まだ、好きだから…唯、言えなくて…<つかつく> 19.
【『まだ、好きだから…唯、言えなくて…<つかつく> 18.』のエピローグ
〈入籍記者会見〉】
司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓 と 滋の父親で在る 大河原社長は、司 と 滋との入籍記者会見の場に出席して居たのだ。
勿論、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓 と 滋の父親で在る 大河原社長は、此の時の新聞社・雑誌社等の記者 や TV関係者と…数々のマスコミ関係者から聞かれる話しの内容に承知して居たのだ。
何故なら…。
此の入籍記者会見の主役で在る筈の当の本人達の司 と 滋の出席が無かったから…だったのだ。
実は、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓 と 滋の父親で在る 大河原社長の話し合いに寄り、滋の父親で在る 大河原社長の方から、「司君が出席し無いので在れば、滋の出席も無しにした方が宜しいでしょう。」と、申し出が有ったのだ。
なので、司 と 滋の入籍記者会見の場で在るにも関わらず、主役で在る筈の当の本人達の出席は無しで、二人の親達の司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓 と 滋の父親で在る 大河原社長だけが出席したのだった。
勿論、此の状況は、新聞社・雑誌社等の記者 や TV関係者と…数々のマスコミ関係者からして視れば、突っ込み処満載という訳…だったのだ。
主役で在る筈の当の本人達の二人の親の司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓 と 滋の父親で在る 大河原社長だけが壇上に現れ、礼をした後、席に着く前に、カメラマンが壇上にカメラを向け、シャッターを切り始めるのだった。
そして、或る程度、其の状況は続いて居たのだが、其の後、落ち着きを取り戻した入籍記者会見の場は、今度は、司 と 滋の経歴等の紹介に移り、マスコミ関係者からの質問に移るのだった。
ーーー此の度は、道明寺司氏 と 大河原滋さんの御入籍…。
御目出度う御座います。
道明寺司氏 と 大河原滋さんは、嘗て、お二人が高校生当時…。
婚約発表を為されて居たかと思いますが、其の後、暫くして、婚約破棄を為さいまし
た。
其れから数年経って、再び、道明寺司氏 と 大河原滋さんの入籍記者会見…。
何か、意図でも在るのでしょうか?ーーー
其処で、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓は、滋の父親で在る 大河原社長の方を向き乍ら頷き、マイクを受け取りつつ、話しし始めるのだった。
「では、私(わたくし)の方からお話し致しますわ。
あの頃の二人は、まだ、高等部に通って居た事も在り、取り敢えず、婚約発表したに過ぎ
ませんでした。
ですが、二人同時に、“婚約は、まだ早過ぎて気が重い。”と、クレームが出ましたので、
二人が成人する迄、婚約破棄という手段を取りました。
実は、高等部に通って居た頃寄り、長らく、司 と 滋さんは友人関係が続き、お付き合
い致して折りましたので、二人の中では、今回の入籍が当然のものと捉えて居た様です
わ。」と…。
ーーー確か、道明寺司氏が英徳高校に通って居られた当時…。
道明寺司氏と同じく、其の当時、英徳高校に通って居られた一般家庭出身の女性とお
付き合いされて居たかと、記憶致して折ります。
其れに、道明寺司氏は英徳高校の卒業式を迎える事無く、NYに渡米されたと、伺っ
て折ります。
其の当時、道明寺司氏とお付き合い為さって居た女性は、道明寺司氏がNYに渡米し
た後、英徳高校を自主退学したと、伺いました。
其の後、其の女性は、如何されたのでしょうか?ーーー
自身の息子で在る『道明寺司氏』と言う言葉が連発して居た事から、此の質問に関しても、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓がマイクを受け取って、話しし始めるのだった。
「私事では御座いますので、もし、言えるお話しが在ったとしても、私(わたくし)の方か
らは申し上げられる情報も、お話しも、何も御座いませんわ。
彼女は英徳学園に居辛く成って、英徳学園を去ったのでは在りませんか?
私共には何の罪も御座いませんでしょ!
貴方(雑誌社の記者)が私共に何を言わせたいのかしら?
