今更…<総優> 24.
此の時の総二郎は、相当、切れて居たのだった。
高校生の頃に、総二郎のポーカーフェイスを何度か?
崩して来た優紀でさえも、此処迄の総二郎の怒りを見た事は無かったのだ。
其れだけに…。
優紀は、如何しようか?
悩んで居たのだった。
否…。
そうでは無かったのだった。
此の時の優紀は、考えて居たのだった。
“如何お話しすれば…。
西門さんに、分かってもらえるのだろうか?”と…。
そんな時だったのだ。
あきらが、口を開いたのだった。
「まあ、総二郎も、落ち着けよ‼
だったら…よ。
お試し期間を設ければ良いだろ?」
其の時だったのだ。
F3&つくしが、驚愕し乍ら、声を揃えて、言って居たのだった。
「「「「お試し期間…⁉」」」」と…。
何故なら…。
F3&つくしにとっては、何処かで、聞いた事の在るフレーズだったのだから…。
そうなので在った。
嘗て、高校生当時の司が、つくしに、交際を求めた時に、言って居たフレーズだったのだ。
だが、あきらは、そんなF3&つくしは、放って置いて、話しし始めるのだった。
「其の方が妥当だろ?
だって…よ。
優紀ちゃんにして視れば…。
時間的に、総二郎との付き合いは、“無理だ‼”と、思ってるって事…何だろ?」
なので、優紀は、あきらからの問いに、即答して居たのだった。
「はい。」と…。
なので、あきらは、また、口を開いて居たのだった。
「其れに、総二郎は、時間じゃないと思って居る。
総二郎…。
そうだよな?」
なので、総二郎も、あきらの問いに、即答したのだった。
「ああ。」と…。
だから、あきらも、総二郎と優紀を説得する様に、言い始めたのだった。
「だったら…。
此れしか、方法はねぇだろ?
司じゃねぇけど…よ。
上手く行くか如何かは…。
此れからの付き合いで、お互いに試して行く。
兎に角…。
俺は、其の方が、上手く纏まると思うんだけど…な。」
そう言ったあきらに対して…。
類は、言って除けるのだった。
「じゃあさぁ~。
また、お試しって、事だよね?
ほんと、司にしても、総二郎にしても…。
『お試し』って、言葉…。
好きだよね?」
そんな飄々と言って除ける類の言葉に、キレたのは、当の総二郎だけじゃ無かったのだ。
実は、司もだったのだ。
司と総二郎は、一斉に、そんな類に、言って除けるのだった。
「「はぁ~??
類…。
うっせぇ~よ‼」」
なので、あきらも、類に、諭す様に、言って除けるのだった。
「類…。
また、話しが、ややこしく成るから…。
お前は、黙っとけ‼」と…。
なので、類は、飄々と、言って除けるのだった。
「ハイハイ。」と…。
そして、類は、ソファに、寝転ぶのだった。
だが、総二郎は、あきらからのパスの言葉に、感謝して居たのだった。
皆(F3&T3)の前の方が、優紀も、素直に成る様な気がして居たからだったのだ。
そして、総二郎は、以前にも、優紀に言って居た話しを、此処でも、持ち出す総二郎だったのだ。
「だったら、前にも伝えた通り…。
俺のマンションで、一緒に、暮らそうぜ‼
まあ、云わば…。
同棲だな‼
俺も、時間的には、如何しても、不規則に成りがちだ。
俺には、茶会の亭主役としての任務も在るが…。
海外でも、デモンストレーションを行う為に、出張だって在る。
其れに、会食だって在る。
其の為に、帰りは、夜中って事も、度々在る。
だから、お互い、時間的に、擦れ違う事も在るかも知れない。
でも、一緒に住んでれば…。
優紀の気配を感じる事は、出来んだろ?
だから…よ。
お互いの為に、一緒に、住もうぜ‼」
だが、優紀は、今のマンションは、司が、用意してくれた社宅だけに…。
如何伝えれば良いのか?
迷って居たのだった。
其れに、優紀にとっては、今のマンションと病院との距離感が、凄く、居心地の良いモノだったのだ。
其れだけに、優紀は、返答に、迷って居たのだった。
そんな時だったのだ。
つくしが、口を開いたのだ。
「其れは、如何だろ?
優紀は、今、住んでるマンションが、気に入って居るんだよね?」
なので、優紀は、頷き乍ら、言って除けるのだった。
「うん。」
其処で、つくしも、優紀の返答に、加担する様に、付け加えるかの様に、話しし始めるのだった。
「実は…ね。
今、優紀が、住んで居るマンションは、司の所有のマンション…何だ。
私の我が儘で、優紀には、道明寺総合病院で、勤めてもらってるから…。
司に、お願いして、社宅扱いで、優紀にマンションの一室を提供してもらったの。
だから…。
司も、病院に近いマンションを用意してくれたって訳…何だ。」
其処で、司は、言って除けるのだった。
「俺にとって…。
つくしのお願いは、外す事は出来ねぇから…な。
だから…。
其の当時、新築のマンションに、松岡を住まわせる事にしたんだ。
セキュリティーは、万全だから…な。」
「………」
総二郎は、思って居たのだった。
“何故…。
其の当時の俺は、優紀と再会して無かったんだ‼
そしたら…。
其の当時には、既に、優紀を捕まえる事が、俺には、出来て居たのに…よ。”
と、悔やまれて成らない総二郎だったのだ。
なので、其の時の総二郎には、言葉が出て来なかったのだ。
だが、其れまで、唯、黙って話しを聞いて居た桜子が、優紀に、問い掛け始めたのだった。
「優紀さん…。
優紀さんは、本当に、時間的な事だけで、西門さんとのお付き合いの件をお断りされて
居るんですか?
私が、観て居て、思うのは…。
優紀さんには、別の意味合いで、お断りされている様にしか思え無いんですが…。
違いますか?」
「………」
優紀は、桜子が、優紀の気持ちを見破って居る事に、驚愕して居たのだった。
実は、そうだったのだ。
優紀は、高校生以来…。
お茶(茶道)から離れて居たのだった。
其れは、総二郎の事を忘れる事が出来なく成る事が、怖かったからだったのだ。
本来、優紀は、総二郎の事を如何とか云うのでは無く…。
茶道自体に、高校生の頃の優紀は、のめり込んで居たのだった。
だから、茶道から離れる事自体…。
其の当時の優紀にとっては、苦渋の選択だったのだ。
其れが、総二郎と再会した事で、“また、お茶を点てて視たい。‼”と、思って居たのだった。
其の当時の優紀にとっての茶道は、精神統一の場だったのだ。
頭の中を空っぽに出来る唯一の場だったのだ。
だから、また、茶道にのめり込む前に、退院した総二郎と離れる事を決意した優紀だったのだ。
そんな事とは知らない総二郎は、黙ったままの優紀に怪訝な顔付きで、観て居た事は言うまでも無いのだった。