出会ってしまった…<つかつく> 10.
<つくしside>
私は、此の事業提携の担当者では有るのだが、会社内の表向きは、専務の第2秘書として、私は専務の同行で動いているという事に成って居た。
(通常、専務に担当する女性秘書は、既婚者の40~50歳代の方に限っていたらしい。
其れは、NYでも、同じ事らしい。
なので、若手女子社員で、専務に就く女性秘書は、私が、始めただそうだ。)
新入社員として、入社して、まだ、1か月も満たないひよっこが担当者に抜擢されたと成ると、やはり、諸先輩方の妬みで、私の身に何か遭ってはいけないと言う事だった。
また、西田常務曰く、専務は、女子社員にモテるそうで…。
そちらも、やはり、専務に一番近い存在の私が、専務に気が在るキャリア女子社員や一般女子社員、キャリアを目指す女子社員からの虐めを防ぐ意味合いで、専務の傍に居る方が無難と判断されたそうだ。
何か、陳腐な世界で…。
私は、此れからの社会人としての掟を、ある意味知ってしまった様だと思っていた。
底辺の女子社員なら、知らなくても良い様な陳腐な世界…。
私は、そんな世界に足を踏み入れてしまった事を、少なからずも、後悔をし始めていた。
私のその気持ちに、専務は気付き始めたのだろうか?
専務は、リムジンでの移動中に声を掛けて下さった。
「牧野、お前は、今、何を考えてる?
お前の置かれている立場が怖く成ったか?」
「………」
私は、応えられずに居た。
「牧野、お前には、俺が就いてる。
何が、そんなに怖い?
お前は、俺が命を懸けてでも、全ての事から守って遣る‼
だから、俺を頼れ‼
お前には、俺だけの筈だ‼
お前の傍に居るのも、お前を助けられるのも…。
お前が、俺から逃げ様とも、俺は、地獄の果てまでも、お前を追い掛けて遣る‼
お前は、俺からは逃げられねぇよ‼
覚悟して於けよ、牧野‼」
「………」
私は、身体が膠着して、動く事が出来ないで居た。
微動だにしない私を、専務は、覗き込む様に見詰めて来た。
「牧野、返事は…?」
「………」
私は、何て、応えれば良いの?
そう思って居た時、専務の唇が、私の唇に触れて来た。
私は、瞬きも出来ない程、何も考えられず、尚も、動く事も出来なかった。
その時の専務は、そんな私を見て、右の口角を上げながら、ニヤッと、笑っていた等…。
私は、気付かずに居たのだった。
<司side>
牧野は、多分だが、男慣れしてねぇ様だ‼
あきらの話しでは、牧野の傍に類が居た様だが…。
類の話しでは、類は、牧野に、大学時代に振られてるらしい。
じゃあ、俺が、牧野を俺に向かせれば良い訳だ‼
で、俺は、手始めに、膠着して居る牧野に、触れるだけのkissをして遣った。
尚も、微動だにしねぇ牧野を見て、俺はほくそ笑んでいた。
まあ、俺の魅力に嵌まり出したか…? ←嫌々、司君、つくしちゃんは、司君の対応に戸
惑っているだけですよ‼ by 天の声
今日は、例の企業との提携の話し合いに向かって居た。
俺は、牧野に良い所を見せるべく、舞い上がっていた。
<西田side>
私には、司様が、舞い上がって居るのが、手に取る様に分かって居た。
成らば、司様を自重させねば成りません。
此れも、私の腕の見せ所と成る事でしょう⁉
司様にタブレットをお見せし、自重させた。
『司様が暴走為さると、牧野さんが、高校生の頃の司様を連想為さり、良い印象は与えな
いかと、思いますが…?
自重為さって下さいませ。』
司様は、頷いて見せていた。
大丈夫でしょうか?
私は、不安でしか無かった。
<10.も短めで、申し訳御座いません。>