切な過ぎる二人…<総優> 4.
<あきらside>
俺は、司に提案していた。
「牧野に頼んでもらえねぇだろうか?」
「何を…だ?」
「総二郎が、優紀ちゃんに会える様に連絡してもらえねぇか…?」
「でも、どんな風に、牧野に連絡してもらうの?
連絡してもらうには、怪しまれない様にする必要が有るでしょ?」
「まあ…な。
そう何だよな?」
司が、“あっ‼”って、顔をした。
「この前な、滋と三条が、松岡に、“会いたがってんだ。”って、つくしが言ってて
な。
松岡の所に、“遊びに行って来て良いか?”って、言うから、保留にして有んだ。
で、その話しを、つくしから松岡にさせて、総二郎が松岡に会える様に、セッティング
して遣るのは如何だ?」
俺と類は、司の提案の話しより、“保留?って…。”と、その方に驚愕していた。
で、司の提案が採用され、“(牧野が)動いた‼”と、司が俺に報告して来た。
そして、その事を俺から、総二郎に話しして聞かせた。
「総二郎、お前が行くなら、旅館も予約する。
お前次第だろ?」
「あきら、俺、行っても大丈夫か?
今更じゃねぇのか?
もし、優紀ちゃんに彼氏が居たら…?
俺、再起不能に成るよな…。」
俺は、もう既に、“再起不能だろ⁉”とは、とても、総二郎には言えずに居た。
<総二郎side>
俺は、取り敢えず、あいつ等に就いて行く事にした。
如何いう結果に成ろうとも、優紀ちゃんに会えずして、終わらせたくなかった。
もう、二度と同じ様な過ちは、犯したくなった。
あいつ等の厚意を受ける事にした。
【優紀の元に行く日に成った。】
先ずは、T3が優紀に会い、T3は、優紀に案内してもらいながら、町の探索をして楽しんでいた。
そして、つくしから話しを促した。
「今日ね、旅館を予約したの。
明日、休みでしょ?
だからね、ちょっと、ゆっくりしたいし…ね。
優紀も泊まらない?」
「うん、そうだね。
久し振りだし…。」
「うんうん、そうだよ、優紀‼」
「滋さん、興奮してません?」
「えへへ、優紀に会えて嬉しいんだもんね‼」
って、事で、旅館に向かったT4だった。
そして、洋室のツインルームが2部屋だったので、T4は2×2で部屋を決めた。
その結果、つくし&優紀、滋&桜子に成った。
で、T4で、つくし&優紀の一部屋に集まり、近況報告をしていた。
そして、桜子は、あきらに言われた通り、あきらの携帯に発信して、スピーカーの状態にして、T4の会話を聞かせていた。
第一声、優紀が口火を切った。
「つくし、道明寺さんとの婚約、おめでとう‼」
「有難う、優紀‼」
「ほんと、如何成る事かと、一時は、冷や冷やしましたけど…。
結局は、道明寺さんのお母様が許して下さったから良かったですけど…。」
「今じゃあ、道明寺HDの中では、司には、“つくしが居なきゃあ…‼”状態に成ってるもん
ね⁉」
「そう何だ…。
やっぱり、道明寺さんだよね(笑)‼」
此処からは、優紀に詰め寄る事にした桜子は、優紀にバレない様につくしと滋に目配せをして知らせた。
「ところで、優紀さんは、どんなお仕事を為さってるんですか?」
「今、こっちで、地方公務員をして居るの。」
「そう何ですね。
大変じゃないんですか?」
「う~ん、こっちは、過疎化が進み掛けてるのよね。
だから、おじいちゃんとおばあちゃんが多いから、可愛がってもらってるの。」
「じゃあ、若年層は居ないの?」
「うん、少ないね。」
「じゃあ、彼氏を見付ける何て、難しいですよね?」
優紀は、桜子が何を言いたいのか、分からずに居た。
「うん、難しいかな。」
其処に、誰かが、扉を叩いて居る音が鳴った。
【コンコン】
つくしが司と、事前に打ち合わせしていた。
だから、自ら、ドアに向かったつくしだった。
つくしが演技出来るか、桜子は冷や冷やしていた。
「はい、何方ですか?」
「つくし、俺だ。
開けろ‼」
「えっ、司?
司、いつ来たの?」
「さっきな、着いたんだ。
つくし、俺も、部屋を取った。
お前は、俺の部屋な‼」
「えっ??」
「行くぞ、つくし‼」
で、つくしは、司に連れて行かれた。
実際、司は楽しそうだった。
何故なら、この連れ去られは、予定に無いものだったのだ。
桜子と滋は、問答無用の司の行動を、予想していたのだが…。
司の此の行動に、唯、優紀は呆気に取られているだけだった。