兄妹物語【あきら&つくし兄妹】…<ALL CP> 7.
楓から連絡を受けた椿も日本に帰国して帰って来た。
そして、夢子と約束通り、或る日の日曜日に、楓と椿の母子(おやこ)が美作邸に遊びに来る事に成った。
それに、先立ち、つくしは、夢子から話しを聞かされていた。
「つくし、道明寺のおば様と椿お姉ちゃまを覚えてる?」
つくしは、首を傾げながら、夢子に答えていた。
「う~ん、覚えてないかも…⁉」
夢子も、“当然か…?”と、思うしかなかったのだった。
だから、夢子は、納得した様に、つくしに話しして居た。
「そうよねぇ。
仕方ないわよね。
つくしが、確か、3~4歳の頃だったものね。」
「そう言う事ね。
で、如何したの?」
夢子は、伝えるべき事を忘れそうに成っていた。
だから、慌てる様に、つくしに伝えていた。
「そうそう…。
其のお二人が、うち(美作邸)に遊びに来るの‼
久し振りに、つくしに逢いたいらしいの。」
「何時(いつ)?」
「来週の日曜日。」
「うん、分かった。」
つくしは、訳が分かって居なかったのだが…。
一応、了承したつくしだった。
そして、此の件に関して、一応、あきらにも、夢子から、伝えられた。
なので、次の日、その事が、F4ラウンジで、話題に上っていた。
あきらは、何の躊躇も無く、司に話しして居た。
「司、お前、知ってるか?」
「はぁ~??
何をだよ‼」
「うち(美作邸)に、お前ん所(とこ)の母ちゃんと姉ちゃんが遊びに来るらしいぞ‼」
司は、驚愕していた。
“何故、ババアと姉ちゃんが、美作邸に遊びに行くんだ…?”と…。
何故なら、司には、楓からも、椿からも、何も、知らされて居なかったのだから…。
だから、司は、あきらに、訊き出していた。
「はぁ~??
俺は、誰からも、聞いてねぇわ⁉
で、何時(いつ)だよ?」
「来週の日曜らしいぞ‼」
「なら、俺も行こうかな?」
言った本人のあきらは、気付いて居なかった。
あきらから、その事を聞いた司が、如何、行動を起こすかを…‼
だからだろう。
あきらは、警戒心無く、司に話ししてたのだった。
何故なら、あきらは、少なくとも、司には、椿から話しが入っていると思っていたのだった。
「はぁ~、何で??」
「つくしも居んだろ?」
「そりゃあ…な。
お前ん所(とこ)の母ちゃんと姉ちゃんは、つくしに会いに来るらしいからよ‼
当然、つくしは、(美作)邸に居んだろ‼」
「じゃあ、俺も行っても良いだろ?
あきらも(美作)邸に居ろよ‼」
あきらは、司の話しして居る言葉の内容を聞いて居て、司からは、逃げられない事を悟って居たが…。
取り敢えず、反論して視たあきらだった。
「はぁ~、何でだよ??
日曜は約束が有んだよ‼」
「キャンセルしろ‼」
「はぁ~??」
あきらは、呆気に取られていた。
“やはり…か?”と…。
其処に、類があきらを慰める様に言って来た。
「あきら、仕方ないよ。
司は知らなかったみたいなのに、あきらが言い出したんだから…?
まあ、あきら、諦めな‼
寝た子を起こしてしまった方が、負け‼」
「………」
あきらは、類の言葉が信じられずに居た。
“先に、寝た子を起こしたのは、類だろ?”と…。
だから、唯、あきらは、司への返答に困っていた。
また、“その日の俺は、確実に、司の餌食だよな⁉”と、思うあきらだった。
類と総二郎は…。
「「ご愁傷様です‼」」と、あきらを労うのだった。
否、類と総二郎が発した、あきらへの労いの言葉には、微かに、笑いを含んでいた。
あきらは、類と総二郎を、一応、睨み付けて於いた。
だが、類と総二郎は、飄々とした態度を、あきらに魅せていた。
あきらの睨みに、怖気付く様な類と総二郎で無い事は言うまでも無いのだが…。
そして、日曜日に成った。
楓と椿がリムジンに乗ろうとして居た所に、司がリムジンに乗って来た。
椿が、リムジンに乗り込もうとしている司に確認して来た。
「司、何処に行くつもり?
このリムジンは、今日は、美作邸に行くのよ。」
「はぁ~??
俺も、あきらん家(ち)(美作邸)に行くんだよ。
あきらと約束してんだ‼」
椿は、幼少期の頃、司がつくしを追い掛け廻していた頃の事を思い出していた。
椿は、既に、つくしが英徳学園に編入して居た事を楓から聞いて知っていたので在る。
其処で、理解した椿で在った。
“司は、つくしちゃんに、また、惚れたって事…ね?”と、悟ったので在った。
美作邸に着いた後の司の態度も、また、椿にとっては分かり易いものだった。
“成程ね‼
司の態度を見て居たら、理解出来るわよ。
分かり易過ぎて、情けなく成程よ…。”と、椿は、弟の司を嘆いて居た。
何故か、つくしが、司の態度に気付いて居ない事が、気に成って仕方なかった椿だった。
“つくしちゃんは、司に気が無いって事よね?”と、嘆くしかなかった椿だった。
つくしは、要は、他人(ひと)の気持ちに疎くて、鈍感なだけなので在ったのだが…。
あきらは、つくしが鈍感で在る事は、知っては居たのだが…。
“此処までか?”と、つくしの兄貴として嘆く程…だった。
あきらにとっては、他人(ひと)の気持ちに疎くて、『鈍感』だという事が判明したつくしだった事は言うまでも無いのだが…。