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花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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今更…<総優>  25.




桜子からの話しを受けて、総二郎は、優紀に確認するかの様に、訊き出そうとして居たのだった。


「優紀…。
 正直に言って視ろよ‼
 桜子からの話しだと…。
 時間的な事以外…。
 俺を拒む理由は、何か、他にも有るって事だろ?
 有るんなら…。 
 此処で、言って視ろよ‼」と…。
「………」


だが、優紀は、躊躇して居たのだ。


今此処で、優紀の気持ちを言えば…。
間違い無く、総二郎は喜んで…。
間違い無く、総二郎に引き込まれる事が、優紀には、分かって居たからだったのだ。


だから、優紀は、言えなかったのだ。


だが、そんな優紀の様子に、総二郎は、更に、怒りを露わにするのだった。



だが、そんな総二郎と優紀を観て居たあきらは…。
其の場を収め始めたのだった。


先ず、あきらは、総二郎を宥める様に、総二郎の顔を見乍ら、首を左右に振り、総二郎を制止したのだった。


そして、あきらは、黙ったままの優紀に、諭す様に、話しし始めるのだった。


「優紀ちゃん…。
 優紀ちゃんが、何も言わず、黙ったままで居れば居る程…。
 総二郎の優紀ちゃんに対する怒りは収まらねぇだろ? 
 総二郎の怒りを鎮める為には、優紀ちゃんが、総二郎に本音を言わねぇと始まらないだ
 ろ?
 総二郎は、今まで、真面な恋愛をして来なかったせいで、如何して良いんだか?
 総二郎自身、分かんねぇんだと思う。
 今までの総二郎は、女性の気持ちを分かった気で居ただけだったんだと思うわ。
 だから、優紀ちゃんの気持ちが、今一、総二郎の中で、理解されてねぇんだと思う。
 だから、優紀ちゃんから、総二郎に教えて遣ってもらえねぇか?」


此の時の総二郎は、あきらの話し振りに、“心外だ‼”と、あきらを睨み付けて居たのだった。


だが、あきらからして視れば…。
間違い無く、総二郎は、司同様…。
『恋愛下手』な部類に入ると思って居たのだ。


其れに、総二郎は、今まで、自分自身の心の中を曝け出す事が無かったのだ。


総二郎のポーカーフェイスの裏に在る 総二郎の心の中を、今まで、誰も知る事が無かったのだ。


だが、そんな総二郎の心の殻を、いとも簡単に、抉じ開けたのが、優紀だったのだ。


否…。
其れは、優紀だけだったのだ。


其れは、F4の中でも、総二郎に一番近い存在と、自負しているあきらでさえ…。
出来なかったのだ。


だから、あきらは、思うのだった。


“優紀ちゃんなら…。
 総二郎の心の中に有る 靄を追い払って遣ってもらえるのに…な。”と…。
 


そんな時だったのだ。
優紀が、ポツリと、話しし始めたのだった。


「私の中で、お茶を点てる事が忘れられないんです。
 疲れた時に、思うんです。
 “また、お茶を点てたい…な。”と…。
 私の中で、お茶を点てると言う事は…。
 精神統一の場だったり…。
 頭の中を空っぽに出来る唯一の場だったんです。
 でも、私の中で、“西門さんを忘れる‼”と、決心した時から…。
 “茶道は、もう、しない。”と、決めたんです。
 茶道を通して、如何しても、西門さんの事を思い出してしまう。
 そして、其の後…。
 また、辛く苦しい日々が来るんです。
 そんな繰り返しは、もう、私の中でしたく無かったんです。
 やっと、私の中で打ち込める仕事に出会えたんです。
 最初は、つくしの願望からだったかも知れません。
 でも、今では、私は、つくしに、感謝して居るんです。
 だからと云って…。
 茶道を、全面的に、忘れられている訳では在りませんが…。
 今でも、偶に、お茶を点てている夢を見たりするので…。」


そんな優紀の苦笑いを見た総二郎は、更に、後悔を募らせて居たのだった。


“優紀は、今でも、俺を忘れて居ない。”と、確信出来た総二郎は、優紀の腕を掴んで、引き寄せて、抱き締めてしまったのだ。


そんな総二郎の早業に、誰もが、驚愕して居た事は言うまでも無いのだ。


だが、総二郎は、優紀に、言って除けるのだった。


総二郎自身…。
優紀の気持ちは、確信出来ても、優紀が、まだ、総二郎を拒む事は、予想出来るのだ。


だから、抱き締めたままで、躊躇し乍ら、総二郎は、優紀に、話しし始めるのだった。


「優紀…。
 有難う‼
 茶の事を忘れずに居てくれて…。
 俺、嬉しいよ‼
 ずーっと、俺と優紀は、茶を通して、気持ちは、繋がって居たと、思えるよ。
 だから、優紀…。
 一生、茶の事は、忘れるな‼
 そして、俺が、茶を一から教えて遣る。
 西門流 次期家元の俺が、教えて遣るんだ‼
 有難く思えよ‼
 優紀…。」


此の時の総二郎は、優紀を、更に、強く抱き締めていた。


だが、躊躇している優紀の腕は、総二郎の背中に回る事は無かったのだ。


唯、総二郎から、抱き締められたままの優紀が、其処には、居たのだった。



そして、其の後の総二郎は、司を通して、優紀のスケジュールを調べてもらい、優紀の捕獲作戦に出るのだった。


総二郎は、優紀に伝えて居たのだった。


「あきらが、言って居た『お試し期間』…。
 司じゃねぇんだから…。
 『お試し』という言葉は、俺は、好きじゃねぇが…。
 けど…。
 そうでもしねぇと…。
 優紀は、納得しねぇだろ?
 だから、取り敢えず…。
 優紀の勤務体系に、俺の仕事のスケジュールを合わせる。
 其れで、時間的な事は、クリア出来るだろ?
 此れには、家元と家元夫人も、了承してくれた。
 後は、優紀が、また、茶を始めれば、良いだけだろ?
 俺が教えて遣るから…。
 また、茶を始めろよ‼
 其れには、俺のマンションが一番良いだろ?
 茶室も完備されてんだから…よ。
 だから…。
 俺のマンションに住め…よ。
 優紀が社宅として住んで居た司のマンションを、俺が、司から買い取ったから…な。
 良いな…。
 優紀…。
 今日から、其のマンションの最上階のペントハウスが、俺と優紀の部屋だ‼
 既に、リフォーム済みだから…よ。」


此の時の優紀は、何もかも、決まって居る事に、驚愕するしか無かったのだった。


どんどん、優紀は、総二郎の魔の手に、吸い込まれる様に、総二郎に引き寄せられるのだった。


此の時の優紀は、もう、観念するしか無い事を悟って居たのだった。


だから、優紀は、総二郎に言えた言葉だったのだろう。


「分かりました。
 西門さんの意思に、従います。」


総二郎は、初めて、自分自身の気持ちを爆発させるのだった。


「よっしゃー!」と…。


そんな総二郎を観て居た優紀は、唯、クスクスと、笑って居るだけだったのだ。
 



<此の二次小説『今更…<総優>  25.』は、切りが良い為に、短めに成っておりま
 す事をお詫び申し上げます。>

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