ワーカホリック~仕事中毒~…<つかつく> 6.
楓は、司には、正直に、話しして居たのだった。
「実は…。
貴方に、“『独占禁止法』の疑いが掛かって居る。”と、検事総監から、連絡を受けて、
私(わたくし)が、日本に帰国して帰って来た時に…。
私(わたくし)は、検察庁で、つくしさんを見掛けたのよ。
そして、つくしさんの働き振りを観て居て、貴方の担当を、つくしさんにする様に、検
事総監に、お願いして於いたのよ。
だから、貴方は、つくしさんと知り合えたという訳なの。
という訳で…。
貴方がつくしさんと知り合えたと言う事は、私(わたくし)の功績が在っての事よ。
覚えて於いて頂戴‼」
司は、楓のファインプレーには違いないので、今と成っては、楓に感謝するしか無いのだが…。
楓の策略に、見事に、嵌ってしまって居た自分自身に、不貞腐れて居たのだった。
だが、其の司の顔付きを観た楓は、思うのだった。
“司は、相変わらずの様ね。”と…。
そして、司は自身の想いをつくしに貫く為に、楓に訊いて居たのだった。
「と言う事は…。
俺は、あいつに向かって良いって事だよな?」
其の司の言葉に、呆れる楓だったのだ。
だから、楓は、司に言えた言葉だったのだろう。
「望む処…よ。
精々、つくしさんに、嫌われない様に為さいな。」
最後の楓の言葉は、司への嫌味だったのだ。
だが、司は、楓からの了承の言葉以外は、聞いて居なかったのだ。
何故なら、司の気持ちは、既に、つくしへと馳せて居たのだから…。
司は、どの様に、つくしに向かうべきか?
司の想いは、其の事だけに集中して居たのだった。
実は、其の後の司は、楓のプッシュと共に、意気込んで居たのだが…。
何故か?
つくしは、司を受け入れ様としなかったのだ。
何故なら、つくしは、公私混同を避けて居たのだった。
即ち、つくしの其の行動とは…。
司は、其の境界線を、簡単に、超えて来ようとするからだったのだ。
つくしにとって、事情聴取の為に、道明寺HDに向かう時は…。
其れは、仕事なのだ。
だが、司は、そんな事はお構い無しなのだ。
だから、司は、つくしに、何時も、言って来るのだった。
「此の後…。
時間有るよな?
此のまま、飯を食いに行こうぜ‼」
だが、つくしは、そんな司の誘いにも、何時も、断りを入れるのだった。
「今日は、事情聴取の為に、此方(道明寺HD)に、参りました。
と言う事は、本日は、仕事で、参りました。
申し訳御座いませんが…。
他を当たって下さいませ。」
司にとっては、他は無いのだ。
つくしだけ…なのだ。
だが、つくしには、其の事は、通用しない。
だから、司は、如何すれば、つくしが、司に、向かって来るのか?
悩むしかなかったのだ。
だが、そんな或る日…。
司は、思い切って、つくしに、言って除けるのだった。
其の日は、司が、反省して居ると言う事が認められた事で、漸く、司の疑いが晴れる事に成ったのだ。
所謂、『独占禁止法』の捜査は、此れにて終了する事に成り、司は、『厳重注意』に留まった事で、『お咎め無し』と言う事に成ったのだった。
だから、此の日は、つくしが、道明寺HDに向かう最後の日だったのだ。
先ずは、つくしが、司に、話しして居たのだった。
「此れにて、事情聴取は、終了です。
しかし、『厳重注意』という事には変わりないので、今後は、此の様な事は、為せらぬ
様…に。
宜しくお願い致します。」
「ああ。」
司は、了承の意を、つくしに述べて居たのだった。
だが、司の心の中は、其れ処では無かったのだ。
“こいつを誘い出すには、如何すれば良いんだ?”と…。
だが、司は、開き直るのだった。
“ストレートで良いんじゃねぇか?”と…。
何故なら、司は、気が付いたのだ。
つくしが、他人(ひと)の気持ちに対して、『鈍感女』だと言う事を…。
なので、司は、つくしに言って除けて居たのだった。
「あのなぁ~。
もう、此れで、公私混同じゃ無く成るよな?
もう、俺に、付き合えよ‼
俺の何処が、気に入らねぇんだよ?
俺の疑いは、晴れたんだろ‼
俺は、初めから『容疑者』じゃねぇだろ?
其れに、俺が、また、『独占禁止法』の法に触れねぇ様に…。
着手しなくても良い様に…。
俺の傍に居て、お前が、俺を見張ってろよ‼」
そんな身勝手な言い分しか言わない司に、つくしは、呆れ乍らも、返答するのだった。
「あの…ね。
私は、貴方のそう言う処が嫌なの‼」
司は、つくしの言葉を連呼して、訊いて居たのだった。
「そう言う処って…?
如何いう処だよ?」
つくしは、更に、司に、呆れて居たのだった。
「だ・か・ら…ね?
そう言う処と云えば…。
そう言う処…よ。
そう言う俺様な所…。
其れに、横暴で、横柄で、他人(ひと)の話しは聞かない所…。」
司は、つくしからの言われ様に…。
ショックを起こして居たのだった。
だが、司は、つくしに縋る様に、更に、訊き出して居たのだった。
「じゃあ、お前は、こんな俺を、好きに成ってくれねぇのかよ?」
「………」
つくしは、司の返しの言葉に、何と云えば、司が分かってくれるのか?
悩む程だったのだ。
そんなつくしに、更に、司は、言って除けて居たのだった。
「俺は、お前が好きだ‼
否、もう既に、俺は、お前を愛してる。」
其の司からの告白の言葉に、つくしは、慄いて居たのだった。
何故なら、司とつくしの居る場所は、未だ、司の執務室なのだ。
所謂、つくしにとっては、仕事中なのだ。
だから、我に返ったつくしは、司に、言って除けて居たのだった。
「今は、まだ、仕事中です。
其の様なプライベートなお話しは、プライベート中に為さって下さいませ。」
だが、司は、つくしに言って除けて居た。
「はぁ~??
お前は、もう既に、俺に対して、砕けた物言いだっただろ?
と言う事は…。
場所は、如何あれ…。
もう、プライベート…何じゃねぇの?」
「………」
つくしは、司からの言葉に、何も、言い出せずに居たのだった。
否、驚愕で、目をぱちくりさせて居るつくしが其処には居たのだった。
なので、其の隙に…。
司は、つくしの腕を掴んで、つくしを連れ出したのだった。