Single again…<総優> 10.
総二郎は、優紀を自室に連れて来た。
そして、尚も、優紀が震え出している事に気が付いた総二郎だった。
だから、優紀の其の様子に、総二郎は、優紀に声を掛けずには居られず、優紀を引き寄せて抱き締め乍ら、話し掛ける総二郎だった。
「優紀…大丈夫か?
顔色が悪ぃぞ‼」
優紀は、俯き乍ら、総二郎に訊いて居た。
「私は、大丈夫です。
其れよりも、総二郎さん、伺っても宜しかったですか?」
総二郎は、優紀を心配そうにし乍らも、優紀の問いに答えていた。
「ああ、良いぜ‼」
優紀は、意を決した様に、総二郎に訊き出していた。
「あの~、此方のお部屋は…?
総二郎さんの自室ですか?」
総二郎は、優紀の言いたい事が分からず…。
不思議そうに、優紀に返答していた。
「ああ、そうだ‼
優紀…?
俺に何が、訊きてぇんだ?」
優紀は、気持ちの整理が付かないまま、総二郎に訊いて居た。
「此方には、もしかして、更先輩が…?」
“そう言う事か?”と、納得した総二郎は、優紀の可愛い問いに、苦笑し乍らも、返答していた。
「ああ、来てたぞ‼
幼馴染だから…な(苦笑)。」
けれど、優紀は、違う事を思って居た。
“じゃあ、此処(総二郎の自室)で、総二郎さんと更先輩は、一緒に、時を過ごして来た
んだ‼”と…。
優紀は、ショックを起こしていた。
優紀がショックを起こしている事には、気が付いて居ない総二郎だった。
だから、総二郎は、優紀が、ショックを起こしているとは、思わずに居たのだろう。
だが、総二郎は、苦笑いを浮かべてはいるのだが…。
いつもと変わらない総二郎の様子を見て、優紀は、尚も、ショックが拭い切れない状況に成ってしまって居た。
優紀は、総二郎の抱き締めて来る腕を緩めてもらい、総二郎の寝室のベッドの方を向いて、小さな声で、言葉を発していた。
「じゃあ、此処(総二郎の自室)が、総二郎さんと更先輩の…。
そして、此のベッドは…?」
優紀の声の小ささは、総二郎には、辛うじて、優紀の発していた言葉が訊き取れていた位だった。
だが、総二郎が、咎める間もなく…。
優紀は、其の言葉を言ったと同時に…。
素早く、席を立ち、総二郎の制止の言葉も聞かずに、西門邸を後にした優紀だった。
「おい、優紀…?
待てって…。」
優紀を追い掛けた総二郎だったが…。
優紀には、追い付けなかった。
その代わり、家元夫人に捕まった総二郎だった。
「総二郎…。
貴方、優紀さんに何をしたというの?
慌てて、挨拶も、そこそこに、出て行かれたわよ‼
喧嘩でもしたのかしら?」
総二郎は、優紀の出て行った意味が、分からずに居たのだった。
星の数程の女性経験の有る総二郎でも、本気の女性に対する扱いには、戸惑うばかりだった。
だから、優紀の言葉一つ一つを、総二郎は、家元夫人に話しして聞かせていた。
家元夫人は、優紀の気持ちを理解したのだった。
家元夫人は、優紀とは、同じ女性の立場…。
“優紀さんは、総二郎の後ろに居る『更ちゃん』の陰に、何かを感じ取ってしまったのだ
ろう‼”と、思って居た。
だが、総二郎には、当たり障りのない言葉で、優紀の気持ちを代弁したのだった。
「優紀さんは、総二郎の自室の中に居る『更ちゃん』の陰を感じ取ってしまったのかも知
れないわね?
総二郎の自室を別の場所に設けましょうか?
そうでもしないと、総二郎と優紀さんは、此方では、同居出来ないでしょ(苦笑)?」
苦笑い乍ら、そう言う風に言って来る家元夫人に、総二郎は、怪訝に成り乍らも、その方が良いかとも考えて居た。
「ああ、宜しく、頼むわ‼
優紀を探しに行って来る。」
だから、総二郎は、家元夫人に答え乍らも、優紀を探し出す為…。
西門邸を後にして居た。
総二郎には、優紀が行きそうな所の目星は付いて居るし…。
総二郎は、何かの時の為に、西門家のSPを優紀には就けていた。
だから、SPからの連絡が入って来て居たので、優紀が逃げた場所は、総二郎には、分かり切っていた。
そして、総二郎は、その場所に向かうのだった。
そして、総二郎は、優紀には、格好を付ける事無く、更との事は、洗い浚い、全てを優紀に話しし様と、思って居た。
そして、総二郎は、優紀の居場所を探し当てたのだった。
<此の二次小説『Single again…<総優> 10.』は、少し、短めに成っています事を
お詫びします。>