兄妹物語【あきら&つくし兄妹】…<ALL CP> 3.
家庭環境上、逃げ出したかったのは、つくしだけでは無かった。
あきらも、『ラブリー過ぎる母親』に、疲弊していたのだ。
あきらは、何時の頃からか…?
母親を避ける自分自身が居て、幼馴染と一緒に居る方が楽に成って行った。
其の事自体、あきらが中学生の頃から、夜遊びを覚え、女性の味を覚え、落ち着いた年上女性に走り出した理由だったのだ。
その結果、高校生にして、『マダムキラー』と呼ばれるまでに成ってしまった。
いつも、『年上女性と遊んで帰って来たで有ろう』様相で居るあきらだったので、父親で在る たかしが諫めた事が何度か有った。
だが、反対に、あきらは…。
「お袋の様な女性を好む親父の気が知れねぇ…。」と、刃向かっていたので在る。
昔、あきらは、幼馴染で在る F3から…。
「あきらの父ちゃんと母ちゃんの仲が良いのが羨ましい。」と、言われた事が在った。
だが、あきらはあきらで、声に出して、言わないまでにも…。
“仲が良すぎても、考えもんだ。”と、常に思っていた。
美作兄妹の両親は、プライベートでは、何処に出掛けるのも、いつも夫婦一緒に出掛けていた。
そう言う訳で、『マダムキラー』と、呼ばれる様に成るには、成るだけの理由が、あきらには有ったのだ。
所謂、母親の様な女性じゃ無く、落ち着いた大人の女性を、必然的な形で、好む様に成ったという訳だった。
唯、あきらは、つくしだけにはバレたくなかった。
つくしは、生真面目で、曲がった事が嫌いな少女。
あきらにとって、妹乍ら、感心する位だった。
だから、つくしにバレれば、唯じゃ於かないだろう事は分かり過ぎる位、あきらには、分かり切っていた。
だから、此れからは、夜遊びの度に、“つくしに煩く言われるだろう‼”と、覚悟を決めていたあきらだった。
あきらは、つくしの兄貴では在るのだが…。
何故か?
妹のつくしには、歯向かえないあきらだったのだ。
で、美作邸では、『帰国して帰って来たばかりのつくしの叫び声がリビングに響いていた。』と、いう訳だったのだ。
つくしの叫び声は、最大級だった。
「はぁ~、それって、如何言う意味??」
「「………」」
母親の夢子と使用人頭のミヨは顔を見合わせて、黙っていた。
つくしは怪訝な顔付きに成り、夢子に問い質した。
「ママ…?
もしかして、お兄ちゃま、良からぬ事でもして居るの?」
「………」
ミヨが見兼ねて、つくしに話しし始めて居た。
「坊っちゃんに直接、お訊きに成るか?
もしくは、夜、坊っちゃんがお出かけに成られた翌朝…。
つくしお嬢様が、お早目に起きられて下さいませ。
きっと、訳がお分かりに成られると思いますよ。」
つくしは、もう、驚愕だけでは無かった。
だから、つくしは、兄 あきらを軽蔑し始めていた。
「はぁ~??
其れって、もしかしなくても、お兄ちゃまは、夜遊びしてるって事?」
「坊っちゃんの場合、唯の夜遊びじゃ御座いませんから…。」
「………」
更に、つくしは訳が分からずに居たので、言葉も出せずに居たのだが…。
“取り敢えず、(使用人頭の)ミヨさんの言う通りにして視よう‼”と、思っていたつくしだった。
そして、翌朝、つくしは早目に目を覚まし、リビングであきらの帰りを待ち伏せしていた。
そして、あきらが帰って来た時に、使用人頭のミヨの言って居た事が、漸く理解されたつくしなので在った。
何故なら、女性の付ける香水の香りを漂わせて帰って来た兄 あきらだったのだから…。
「お兄ちゃま、何?
此の大人な女性の匂い?
お兄ちゃま、不潔…‼」
つくしはそう言って、部屋に戻って行った。
それからのつくしは、あきらに対して、軽蔑の眼差しで見る様に成っていた。
しかも、夜遊びして朝帰りして帰って来たあきらに対する其れからのつくしの口癖は…。
暫くの間、『お兄ちゃま、信じられな~い‼』と、成ったのだった。
其れも、暫くしたら…。
否、つくしのほとぼりが冷めた頃には、何時もの美作兄妹に戻って居たのだが…。
あきらは、心の中で叫んでいた。
“つくしはイギリスに逃げられたから良かったけど…よ。
俺は逃げる所が無かったんだよ。
だから、幼馴染に逃げ、年上の女に逃げただけだろ⁉
何が不潔、何だ…?
何が信じられねぇんだ‼”
と、心の中で悪態を付いていたあきらだった。
直接、つくしに言えれば良いのだが、何故か、つくしに弱い兄 あきらで在ったのだった。
<此の二次小説『兄妹物語【あきら&つくし兄妹】…<ALL CP> 3.』は、切り目
が良い為…少し、短めに成って居ます。
お詫びします。>