夜桜【懊悩(おうのう)≒ OH NO‼】…<F4&T4> 続編③
<総二郎&優紀side>
総二郎の右手は、優紀の左手と繋いで居たのだった。
態と、総二郎は、優紀の左手と繋がる様にしていたのだった。
何故なら、優紀の誕生石が付いて居る『リング』を、総二郎は、優紀に、そーっと、嵌めて遣る為だったのだ。
其の時の優紀は、夜桜を見入って居る間に、自身の左手薬指に嵌って居る何かに気が付き、違和感を感じて居たのだった。
実は、優紀は、幻想的な夜桜を観乍ら、うっとりしていたので、総二郎が、優紀の左手薬指に何かを嵌めて居る事に気が付いて居なかったのだ。
総二郎は、優紀が、夜桜に見惚れて居る間に、態と、嵌めて遣って居たのだった。
そして、優紀は、総二郎の右手と繋がったまま…。
自身の左手薬指に嵌って居る何かを見遣り、一瞬、言葉に詰まり、声に成らない程だったのだ。
「えっ??」
優紀は、其れだけ言うのが、精一杯だったのだ。
だが、総二郎は、そんな優紀を観て、俯き加減に顔を下げ乍ら、クスクスと、笑って居たのだった。
そんな総二郎を上目遣いで観る優紀は、怪訝な顔付きに成って居たのだった。
だから、そんな優紀に気が付いた総二郎は、優紀の唇に、軽くkissをするのだった。
そうなのだ。
此の時の総二郎は…。
“機嫌を直せ‼”と、言わんばかりに…。
優紀の唇に、軽くkissを施して居たのだった。
そんな総二郎に、優紀は、如何言って良いのか?
悩む程だったのだ。
だが、総二郎は、真剣な顔付きに成り、優紀を引き寄せて、抱き締め乍ら、優紀に、総二郎の想いを伝えるのだった。
「優紀…。
そろそろ、此れからの俺等の事を話そうか?」
「えっ??」
此れこそ、優紀は、如何言って良いのか?
悩むしか無かったのだ。
だから、総二郎は、そんな優紀をお構い無しで、言って除けるのだった。
「優紀は、もう、学生じゃねぇ‼
此れからは、西門流の内弟子として、お袋に就く事に成る。
其れに、優紀は、華道 花咲流の次期家元でも在るんだ。
そんな優紀が、俺は、心配…何だ‼
だから、何時でも、俺が、傍に居て、フォローして遣れる様に、婚約だけでもして於き
てぇんだ‼
誰にも、文句を言わせねぇ様に…。
其れに、うち(西門家)の両親は、大賛成してんだ‼
勿論、優紀の両親も、もう、納得済みだろ?
だから…よ。
そろそろ、覚悟をしろよ‼
なぁ~、優紀…。」
普段の総二郎は、クールと、世間では通って居た。
そんな総二郎は、笑って居る様に見えても、目だけは笑って居ない事が、良く有るのだ。
所謂、醒めた冷たい目付きで、他人(ひと)を観る事が、良く有るのだ。
だが、今日の総二郎は、優紀にだけに魅せる満面の笑みで、優紀を見詰めて居たのだった。
優紀も、総二郎を見上げて、そんな総二郎を、じーっと、観て居たのだった。
しかも、不思議そうに…。
だが、そんな顔付きの総二郎に照れてしまった優紀は、全身…。
所謂、頭の先から、顔、デコルテまで…。
全てを真っ赤にさせて、俯いてしまった優紀だったのだ。
其の優紀の様子に、総二郎は、却って、冷静に成り、優紀に、声を掛けるのだった。
「優紀…。
上を向いて…。」
そう言ったが早いか?
