Trick or Treat【もしも類とつくしが兄妹だったら(家族編)】…<つかつく> 短編 番外編②
【道明寺つくし 編】
<司side>
俺は、つくしがババアに申請したハロウィンの日の『早退の許可申請』の件で、F3にF4会の招集を掛けた。
皆、時間通りに、いつものメープルのラウンジのVIPルームに集合した。
俺は、類に、つくしに対する怒りを、ついつい、ぶつけてしまう。
つくしの兄貴で有る、俺にとっては、義兄に当たる類につい、甘えてしまう傾向が如何しても拭えねぇ‼
でも、今回ばかりは、類は、F2に任せてやがる。
俺は、あいつ等F2が言った言葉…。
『つくしちゃんは、司の母ちゃんを立ててんだろ?
誰の親にヤキモチ焼いてんだよ?
司の親だろ‼
つくしちゃんに感謝こそすれ、愚痴は、旦那としてはカッコ悪ぃぞ‼』
俺は、言われている言葉が御最も過ぎて、あいつ等に何も言い返せなかった。
其れでだろうか…?
俺は、つくしに怒って言った言葉が、俺自身に伸し掛かっていた。
『お前なぁ~、いい加減にしろよ‼』
それでも、俺が、ババアにヤキモチを焼いて、つくしを罵倒した事も、反省してるのに、つくしには謝る事も出来ず居た。
それ処か、反対に、ハロウィンパーティーを道明寺邸でする事も、あいつ等には、つくしに内緒にする様に仕向けていた。
やっぱ、俺って、あいつ等が言う様に鬼畜なのか…?
俺は、つくしが、俺に相談するより、ババアに相談した事を許す代わりに、“10月31日までは、少なくとも、毎日、俺の相手をしろ‼”と、約束させた。
つくしは、驚愕して居たが、俺を疎かにしたと、反省したのか、俺の条件を呑んだ。
俺が、こんな約束をつくしにさせた事が、類にでもバレりゃあ、類の怒りは相当なものだろうけど…。
まあ、夫婦の間の事なんだから、類には、言わせねぇけどな‼
そうは思うけどよ、今回は、幾ら俺でも、ちょっと、反省したわ‼
つくしを毎日、餌食にしたからか、つくしは、ちょっと、疲れていた様に見えていたから…な。
だが、結局、つくしが、静に話ししたらしく、その事が類にバレ、俺は、類から言われてしまった。
「なぁ~、司、つくしは誰の妹か知ってる訳?
毎日って…、酷く無い?
俺の妹を、少しは労って遣ってよ‼
静が、“つくしちゃんが疲れ気味なのが気に成って聞いたら…、『私が、司を疎かにし
たから、私が悪いんだぁ~。』って、つくしちゃん、反省してたけど、如何考えても、
司が悪いでしょ?”って、怒ってたよ(苦笑)‼」
「………」
俺は、何も反論出来なかった。
それ処か、F2からは、罵られた。
「司ぁ~、お前、鬼畜だな‼」
「やっぱ、司は、最低だわ‼」
今回は、俺は、何も言い返さねぇ方が良いと判断した。
ハロウィンパーティーの数日後、あいつ等F3との打ち合わせ後に、執務室で繰り広げられたこんな会話を聞いて居たで有ろう西田からは、F3が帰った後、怪訝な顔付きをされ、言われていた。
「つくし様がお気の毒で仕方御座いません。
副社長、この事が、会長、社長、強いては、つくし様のご両親にバレた暁には、大層、
激怒される事は、ご承知なのでしょうか?」
俺は、西田に嗜める事だけで、精一杯だった。
「西田、ぜってぇ、言うなよ‼」
「承知致して折ります。
しかしながら、何処からバレるや分かりませんので、ご覚悟だけは為さって下さいま
し。」
それが、一番厄介なんだよ‼
厄介なのは、道明寺家と花沢家の女共だな‼
まあ、今回ばかりは、俺が悪ぃんだから、覚悟して於きますか?
少しは、自重する様に、少しの間はしていた俺だった。
1ケ月も経てば、俺は、元の俺に戻るだろうけど…よ‼
まあ、今更だけどよ…。
こんな俺と結婚したんだ。
諦めろよ、つくしっ‼
fin