人間恐怖症…<つかつく> 167.
【166.のエピローグ<優紀のニックネーム(呼び名)>(116.より)】
優紀が、複雑な思いに成って居たのは、何も、桜子からの指摘だけじゃ無かったのだ。
実は、優紀は、潤からの優紀へのニックネーム(呼び名)として…。
『ゆう(優)ちゃん』と、呼ばれて居たのだ。
【(116.より)
F3&T3と会って直ぐの時から、潤は、F3&T3の呼び名を、決め始めたのだった。
「えーっと…。
るいくん(類君)と、そうくん(総君)と、あきくん(君)と…。
しげる(滋)ちゃんと、ゆう(優)ちゃんと、さくら(桜)ちゃんで…いい(良
い)?」と…。】
其れなのに…。
潤は、自身の妹で在る 『冬桜(ゆらら)』の呼び名にも…。
『ゆうちゃん』と、呼ぶ事にしたのだ。
優紀にして視れば…。
今迄、潤から、『ゆう(優)ちゃん』と、呼ばれて居たのは、優紀だった筈なのだ。
其れに、優紀は、潤からそう呼ばれる事は、実は、嬉しかったりしたのだ。
何故なら…。
自身の幼少期の頃は、母親から、『ゆうちゃん』と、呼ばれて居たからだったのだ。
其れが、潤にとっては、妹で在る 『冬桜(ゆらら)』の誕生で、優紀のニックネーム(呼び名)の件は、潤の中から、如何も、すっかり、忘れ去られた様子だったのだ。
此の時の優紀にとっては、少し、寂しさを感じて居たのだった。
だからだったのだろう。
優紀は、密かに、思って居たのだった。
“潤君は、すっかり、私の事は、忘れてしまって居るよね。
其れに、今の潤君の中では、妹の『冬桜(ゆらら)』ちゃんの事の方が、最優先だよ
ね。”と…。
だからこそ…。
優紀は、諦めて居たのだった。
だが…。
何だか?
潤から忘れ去られた様で…。
実は、此の時の優紀は、複雑な思いを抱えたままだったのだ。
だが…。
此の時の優紀が、諦められたのは、自身の姉で在る 瑞紀の子供達…。
所謂、優紀にとっては、甥っ子と姪っ子も、そんな頃が有ったからだったのだ。
既に、小学生と成って居る優紀の甥っ子と姪っ子も…。
幼少期の頃の甥っ子と姪っ子は、優紀と約束した事を、良く、忘れて居たのだった。
なので、優紀は、潤が、忘れてしまって居る事に関しても、頷ける処だったのだ。
そうなのだ。
4~5歳までの幼児には、良く有る事だったのだ。
約束した事を、すっかり、忘れて…。
目先の事に、夢中に成ったり…。
集中してしまったり…。
そんな事は、日常茶飯事な事なのだ。
其れに、折角、コミュニケーションを取って、仲良く成ったと思って居た4~5歳までの幼児の場合…。
暫くの間、会えず、少し間を開けて、また、再会して視れば…。
“すっかり、忘れ去られて居た。”と、いう話しは良く有る話で在る。
だからだったのかも知れない。
優紀自身も、“一々、目くじらを立てる必要が無い。”と、判断出来たのだろう。
なので、優紀も、此の事に関しては、忘れる様にして居たのだった。
だが、美桜は、気が付いて居たのだった。
否…。
美桜は、思い出したのだった。
ここ最近は、潤も、優紀の事を、『ゆう(優)ちゃん』と、呼ぶ機会に恵まれて居なかった事から…。
美桜自身も、すっかり、忘れて居たのだが…。
だからだったのだろう。
美桜は、潤に、訊き始めるのだった。
「ねぇ~、潤…。
訊きたいんだけど…。
確か…。
優紀を呼ぶ時には、『ゆう(優)ちゃん』と、呼ぶんじゃ無かったの?
なのに…。
『冬桜(ゆらら)』を呼ぶ時も、『ゆうちゃん』と、呼んで良いの?
優紀を呼ぶ時も『ゆう(優)ちゃん』…。
『冬桜(ゆらら)』を呼ぶ時も、『ゆうちゃん』…。
同じで良いの?」と…。
其処で、潤も、思い出したのだ。
美桜からの指摘で…。
そして、自分自身から、F3&T3に、それぞれ、そう呼ぶ様に、伝えて居た事を…。
だからだったのだろう。
潤は、美桜に、言って除けるのだった。
「あっ⁉
そうだったぁ~。
ママ…?
どう(如何)しよう⁉
あっ、そうだ!
『ゆうき(優紀)ちゃん』って…。
よぶこと(呼ぶ事)にするね。」と…。
だからだったのかも知れない。
美桜は、自身の息子で在る 潤の言葉に、呆気に取られ乍らも、苦笑いのまま…。
返答するのだった。
「そう呼ぶのね。
そうしたら…。
『冬桜(ゆらら)』を呼ぶ時は、『ゆうちゃん』で…。
優紀を呼ぶ時は、『ゆうき(優紀)ちゃん』と、呼ぶって事で、良いのよね?」と…。
そして、潤は、満面の笑みで、美桜に、返答するのだった。
「うん。
それ(其れ)で、いい(良い)よ。」と…。
なので、美桜は、更に、苦笑いの顔付きのまま…。
潤に、返答するのだった。
「そう、分かったわ。」と…。
そして、美桜は、優紀に、申し訳無く成り乍らも…。
此の事を、伝える事にしたのだった。
其の日は…。
『冬桜(ゆらら)』の誕生から…。
1ケ月経った司の誕生日の1月31日に…。
『冬桜(ゆらら)』の誕生祝い(=美桜の出産祝い)と…。
司の誕生日祝いを兼ねてパーティーが開催された折に…。
美桜は、優紀を呼び出して、伝える事にしたのだった。
そして、優紀は、潤が、美桜に、言って来た話を、美桜から、打ち明けられたのだった。
詫びの言葉と共に…。
「優紀…。
伝えたい話しが有るんだけど…。
実は…ね。
潤の事…何だけど…。
此れからは、優紀を呼ぶ時は、『ゆうき(優紀)ちゃん』と、呼びたいらしいの。
本当に、ごめんね。
潤が、勝手な事ばかり言って…。」と…。
実は、美桜からの話には、優紀は、苦笑いだったのだ。
何故なら…。
思って居た事通りだったのだから…。
だからこそ…。
優紀は、美桜に、言えた言葉だったのだろう。
「うん。
良いよ。
何と無く…。
“そうだろうなぁ~。”とは、思って居たし…。
私にも、姉の子供で、甥っ子と姪っ子が居るから…。
“そう言う時期が在ったなぁ~。”と、思って居たの。
だから…。
子供の事だし…。
美桜は、気にし無くも、良いよ。」と…。
なので、此の時の美桜は、ホッとして居たのだった。
“優紀が、気分を害して居ない様で、良かった。”と…。
という訳で…。
其の後の潤からの優紀へのニックネーム(呼び名)は、『ゆうき(優紀)ちゃん』と、呼ぶ事に成ったのだった。
<此の二次小説『人間恐怖症…<つかつく> 167.』は、【エピローグ】の為に、短め
に成って居ります事を、お詫び申し上げます。
了承の程、宜しくお願い致します。>