1season女…<あき桜> 2.
<桜子side>
そんな時だった。
突然、F4&T4の集まりの招集が掛かった。
私は、時間も在るしと思い、早目に集合場所のメープルのラウンジのVIPルームに向かって居た。
私が、集合場所のメープルのラウンジのVIPルームに到着した時には、まだ、30分以上も集合時間が早いというのに、美作さんは、既に、到着されて居た。
良く考えれば、美作さんと、二人っきりに成った事も、今まで、無かったし…。
二人っきりで、喋った事も無いと思う。
いつも、先輩が居る時に、私は大学のF4専用ラウンジに居たのだから…。
当り前と言えば、当り前だった。
私の一人だけで、F4専用ラウンジに居た事は、未だかつて、無いのだから…。
何か、動揺する気持ちを抑えて、私は個室の中に入り、美作さんと話しする事に成ってしまった。
美作さんと一緒に居て、こんなに癒されるとは…?
その時の私は、思っても居なかった。
“流石、『世話好きで、気配り上手の美作さん』だけの事は在る‼”と、思って居た私だった。
そんな時、美作さんから、声を掛けて下さった。
「早ぇな…桜子?」
「そうですね。
まだ、一人、大学生ですし…。
時間もたっぷり在るので…。
其れはそうと、美作さんもお早いですね?」
美作さんは、笑いながら、答えていた。
「俺、幹事だから…よ(笑)。」
私は、納得していた。
「ああ。
そう言う事ですか?」
美作さんは、尚も、私に話し掛けてくれた。
「一人、大学に居ても、寂しいだろ?」
私は、即答で、答えていた。
「そう何ですよね。
だから、癒して欲しくて、先輩にも、優紀さんにも、連絡は入れてみるんですけど…
ね。
ここ最近、お二人共、中々捕まらないんですよね?
如何成ってるんでしょうね?」
「牧野は、仕事が忙しいんじゃねぇの?
まあ、牧野の相手は、司だし…な。
まあ、優紀ちゃんの場合は、大概、総二郎だろうけど…?」
私は、首を傾げて居た。
そんな話しは、優紀さんから、聞いて居ないので、不思議に思って居た。
「う~ん…?
如何いう意味ですか?」
美作さんは、笑いながら、返答してくれたけど…?
「あいつ等が来たら、分かるよ(笑)‼」
「………」
だから、何も、言わず、黙っていた私だった。
“何だか、此の空間、私、好きかも…?”と、思いながら、私は、美作さんをじーっと見詰めてしまっていた。
<あきらside>
俺は、桜子が、一番最初にVIPルームに入って来た事に吃驚していた。
何故なら、一番最初が桜子とは、思って居なかったと言うのが、本音だった。
桜子も気拙そうにして居る。
そうだろうな?
桜子が、俺の近くに居る時は…?
今までは、大概、牧野絡みだったから…な。
まあ、桜子とは、牧野との経緯で、そう言う関係に成った事は、一回だけ在ったのだが…?
遠い過去の様な…?
桜子も、封印して居る記憶の様だし…な。
まあ、桜子と二人っきりで話しするのは、初めてじゃねぇか?
否、あの日以来か?
あの頃と違って…?
何というか…?
俺にとって、この空間は、心地良い‼
自然体で居られる俺が居るのは、確かだった。
そう思って居た時だった。
話しして居る最中に、桜子は、首を傾げて来た。
俺は、そんな桜子の姿に動揺してしまった。
今まで、桜子に感じた事も、見た事もねぇ桜子だったので…。
俺は、桜子を直視出来ずに居た。
冷静に俺は、桜子に話しして居たつもりだったが…?
笑いで誤魔化しながら、桜子に答えていた。
「あいつ等が来たら、分かるよ(笑)‼」
だが、桜子は、何も、言わず、黙っていたままだった。
桜子と、話しして居る間に、類が来て、滋が来て、総二郎と優紀ちゃんが来て、最後に、残業で遅く成ると、事前に連絡の有った司と牧野が到着した。