priority…<つかつく> 3.
<司side>
俺は、あきらと待ち合わせして、話しを聞いてもらう事にした。
待ち合わせ場所のメープルのラウンジのVIPルームに行くと…。
其処に居たのは、あきらだけでは無かった。
勿論の類と総二郎も…居た。
どうせ、類と総二郎にも、後々、バレるんだろうから…。
“だったら、纏めて、話す方が楽か?”と、俺は、思って居た。
だから、何食わぬ顔で、其の場に居る類と総二郎にも、挨拶をした。
「司…。
久し振りだね‼」
「元気そうじゃねぇか?」
「ああ。」
だが、俺は、軽い返事だけに留めた。
で、あきらから、口火を切って来た。
「司…。
俺等に、話す事でも有るんだろ?」
「ああ。」
俺は、あいつ等 F3に、そう答えて、今までの俺の置かれていた現状を話しして居た。
*アラスカに居た事…。
*アラスカでの事業を成功させる様に、ババアと、約束をさせられて居た事…。
*アラスカに居る間、中々、連絡を就けられる環境に無かった事…。
等を、F3に説明していた。
其の上で、あきらから、更に、訊かれていた。
「で、司は、此れから、如何してぇんだ?」
「あいつに逢って、諸々な事を謝りてぇんだ‼」
そう言った俺の言葉に、渋り出したF3だった。
実は、俺は、あいつの事を調べる間も無く、日本に帰国して帰って来て、こいつ等 F3に逢って居た。
だから、今の俺は、何一つ、あいつの情報は、掴めて居なかった。
だが、俺は、其れで良かった。
あいつが、何処に居ても、ぜってぇ、謝って、あいつを取り戻す自信が有ったからだった。
だが、F3の言葉に、俺は、驚愕処では無かった。
先ずは、類が言葉を発して来た。
「実はさぁ~。
牧野は、今、日本に居ないんだよね‼」
「はぁ~??
其れって、如何いう意味だよ?」
で、次は、あきらが、言葉を発して来やがった。
「実は…な。
牧野が、大学生だった頃…。
牧野の就職活動の際は、類と俺と滋のそれぞれの会社の就職試験を受ける様に、牧野
に、説得して話ししてたんだよな。
けど…な。
牧野が、就職試験を受けた会社は、『藤堂商事』だったんだよな。
で、しかも、藤堂商事で、牧野の才能が開花したのか?
今や、イギリス支社で、課長に成ってるぞ‼」
俺は、F3に確認する様に、訊いて居た。
「って事は…?
牧野の今は、『イギリス』って事だよな‼」
「ああ、そうだ‼」
此処で、総二郎が、言葉を発して来た。
「其れに…な。
牧野は、確実に、勘違いしてんだろ?」
俺は、総二郎の言葉に、興奮状態だったのかも知れねぇ。
俺の声に、ドスが効いて居た。
「其れって、如何いう意味だ?」
総二郎は、そんな俺に、仰け反り乍ら、話しし始めた。
「俺とあきらが、1ケ月違ぇで、結婚したんだけど…よ。
司…?
俺等の結婚式に来なかっただろ?
一応、俺も、あきらも、招待状を道明寺HD宛で発送してる筈、何だけど…よ。
司は、知らなかったのかよ?」
俺は、“何時の間に…。”と、考えあぐねていた。
だからだろうか?
あきらが、付け加える様に、話しし始めて居た。
「総二郎の奥さんは、牧野の幼馴染で親友の優紀ちゃん…。
俺の奥さんは、桜子…。」
「………」
俺は、もう、言葉も出なかった。
で、其処で、類が、話しし始めた。
「牧野の其の時の姿は、如何見ても、司に逢える事を、楽しみにして居る様子だったんだ
よね‼
でも、司が来なかった事で、牧野は、諦めたみたいだった。
其れまでは、多分、だけど…ね。
牧野は、口では、司の事を悪態付いて居ても、何処か?
司を待って居る素振りを魅せて居たんだよ‼
でも、総二郎の結婚式の後、あきらの結婚式が、執り行われて以降は…。
牧野の口からは、司の事を、全く、何も言わなく成ったんだよね。
で、其れから、2か月後には、イギリス支社に転勤したんだ、牧野…。」
「………」
俺は、何も、答えられなかった。
否、答えられる筈等、無かった。
だが、俺は、知りたかった。
其れが、何時(いつ)頃の出来事だったのかという事を…。
「なぁ~、其れって、何時(いつ)頃の出来事だ⁉」
あきらが、答えて来た。
「総二郎と俺が、26歳で、優紀ちゃんが、25歳で、桜子が、24歳の頃の事だ‼」
「って事は…。
俺は、アラスカで、身動きが取れなく成って居た頃の事か?」
俺は、其れ以上、気力を失くしていた。
何故なら、あいつに、直ぐにでも、謝る事が出来ねぇだけで無く…。
俺の事を、“牧野が、諦めた‼”と、言う言葉が、俺の胸に、何かが刺さったみてぇに、苦しくて仕方なかった。
【俺の人生に於ける『priority【プライオリティ】(=優先順位)』
は、何を置いても…。
あいつ…‼
そう、『牧野つくし』以外、考えられねぇんだ‼
其れが、何故、あいつは、俺を諦めて遣がんだ‼
しかも、イギリスだぁ~‼
何なんだよ‼
何で、あいつは、俺を待てねぇんだ‼ 】
俺は、そう言って、叫びたかった。
だが、今の俺には、そう言える資格さえもねぇ事は、俺自身、悟って居た。
だからこそ、俺は、苦しくて、仕方なかったのだ。
<此の二次小説『priority…<つかつく> 3.』は、切り目が良い為、少し、短めに成
っております事をお詫び申し上げます。>