tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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人間恐怖症…<つかつく>  55.



司は、潤の件で、進に詫びを入れた後…。
今度は、『美桜』に向かう為に、司は、進と一緒に、美桜と潤の部屋のリビングルームに戻ったのだった。



そして、司から言われた様に、大人しくソファに一人座っている美桜に、司は、声を掛けたのだった。


「美桜…。
 俺が、美桜の隣に座っても良いか?」


司から、そう声を掛けられた美桜は、司を、唯、凝視して居たのだが…。
美桜は、何故だか、頷いたのだった。


だが…。
美桜が頷いたからと言って…。
此の時の司は、強引にする事が出来ず、多少、美桜に対して、気を遣う素振りを魅せるのだった。


本当の司の想いは、美桜との距離を縮めて座りたかったのだ。
所謂、肩と肩が触れ合う距離で座りたい司だったのだ。


だが、此の時の司は、美桜との距離を、多少の距離を以って、座ったのだった。


何故なら…。
美桜が、司を怖がらない様にする為だったのだ。


所謂、美桜に対する司の最低限の配慮だったのだ。


最初から、強引に成らない様に、司は、美桜に向かう事にして居たのだった。



だが…。
進は、司に対して、頷いたそんな美桜の仕草に、驚愕して居たのだった。


だが、進は、思い直していたのだった。


“其れだけ…。
 『姉ちゃん』の想いが、『姉さん』に残って居るって事…何だろうな。”と…。



そう進が思って居た時に…。
司は、未だ、立ったままで居た進に、声を掛けたのだった。


「進…。
 俺は、今から、美桜と話しする。
 だが…。
 美桜が、俺を怖がってもいけねぇから…。
 進も、此処(美桜と潤の部屋のリビングルーム)に、残ってくれるか?」


なので、進は、司に了承の意を告げたのだった。


「分かりました。」と…。


そして、進は、司と美桜が、並んで座っている向かい側のソファに座ったのだった。



という訳で…。
進がソファに座ったと同時に、司は、美桜に声を掛けたのだった。


「美桜…。
 もう、大丈夫か?」


そう司から声を掛けられた美桜は、前を向いたまま…。
司に返答するのだった。


「はい。」と…。


なので、司は、更に、美桜に話しを続けたのだった。


「美桜…。
 俺が、突然、此処(美桜と潤の部屋のリビングルーム)に、現れた事で、吃驚したよ
 な?」


そんな風に言って来る司に、美桜は、呆れた様に、司の方を向いて思うのだった。


“見ず知らずの方が、突然、私の目の前に、現れれば…。
 吃驚する事は、当然だと思うんだけど…。”と…。


だが、そう思う美桜では在ったのだが…。
司には、返答するだけに、留めたのだった。


「はい。」と…。



だが、此の時の司の耳には、美桜の口から発せられたそんな言葉は、独り言として、聞こえて来たのだった。


なので、司は、思うのだった。


“久し振りだな。
 お前の独り言が聞けるとは…。
 お前は、相変わらずだな。
 やっぱ、お前は、お前(牧野つくし)…、何だよな。”と…。


なので、司の口からは、微笑の言葉が出て来たのだった。


「ククッ」と…。


そんな司に美桜は、怪訝な顔付きに成るのだった。


だが、司は、そんな美桜の様子を汲み取り…。
慌てる様に…。
話しを紡ぎ始めたのだった。


「美桜…。
 俺が、潤に言った言葉は、理解してるか?」
「………」


なので、美桜は、言葉も無く、頷くだけに留めたのだった。


なので、司も、話しを続けるのだった。


「そうか。
 だったら…。
 美桜も、もう、分かってるとは、思うんだが…。
 俺と美桜は、高校のガキの頃に付き合って居た。
 だから、俺と美桜との間には、潤が居る。
 所謂、俺と美桜は、そういう関係だ‼
 潤にも言ったんだけど…よ。
 俺は、或る事件に遭遇して、お前の記憶だけを失った。
 だから、俺は、母親に寄って、NYに連れて行かれた。
 だから、美桜が、潤を生んで居た事を知ったのは、お前の記憶を取り戻してからだっ
 た。
 俺は、本当に、申し訳ねぇと思ってる。
 だが、今の俺は、また、美桜と、付き合いてぇとも思ってる。
 否…。
 俺は、美桜と、結婚してぇと思ってる。
 俺と美桜との間には、息子の潤が居るんだ。
 だから…よ。
 俺と美桜は、夫婦と云っても、過言じゃねぇよな?
 なぁ~、美桜…。
 俺は、今でも、美桜を愛してる。」
「………」


此の時の司は、美桜を司の方に引き寄せて、抱き締めたかったのだ。


だが、強引にすれば…。
美桜が、司から、離れて行く可能性も有るのだ。


だから、慎重にも成る司だったのだ。
だが、此の時の司は、司の両手をグーにして、強く握って、太股の上に置いて居たのだった。


そんな司の仕草を観て居た進は、司が、相当、我慢している事を知ったのだった。


高校生の頃の司を知って居る進にとって…。
そんな司が、不憫で仕方なかったのだ。


だが、美桜には、そんな司の様子等…。
今の美桜には、気が付く筈等、無かったのだ。


唯、美桜は、司から言われた「愛してる。」というそんな言葉に、何故だか?
安心する様な、ホッとする様な…。
気持ちに成って居たのだった。


其れが、一体、何を意味するのか?
今の美桜には、分からなかったのだ。


だからだったのかも知れない。
美桜は、無言のまま…。
そんな司の方を向いたのだった。


其の時に、司は、美桜の瞳を観たのだった。


美桜の瞳に映っている司自身を観た時…。
何故だか?
不安に成ったのだ。


“美桜は、こんな俺を受け入れてくれるのだろうか?”と…。


そう思った時の司は、美桜に、恐る恐る、訊き始めて居たのだった。


「美桜…。
 美桜を抱き締めても良いか?」と…。


だが、美桜は、司を、唯、じーっと、観て居るだけだったのだ。


だからだったのだろう。
司は、思わず、美桜の腕を取り、引き寄せて、抱き締めて居たのだった。


美桜も、強引に、司から、抱き締められる形に成って居るにも関わらず…。
司の身体の中で、藻掻く事も無く、唯、大人しく、司に抱き締められて居たのだった。


久し振りに、抱き締める『牧野つくし』の身体に、司は、涙が出そうに成って居たのだった。


そんな司と美桜の様子を観て居た進は、美桜が、司に、抵抗して居ない事に、何故か?
安堵して居たのだった。
進自身も、こんな日が来る事を、待って居たのかも知れない。



だが、何も言って来ない美桜に、不安を感じ始めた司は、抱き締めた状態のまま…。
美桜に、確認するかの様に、言って除けるのだった。


「俺が潤の父親だと言う事は…。
 美桜は、信じてくれるよな?」と…。


だが、司が望む様な美桜からの返答の言葉を聞く事は、此の時の司には叶わなかったのだ。

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