出会ってしまった…<つかつく> 7.
<司side>
俺は、牧野に分からねぇ様に、SPを張り付かせていた。
そして、報告が入って来た。
その報告に驚愕したのは、言うまでもねぇ。
「司様…。
牧野様が、花沢様とご一緒にディナーを為さっていらっしゃいます。」
「二人っきりか?」
「はい、左様でございます。」
「分かった。
俺が、そっちに向かうまで、しっかり張り付いて於け‼」
「賜わりました。」
俺は、イライラしていた。
何故、牧野は類と一緒に居んだ‼
そして、俺は、その日のディナー終了後。
その日は、“一人で帰れる‼”という牧野を、俺は引き摺って、無理矢理、リムジンに乗せ、マンションまで送って遣った。
そして、牧野が部屋に入り、鍵を閉めるのを見届けてから、俺は、類にTELを掛けた。
「類、何故、今日は、牧野と一緒だった?」
“牧野から、誘って来たんだよ‼
相談事が有るとかでさ。”
「はぁ~??
何で、相談する相手が類、何だよ?
相談する相手が違ぇだろ?」
類は、TELの向こうで溜息を付いてやがる。
“はぁ~⤵。
ねぇ、司?
牧野に司の気持ちは伝えたの?”
「そう言う類は如何なんだよ?」
“俺??
俺は、もう遠っくの昔に、振られてるよ‼”
俺は、類の言葉にほっとしていた。
「類、振られてるのか(微笑)?
何時(いつ)頃の事だよ?」
“大学の頃‼
だから、司に言って於いて上げるね‼
牧野は、凄~い、鈍感だからね。
牧野には、真正面からぶつからないと、牧野自身は何も気付かないよ‼
俺なんて、何度も苦汁を飲まされているからね‼”
俺は、笑いながら、哀れ見る様な感じで、類に言って遣った。
「苦汁って…(笑)?
類、それは、何の罰ゲームだよっ(笑)‼」
類は、尚も、TELの向こうで溜息を付いてやがる。
何なんだよ‼
“はぁ~⤵。
司、もう、良いよ…。
取り敢えず、『鈍感 牧野』に木端微塵にされない様に、頑張りな‼
じゃあねぇ、おやすみ‼”
何だよ、それ‼
まあ、良いっか?
どっち道、牧野は、『俺の女(もの)』だから…な‼
類、悪ぃな‼
<牧野side>
私は、入社式の日に、『背後からぶつかって来た不機嫌な専務』という印象しか無い専務と、何故、こんなに近くで話しして居るのだろうか?
類の幼馴染で親友だとしても、私にとっては全く無関係な存在。
私が居た頃の英徳大学には、既に、専務はNYに渡米されて居て、英徳大学には存在して居なかった。
否、伝説だけは、残っていたか?
『無鉄砲の暴力男』とか、『横暴男』だったっけ…⁉
序に、NYでは、『ゲイ』って言うのも、言われていたと、聞いた事が有った⁉
後、そうそう、刃向かったり、本人(司)に暴言を吐けば、“『赤札』と、言う、全校生徒から、ハブにされるチケットの様な物が、ロッカーに張られる…。”と、聞いた。
桜子からも、それは、“過激で凄く怖かった‼”と、聞いて居た。
そんな人の下に私が就く…?
飛んでも無い事よ‼
“明日、取り敢えず、私の上司に成るという、秘書課の西田常務に、話ししてみよう‼”と、その時は、そう思っていた私だった。
だが、私は、西田常務と、話ししても結局…だった。
ううん、成す術が無いと言った方が正解かも知れなかった。
<7.も、短めで申し訳御座いません。>