総二郎は、優紀の顎を持って上に向かせ、kissを施して居たのだった。
勿論、大人のkissを…。
そして、総二郎は、優紀に、確認する様に、訊いて居たのだった。
「で、優紀の返事は…?」
そんな優紀は、頷くだけで精一杯だったのだ。
そんな顔付きの優紀がツボの総二郎は、また、優紀に、kissを施して居たのだった。
其の時の優紀は、夜桜にうっとりしていた可愛らしい優紀とは違い、其処に居た優紀は、大人の顔付きをした優紀しか居なかったのだ。
所謂、其処に居た優紀は、夜桜に相応しい、妖艶な優紀が其処に居たのだった。
勿論、満足気な総二郎が、其処に居た事も、また、事実だったのだ。
こうして、其の後の総二郎と優紀の婚約は、成立したのだった。
<あきら&桜子side>
あきらは、何故か?
何も、言い出せずに居たのだ。
そんなあきらを、桜子は、気にして居ない様子だったのだ。
何故なら、其の時の桜子は、夜桜に夢中だったのだ。
桜子は、『桜』を見るといつも思うのだ。
“私も、桜の木の様に、長生きしたい‼”と…。
桜子は、桜の木の樹齢の長さを羨ましく思って居たのだった。
桜子にとっては、同じ『桜』の字が付いて居るのだ。
壮大な桜の木を観て居て、“自分自身もそう在りたい‼”とも、思うのだった。
かと思えば…。
夜に成ると、『夜桜』として、妖艶な顔を魅せる『桜』。
桜子は、“そんな女性で在りたい‼”とも、思うのだった。
桜子は、何時も、あきらを翻弄出来る女性で在りたいのだ。
もう、あきらが年上女性に走らない様に…。
だが、あきらは、桜子が、そんな風に、思って居るとは思っても視なかったのだ。
あきらは、既に、桜子の『七変化』に翻弄されて居たのだった。
桜子と云えば…。
つくしの前では、しっかりした女性に成る。
其れに、つくしにとって、桜子は、『美のカリスマ』なのだ。
だが、総二郎とあきらと、其れに、優紀と遊んで居た頃の桜子は、可愛らしい女性に成るのだ。
其れは、優紀の姿勢から為す技だったのかも知れない。
優紀は、T4の中で、一番、お淑やかな女性なのだ。
また、芯もしっかりして居て、ブレる事が無い。
だから、桜子は、そんな優紀に、同じ立場で観て居る所が在るのかも知れなかったのだ。
だから、そんな桜子は、優紀と同じ目線で合わせて居たのかも知れない。
また、滋の前での桜子は、同じ様に、燥ぐ事も出来たのだ。
滋程では無いにしても…。
なので、あきらは、桜子と一緒に居て、飽きる事は無いのだ。
そんな女性は、年下では、あきらにとっては、桜子が初めてだったのだ。
だが、桜子は、旧 華族の出身…。
桜子が、婿を取らなければ、三条家は、桜子の代で衰退してしまうのだ。
なので、桜子は、幼少期より、婿を取る事を良い聞かされて来たのだった。
其の事は、あきらも、分かって居たのだ。
だから、あきらは、そう易々と、『結婚』という言葉を口に出す事は出来なかったのだ。
其れに、まだ、桜子は、学生なのだ。
だから、此の時のあきらは、無口のままだったのだ。
だが、一大決心をしたあきらは、不意に、桜子に声を掛けたのだった。
「なぁ~、桜子…。
俺等の此れから…だけどな。
此の先、許されるなら、“俺は、桜子と結婚してぇ‼”って、思ってる。
だから、桜子も、其のつもりで、居てくれ‼
良いよな?」
桜子は、不意のあきらからの言葉に、一瞬は、面食らって居たのだが…。
嬉しそうに、返答して居たのだった。
「はい。」と…。
其の桜子からの言葉に、あきらは、後ろに居た桜子を引き寄せて、kissを施して居たのだった。
桜子は、モデル体系なのだ。
滋程では無いのだが…。
背は高めなのだ。
なので、桜子が、ハイヒールを履けば…。
あきらとの背の高さは、トントンに成るのだった。
なので、自ずと、お互いの唇は、磁石の様に、引っ付くのだった。
そして、桜子は、嬉し泣きを流して居たのだった。
つくしが、観れば…。
“鬼の目にも涙…。”と、言いそうだが…。
こうして、4CPのそれぞれは、結婚の約束を取り交わしたのだった。
此の夜桜の前で…。
fin