分かり兼ねますわね。」と、質問をして来た雑誌社の記者を睨み付け乍ら、返答するのだった。
ーーーと言う事は、此の度の道明寺司氏 と 大河原滋さんの御入籍は、婚約破棄を為さっ
た当時の様な事には成らないと理解させて頂いても宜しかったでしょうか?ーーー
此の質問に関しては、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓 と 滋の父親で在る 大河原社長のそれぞれがマイクを受け取り、話しし始めるのだった。
先ずは、滋の父親で在る 大河原社長が話しするのだった。
「私共の両社は、業務提携に合意致して折ります。
ですので、二人が婚姻関係を解消する様な事は無いでしょう。」と…。
そして、滋の父親で在る 大河原社長の後を受けて、また、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓が話しし始めるのだった。
「私共の息子の司にしても、大河原家のご令嬢の滋さんにしても、もう既に、成人した立派
な大人ですから、十分、事の意味を理解して居ると、思いますわよ。」と…。
其処で、滋の父親で在る 大河原社長 と 司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓のそれぞれの話しを聞いて居た新聞社の記者が手を挙げて、マイクを受け取り、話しし始めるのだった。
ーーーと言う事は、此の度の道明寺司氏 と 大河原滋さんの御入籍は、政略結婚と理解し
ても宜しかったでしょうか?ーーー
其処で、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓が質問して来た新聞社の記者を睨み付け乍ら、話しするのだった。
「いいえ、『政略結婚』では在りませんわよ。
二人は『恋愛結婚』ですわ。
先程も申し上げましたが、私共の息子の司 と 大河原家のご令嬢の滋さんは、高等部当
時からの友人関係に在りましたの。
ですから、二人のお付き合いは長いんですのよ。」と、自慢気に、更には事も無げに…。
勿論、そんな様子の司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓を見て居た新聞社・雑誌社等の記者達の中には、実は、其の当時の道明寺家について調べて居る者も居たのだ。
実の事を言うと、其の新聞社・雑誌社等の記者達の取材に寄ると、其の当時から『牧野つくし』が行方不明で在ると言う情報を得て居たのだ。
実は、其の情報の出所は、つくしの幼馴染で在る 青池和也から得た情報…だったのだ。
更に、実の事を言うと、何故、青池和也が、新聞社・雑誌社等の記者達にそんな情報を流したのか?
其れは、実は、青池和也が、ずーっと、不思議に思って居た事が有ったから…だったのだ。
青池和也が、ずーっと、不思議に思って居た其の或る出来事とは…。
英徳高校当時、司と付き合って居たつくしを排除する為に、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓が仕掛けた事に寄り、青池和也の親の会社(不動産業)が潰れそうだったにも関わらず、つくしの行方不明と共に青池和也の親の会社は持ち直したのだ。
勿論、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓 と つくしの対決を知らない者からすると…“【偶然の一致】だろう。”と、捉える者が居るのかも知れない。
だが、つくしが英徳高校に在籍して居た当時…。
青池和也も、つくしと一緒に英徳高校に在籍して居たのだ。
しかも、英徳学園内でつくしが如何言う目に遭って居たのかも知って居る一人でも在るのだ。
そして、青池和也も、また、つくしが行方不明に成った事で、F3&T3と一緒に、つくしを探して居た一人でも在ったのだ。
そして、此の日の司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓の自慢気な顔付きを見て居た事情を知って居る新聞社・雑誌社等の記者達の中では不快に感じる者迄、出て来た程…だったのだ。
だからだったのかも知れない。
青池和也から情報を得て事情を知って居る新聞社・雑誌社等の記者達の中では不快に感じ乍らも、こう思って居たのだ。
“道明寺社長の頭の中には『罪悪感』と言う言葉は存在して居ないのだろうか?”と…。
其れ位、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓の顔付きは冷たく、誰もが、「流石、道明寺社長は、『鉄の女』だ!」と、揶揄って(やゆって)言って居る意味が分かる程…だったのだ。
だからだったのだろう。
青池和也から情報を得て事情を知って居る新聞社・雑誌社等の記者達の中の一人が、今回の入籍記者会見を見て居て不快に感じた事で、『ノンフィクション』として、“『道明寺家の闇』を記事し様!”と、考えたのだった。
そして、桜子は、丁度、司 と 滋の入籍記者会見を見た後に、青池和也から連絡を受けるのだった。
「道明寺家の暴露本が出版されるかも知れないよ。」と…。
勿論、此の時の桜子は、青池和也に頼むのだった。
「暴露本を出版するのは、もう少しだけ待つ様に頼んでくれないかしら?」と…。
何故なら…。
滋が如何言う意図を持って、司との入籍を選んだのか?
“其の理由を知りたい。”と、考えたから…だったのだ。
だが、結局、青池和也からの良い返事を聞く事は出来無かったのだ。
其れでも、司 と 滋の入籍記者会見終了後に、青池和也の話しも聞いて、桜子は、F3&T2の代表かの様に滋に連絡を入れて視たのだった。
だが、滋からの返答の言葉は開き直って居る様にしか感じられず、何時(いつ)の間にか、桜子の心の中では思う様に成るのだった。
“一層の事…。
道明寺家の暴露本が出版されれば良いのよ!”と、涙乍らに…。
其れでも、青池和也から聞いた【道明寺家の暴露本が出版されるかも知れない】と言う此の情報だけは、F3&優紀に言える勇気が出ない桜子…だったのだ。
PS.
実は、其の後の桜子は、司 と 滋の入籍記者会見終了後に滋と話しした事で、滋の或る情報を青池和也に、そーっと、教えるのだった。
「大河原滋さんは、先輩の恋人だった道明寺さんから、2度も横恋慕したのよ。」と…。
だが、其の後の桜子は、此の情報を青池和也に伝えた事を後悔するのだった。
何故なら…。
其の後、つくしの行方が分かった事で、現在のつくしが如何言う状況に置かれて居るのかを知ったから…だったのだ。
【後悔先に立たず…。】とは良く言ったもので、実は、桜子だけじゃ無く、つくしが、此れ迄、如何言う状況に居たのかを知った此の当時の司 と 滋は、本当に後悔するばかりで、特に、滋は、落ち込む日々が続くのだった。