく無かった。


其れに、其処に在るのは、瑞紀のベッドで…。
優紀が借りて居るのは、優紀の姉で在る 瑞紀のマンションに在った敷布団と掛け布団だった。


そんな所で、『コト』が出来る筈等無い優紀だったのだ。


優紀は、心の中で、総二郎に悪態を突いて居たのだった。


“いい加減にして欲しい。
 良い大人の男性が、分別の在る行動をして欲しい‼”と…。


だが、総二郎にとっては、其処が、不満だったのだ‼


だから、優紀の姉で在る 瑞紀のマンションに戻る前に、総二郎は、メープルに愛車を走らせるのだった。


実は、優紀は、総二郎と知り合った高校の頃から、いつも、総二郎のする事に、文句を言って来た事は無かった。


だが、余りにも、総二郎のする事が目に付き、ダメな事は、“ダメ‼”と、言う様にして居た。


其処で、優紀は、気付いたのだった。


優紀は、総二郎と正式に付き合う様に成って、総二郎は、決して、クールなのでは無く…。
甘えん坊だったという事に気が付いたのだった。
勿論、総二郎の甘え振りは、優紀との二人っきりの時だけなのだが…。


最初は、面食らった優紀だったが…。
ここ最近は、優紀も慣れたモノだった。


優紀は、総二郎を宥め透かす日々だった。



そんな日々が続いて居た或る日…。
やっと、西門邸の本邸の奥に在る 『開かずの扉』の奥の『離れ』のリフォームが、完成した。


其れと時を同じくして、優紀の姉で在る 瑞紀が、長期出張を終えて、帰って来た。



そして、リフォームが完成した『開かずの扉』の奥の『離れ』は、普通の一軒家と変わらなかった。


平屋建てでは在るのだが、キッチンとダイニング、続き間に、20畳のリビングルーム…。


そして、流石、西門流とでもいうべきか?
和室=茶室が在った。


そして、ベッドルームに、将来的には、キッズルームに成る部屋が2部屋…。


ゲストルームに、3部屋が用意されていた。


此れには、優紀は、呆気に取られていた。


優紀は、悟って居た。
“もう、何も言うまい‼”と…。


そして、優紀は、部屋を眺め乍ら…思っていた。
“こんな広い住居なら…。
 先代の家元夫人は、さぞかし、お一人で、日々、寂しかっただろうなぁ~。”と…。


優紀は、更に、思った。
“私(優紀)なら、こんな広い所に、一人で住む事が出来ただろうか?”と…。



そして、優紀は、『離れ』に住んで行く内に、優紀でも、気付かなかったのだが…。
西門邸の中に、総二郎の元カノで在り、総二郎の幼馴染の更の陰を感じ無く成って来ていた。


優紀は、其の後…。
更の陰を意識する事無く、一生を西門邸で、過ごす事が出来て居た。


此れは、家元夫人の『ファインプレー』とでもいうべきだろう。


優紀の気持ちに、一早く気が付いた母親ならではの優しさから来るモノだったのだろう。


総二郎は、自然な形で、西門流 家元夫人で在る 自身の母親を尊敬し始めるのだった。

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