Close to you~お前の傍に~…<つかつく> 63.
実は、更に、つくしの現状に疑問を感じ始めて居た其の後の滋は、翌日もまた、桜子に連絡を入れて、桜子に助けを求めるのだった。
何故なら…。
其の後のつくしの様子が、何処か、変…だったのだ。
実は、道明寺家 と 大河原家とのあの食事会が執り行われた翌日の朝のつくしは、時間を見計らったかの様に、自身の姉と成った 滋とは、一切、顔を合わせなくても良い様に部屋を出て来るのだった。
だからだったのだろう。
其の事を知った滋は、更に、桜子に助けを求めたという訳…だったのだ。
実の事を言うと、最初に、滋からの連絡を受けた時点での桜子は、つくしに会いに行く事に関して、そんなに焦って居なかったのだ。
何故なら…。
最初に、滋から連絡を受けた時点での桜子は、悠長に考えて居たから…だったのだ。
だからだったのだろう。
此の時点に於いての桜子は、悠長に考えて居た事も有り、其れ程、焦って居なかったという訳…だったのだ。
“先輩は、潜在意識の中で、唯、勘違いを起こして、道明寺さん と 滋さんに焼きもちを
焼いて居るだけなのだろう。”と、考えて居た事で…。
だが、其の後、更に、滋からの連絡を受けた事で、其の後の桜子の考え方は変わって居たのだった。
“明日には、先輩に会いに行った方が良いのかも知れない。
唯単に、勘違いを起こして、先輩は、道明寺さん と 滋さんに焼きもちを焼いて居るだ
けでは無いのかも知れない。”と、焦り始めたかの様に…。
だからだったのだ。
其の後の桜子は、其の日の内に、更に、優紀に連絡を入れて、其の次の日…。
所謂、其の翌日には、つくしに会う為に、優紀 と 桜子は、大河原邸に向かうのだった。
という訳で、優紀と話し合った後の桜子は、直ぐに、滋に連絡を入れて居たのだった。
「明日、優紀さんと一緒に、先輩に会いに行きますね。」と…。
そして、桜子からのそんな連絡を受けた後の滋は、直ぐに、大河原家の使用人頭で在る 『ばあや』に其の話しを伝えるのだった。
「明日、優紀 と 桜子がつくしに会う為に、うち(大河原邸)に来てくれるらしいの。
だから、宜しくね!」と…。
なので、大河原邸に到着して直ぐの優紀 と 桜子は、滋からの報告を受けて居た事も有り、大河原家の使用人頭で在る 『ばあや』に寄って、つくしの自室前迄、誘導されて居たのだった。
そして、優紀 と 桜子をつくしの自室前迄、誘導した此の時の大河原家の使用人頭で在る 『ばあや』は、つくしの自室のドアをノックして、つくしに声を掛けるのだった。
「つくしお嬢様…。
優紀さん と 桜子さんがお見えに成りました。
お部屋の中に入って頂いても宜しかったでしょうか?」と…。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、自身の自室の中から、大河原家の使用人頭で在る 『ばあや』に、何時(いつ)もと、其れ程、変わらない声質で即答するのだった。
「はい、どうぞ!」と…。
だからだったのかも知れない。
そんなつくしの声質を聞いて居た此の時の優紀 と 桜子は、それぞれ、同じ様な事を考えて居たのだった。
“滋さんが心配して居る程…。
つくし(先輩)の様子は、酷く無いのかも…。”と…。
だからだったのだろう。
勝手に、そんな風に思って居た此の時の優紀 と 桜子は、つくしの自室の中に入って視て、分かったのだった。
自分達の考えて居た事が浅はかで有った事を…。
何故なら…。
此の時のつくしの様子は、一目瞭然…だったのだ。
実は、道明寺家 と 大河原家とのあの食事会が執り行われた其の日の夜 と 其の翌日の間のどれ位…泣き腫らして居たのか?
此の時のつくしの瞳(め)は、真っ赤…だったのだ。
だからだったのだ。
此の時の優紀 と 桜子は、更に、同じ様な事を思って居たのだった。
“まるで、つくし(先輩)の瞳(め)は、『ウサギの目』…みたい(ですわ)。”と…。
勿論、そんな悠長な事を思って居る場合では無かったのだ。
だが、此の時の優紀 と 桜子は、そんなつくしの様子を見た事で、つくしには言えないのだが、其れでも、更に、それぞれ、思って居たのだった。
“桜子さんが言って居た事は、本当…だったのかも…。”
“やっぱり、先輩は、唯単に、勘違いを起こして、道明寺さん と 滋さんに焼きもちを焼
いて居ただけ…だったという訳ですね。”と…。
実は、此の時の優紀自身、桜子からの連絡を受けた際に、桜子が滋から話しを聞いた事で、桜子の見解として、桜子がつくしに対して感じて居るという話しを聞いて居たのだった。
だからこそ…。
此の時の優紀は、そんな風に、思って居たのだろう。
其処で、此の時の桜子は、“そんな風に思って居る場合では無いのよ。”と、考え直した事も有り、つくしに気を取り直して貰う為にも、つくしに声を掛けるのだった。
「先輩…如何為さったんですか?
