出会ってしまった…<つかつく> 5.
<楓side>
この話しをNYに戻った私(わたくし)は、主人に話ししていた。
主人も、このままだと、司には、跡目を持つ事が出来ないと踏んでいた様で、“もし、この話しが本当なら、『牧野つくし』を取り込む様にせねばならない‼”と、命(めい)を出して来た。
私(わたくし)は、この提携話を司に任せる事にして、司を出張扱いで日本に残して来た。
勿論、司には、提携を捥ぎ取る様に伝えたのは言うまでも無い。
其れには、司からも、想定内の条件が出た。
「担当者は『牧野つくし』だ‼
俺は、補佐に就く‼
しかも、此の提携話が上手く行った暁には、牧野との付き合いを認めろ‼
そして、将来的には結婚を認めろ‼」
私(わたくし)は、勿論、そのつもりで居た。
「了承したわ。
その変わり、此方(道明寺HD)の優位に立つ様に、提携話を進めなさい‼」
司も私(わたくし)の条件に即答で応えて来た。
「当り前ぇだ‼
必ず、モノにする‼」
“司の傍に彼女が居る事で、どれだけの相乗効果が有るのか、楽しみだ‼”と、私(わたくし)は、一人ほくそ笑んでいたのだった。
<西田side>
私は、社長より、司様と牧野さんの件を言付かった。
「西田、此の提携が決着するまで、司を日本出張扱いで、日本支社で務めてもらう事に
成ったから、そのおつもりで…。
其れと、司が牧野さんの件で暴走しない様に、しっかり、管理して頂戴‼
其れと、担当者は牧野さんに成ってもらうからそのおつもりで…。
“補佐に司が就く。”と、司が言って居るの。
司には、女性秘書が就いて居ないわ。
牧野さんを秘書課に異動させて…‼
今後の事も有るから、牧野さんを司の第2秘書に就けなさい。
そして、司のパーティーのパートナーには、牧野さんを就けなさい。」
そんな指示を、私に言い渡す社長…。
しかし、ご存知なのだろうか?
司様と牧野さんは、何も始まって居ない事を…。
それ処か、司様と牧野さんの面識は、あの入社式の日にぶつかった時だけ…。
しかも、司様の気持ちを牧野さんは知る由も無いって事を…。
それに、聞く処に寄ると、牧野さんの希望配属場所は、自身が熱望しての海外事業部だという事を…。
牧野さんが、直ぐに、此の異動を了承するとは私には、考えられない。
不服として、クレームを起こしそうなものだ‼
何も始まって無ければ、何もコトが起こっている訳でも無い。
この状況の収拾を収める事に成るだろう私の事も、“如何思っているのだろうか?”と、疑いたくなる道明寺親子なのだった。
<つくしside>
私は、海外事業部長に呼び出された。
「急だが、異動の打診が牧野さんに出ている。
明日から、秘書課勤務に成る。
今日のうちに、挨拶を済ませて於きなさい。」
「はぁ~??
入社して、まだ、半月過ぎですよね?
こんな早い時期での異動って有るんですか?
時期尚早だと思いますが…?
私は、まだ、何も教わって居ないんですが…?」
海外事業部長も困惑気味の様子だった。
「私が、聞いて居る限りでは、秘書課では、牧野さんの様に、即戦力に成る人材が欲しい
らしい。
牧野さんは、大学在学中に秘書検定1級を取っているんだってね?
それが大きいらしい‼
まあ、取り敢えず、勉強に成ると思って、頑張って来なさい‼
我が社では、花形部署だしね‼」
と、こんなふざけた事を言う部長って…⁉
私は、秘書の仕事をしたくて、秘書検定を取ったんじゃないっつーの‼
持ってても、何かの足しに成るだろう位にしか考えて無かったっつーの‼
私は、グローバルな仕事がしたいっつーの‼
いい加減にして欲しいよ、全く‼
この事を類に相談した方が良いのかな?
此の時の私は、類に相談した事が、後々、大きな出来事を発生させる事に成ろうとは、予もや、思わずに居たのだった。
<5.も、短めで申し訳御座いません。>