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花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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Single again…<総優>  番外編




総二郎と優紀は、あれから、婚約発表を済ませて居た。


『遊び人』と称されていた総二郎の婚約発表に、家柄の良い淑女達だけで無く、一般家庭の娘さえも、驚愕的な出来事として、世の中を騒がせていた。


其れだけでなく、総二郎の婚約者が、一般家庭出身者で在るという事が、また、家柄の良い淑女達は、許せない様子だった。


一応、優紀の防犯の為に、優紀の氏名は、公表されて居なかった。


だが、更には、何故か?
ピンっと来た様で…。


更は、優紀に連絡していた。


そして、優紀は、更のTELに驚愕して居たのだった。


“優紀ちゃん…。
 久し振りだね。
 オメデトウ‼…で良いのかな?”
「………、えっ??」


優紀は、更の言葉に、直ぐには、言葉が出なかった。



だが、更には、分かって居た。


優紀が、あのビルの時に、総二郎の背中を、そーっと、押して居なかったら…。
総二郎と更は、あの頃、付き合って居なかった事を…。


其の事を、総二郎から聞かされ知った更だったのだ。



そして、付き合い出した総二郎と更は…。
日にちが経つに連れて、総二郎が、更の事を幼馴染で、妹の様な気持ちで見て居た事にも、更は、気付き始めていた。


だが、もし、総二郎と更が、あの時、付き合って居なかったとしたら、更自身、“未練だけを残したまま、一生を過ごす処だった。”と…今と成っては、思わずには、居られなかい更だったのだ。


実は、更は、優紀に感謝して居たのだった。


だから、何時かは、優紀にお礼を言いたかった更だった。


そう思っていた時に、総二郎が、婚約した事を知った。


“二郎の相手は、間違い無く、優紀ちゃんだろう‼”と、何故か、更は、思っていた。
誰に聞いた訳でもないのに…。


だから、素直な気持ちで、“オメデトウ‼”と、言えた更だった。
優紀は、驚愕して居たが…。


そして、更からのTELの声は、続いていた。


“優紀ちゃん…。
 私…ね。
 二郎と別れてから、お父さんの知り合いの息子さんと知り合ってね。
 最近、結婚したんだ‼
 でね、今、妊娠6か月なの。
 だから、二郎と優紀ちゃんの婚約発表を聞いて、凄~く、嬉しかったの。
 優紀ちゃんに会わなかったら、私…。
 後悔だけの人生だったかも知れない。
 だから、優紀ちゃんには、二郎と幸せに成って欲しんだ‼”
「更先輩…⁉」


優紀は、涙が出て仕方なかった。
否、止まらなかった。


だからだろうか?
優紀は、『更』の名前だけしか言えずに居た。


優紀は、其れ以上言葉が出て来なかったのだ。


そして、更と話しして、TELを切る寸前に、優紀は、更に一言、伝えていた。


「更先輩…。
 有難う御座いました。
 私…。
 更先輩の後輩で、良かったです。
 更先輩…。
 また、(西門)邸に遊びに行らして下さいね。
 総二郎さんも、喜ぶと思いますので…。」
“うん、赤ちゃんが産まれたら…。
 主人と赤ちゃんと、一緒に、遊びに行かせてもらうね。
 楽しみにしてるね。”
「はい。
 私も、楽しみにして居ます。」



そして、此の事は、優紀から、家元夫人と総二郎に話された。


家元夫人と総二郎は、喜んで居た。


総二郎は、結局、更を傷付けて終わってしまった事を後悔して居た。


優紀が、あの当時、西門邸の中に在る 更の陰に怯えて、不安定に成って居たので、総二郎は、優紀には、其の事を言えずに居たのだが…。


だからこそ、総二郎は、ホッとして居たのだろう。



そして、優紀の中に在る蟠りが取れた事で、西門邸の本邸の奥に在る『離れ』に通じる『開かずの扉』が、『開いたままの扉』に変わっていた。


そして、今までの家元夫人は、優紀の精神状態の事が有ったので…。
優紀に伝えたい事や、優紀を呼び出す時は、内線を使用していた。


そして、用事が有る時は、態々、家元夫人は、奥の『離れ』専用玄関から、『離れ』に入って居た。


其れが、そんな事が有ってからは、家元夫人だけじゃ無く、使用人頭のかよも、奥の『離れ』に通じる渡り廊下から、奥の『離れ』に入る事が出来て居た。


家元夫人は、思っていた。


“総二郎と優紀さんに、赤ちゃんが授かる前で、本当に、良かったわ‼
 更ちゃんも、優紀さんに、良く、連絡して来てくれたわね。
 本当に、良かったわ‼”と…。


此れで、西門家の幸せは、保証された。


後は、総二郎と優紀の結婚式を迎えるだけに成って居た。


総二郎は、気持ちを引き締めていた。


あの日以来、浮かれる事が無く成って居た総二郎だった。



そして、其れから、数か月後の事だった。


出産を終えた更は、本当に、更の旦那と赤ちゃんを伴って、西門邸に遊びに来ていた。


家元夫人も交えて、西門邸の本邸の奥に在る『離れ』は、終始、賑やかな声が聞こえていた。


総二郎は、優紀の笑顔に、ホッとしていた。


心からの優紀の笑顔に、見惚れていた総二郎だった。


其処を見逃さないのが、総二郎の幼馴染の更だった。


此処だとばかりに、総二郎を弄る更だった。


「二郎が、顔を赤らめる所を、初めて見たかも…。
 ふ~ん、そんなに、二郎は、優紀ちゃんの事が好き、何だぁ~。」
「うっせぇ~ぞ、更…。」


其の顔を見た家元夫人は、クスクス、笑い出した。


更でさえ、嘗て、そんな家元夫人を見た事が無かった。


だが、優紀は、普通にして居た。


また、優紀の其の姿にも、驚愕の更だった。


家元夫人と優紀の嫁姑の仲の良さを、垣間見れた様な気がした更だった。


更は、優紀が幸せに成ってくれた事が、嬉しかったのだ。


そして、更は、幸せ気分のまま、西門邸を後にして居た。


そして、更は、帰り際、優紀に伝えていた。


「また、遊びに来るね。」と…。



其の日は、総二郎と優紀の結婚式が、行われる予定の半年前の出来事だった。



fin

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