其の瞳(め)…?」と、分かって居乍らも…。
だからだったのだろう。
此の時のつくしからして視れば、桜子から、そんな突拍子も無い様な事を訊かれても、何と返答して良いのやら、分かって居なかったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしからの返答の言葉は、「へっ??」…だったのだ。
だからだったのだろう。
笑いたい気持ちを抑えるかの様に、此の時の桜子は、更に、つくしに言って除けるのだった。
「今の先輩の瞳(め)は、『ウサギの目』…みたいに、真っ赤ですよ。」と…。
だからだったのだ。
“訳が分からない。”と、言いた気なつくしは、桜子からのそんな言葉を、唯、反復するかの様に、更に、繰り返して言って居るだけ…だったのだ。
「『ウサギの目』…みたい⁉」と、訊くかの様に…。
だからだったのだ。
此の時の桜子は、一言だけ、つくしに言って置くのだった。
「後で、鏡を見れば分かりますよ。
私の言って居る意味が…。」と…。
だが、そんなつくしには慣れっこに成って居る此の時点に於いての桜子は、つくしからのそんな疑問の様な言葉にも、其れ以上、一切、見向きもせずに、そんなつくしを放って置いて、話しを先に進め様とするのだった。
「先輩…何か、悩み事でも有るんですか?
何なら、先輩の悩み事を、私達で解決しましょうか?
話しして視て下さい。」と…。
実は、つくし自身、道明寺家 と 大河原家とのあの食事会での出来事に関して、誰にも言う気も無ければ、訊く気も無かったのだ。
勿論、大河原家の使用人頭で在る 『ばあや』を始めとして、大河原家のスタッフ全員が、其の日のつくしに対して、何も触れて来ないし、何も訊かなかったのだ。
何故なら…。
大河原家の使用人頭で在る 『ばあや』から、大河原家のスタッフ全員に指示が出されて居たから…だったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の日に限って、つくしは、何故か?
桜子からのそんな誘導の言葉に乗るかの如く、話しし始めるのだった。
「実は…ね。
道明寺家 と 大河原家との食事会の席で、道明寺さん と お姉様が見詰め合って居た
のよ。
其れに…ね。
お姉様は、道明寺さんの事を呼び捨てで呼んで居たの。
しかも、苗字を『さん』付けで呼ぶんじゃ無くて、下の名前を呼び捨てで呼んで居たの
よ。
其れに、其れだけじゃ無くて、実は、お父様から聞いたんだけど…ね。
確か、道明寺さん と お姉様って、高等部当時に両家の親達で決めた婚約者同士…だっ
たのよね?
って事は、やっぱり、私が道明寺さんの婚約者に成るんじゃ無くて、お姉様の方が良いん
じゃ無いのかな?
道明寺さん と お姉様は、お互い、見詰め合う程、仲が良い訳だし…。」と…。
だからだったのだ。
此の時の桜子は、思って居たのだった。
“やっぱり、先輩は、潜在意識の中で、唯単に、勘違いを起こして、道明寺さん と 滋さ
んに焼きもちを焼いて居たんですね。”と…。
だからだったのだ。
此の時の桜子は、先ず、つくしの勘違いを解く事に専念するだった。
「先輩…良いですか?
先輩は、何を仰ってお出でなのですか?
確かに、道明寺さん と 滋さんは、高等部当時に両家の親達で決めた婚約者同士…だっ
たですよ。
でも、其の当時の道明寺さんは、其の頃から、ずーっと、先輩の事が好き…だったです。
うざく成る位に…。
だって、道明寺さん と 先輩は、先輩が(英徳高校)2年生迄、同じ英徳高校に通って
居た位ですから…。
勿論、滋さんも、其の事に関して、ご存知ですよ。
知らぬは、両家の親達だけ…だったという訳ですよ。
だから、如何いう理由かは分かりませんが、道明寺さん と 滋さんは、見詰め合って居
た訳では無く、睨み合って居たんじゃ在りませんか?
だって、滋さんは、先輩の事が心配で、道明寺さんとの婚約話を反対為さって居た位です
から…。
其れに、其の事を知った道明寺さん と 滋さんが、“大喧嘩為さって居た。”と、F3から
伺いましたから…。
“道明寺さん(司)には、先輩(つくし)を任せられない。”って、滋さんが、そう仰って
居たそうですよ。
だから、其れ位、道明寺さんにとっても、滋さんにとっても、『先輩』という方は、大切
で放って置けない女性(ひと)…何ですよ!
だからこそ、先輩は、瞳(め)が真っ赤に成る位…泣かなくても良い訳ですよ。
本当に、今の先輩の瞳(め)は、『ウサギ』の様な目に成ってますよ。」と…。
だからだったのだろう。
実は、此の時のつくしにとっては、桜子からのそんな話し振りに対して、ホッとして居たのだ。
勿論、何故、ホッとして居るのか?
此の時のつくし自身、訳が分かって居なかった事は、事実…だったのだ。
何故なら…。
此の時点に於いてのつくしにとっての司は、『初対面』…だったのだ。
だからこそ…。
此の時のつくしにとっては、何故、自分自身がホッとして居るのか?
訳が分かって居なかったとしても、何ら、不思議でも無かったのだ。
だが、確かに、自分自身(つくし)は、ホッとして居たのだ。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、自分自身のそんな心境の変化に驚愕して居たのだった。
そして、優紀 と 桜子もまた、つくしのそんな心境の変化を読み取って居たのだった。
だからだったのだろう。
其の後の桜子は、自身に助けを求めて来た滋だけでは無く、F3の代表として、あきらにもまた、つくしの現状 と つくしと話しした内容を報告して居たという訳…だったのだ。