馬鹿だよな、俺…<総優> 4.
<あきらside>
優紀ちゃんが居なく成って、1年半、近く経っていた。
この1年半の間も、総二郎の再起不能振りは相変わらずだった。
在る時、俺は、イギリスに出張していた。
そんな時、偶然、俺は、優紀ちゃんと、ロンドンでばったり会った。
「優紀ちゃんっ⁉」
「えっ、美作さんっ⁉」
俺は、優紀ちゃんに近付いた。
「優紀ちゃん、久し振りだね?
優紀ちゃんの留学先って、イギリスだったんだ?」
「えっ、まあ…。」
俺は、総二郎の事を優紀ちゃんに伝える為、優紀ちゃんを引き留めに入っていた。
「優紀ちゃん、ちょっと、話せないかな?」
「えっと、あの~⁉」
拒もうとする優紀ちゃんを俺は、更に、引き留めに入っていた。
「ちょっとねぇ、優紀ちゃんに聞いて欲しい話しが有るんだよ‼
良いかな?」
優紀ちゃんは観念した様に、俺に就いて来る事にした様子だった。
「分かりました。」
そして、俺は、ロンドンメープル内に在る、カフェに優紀ちゃんを連れて行った。
「優紀ちゃん、ごめんね‼
聞いて欲しい話しが有るんだよ‼」
「何でしょうか?」
実は、俺は、優紀ちゃんを誘導する振りをして、総二郎にTELを掛け、スピーカーにして、総二郎に優紀ちゃんの声を聞かせていた。
後で総二郎から聞く処に寄ると…。
初めは、総二郎は、イタズラTELかと、思ったらしい。
当然だろうな‼
でも、受けた時の表示には、俺の名が入っていたので、取り敢えず、聞いてみようと思ったらしい。
この状況なら、まあ、普通は、勘繰るよな⁉
分かっては居たんだが、あの場合、こうする寄り、仕方なかったんだよな‼
「優紀ちゃん、誰にも、何も言わず、何故、留学したんだ?」
「………」
優紀ちゃんは、答える気もねぇのか、何も言おうとして居ない様子だった。
「T3も心配して居たけど…。
総二郎が、かなり、心配して居たよ‼」
「………、そうでしたか?
ご心配をお掛けしました。」
「もし、良かったら、理由を教えて欲しいんだけど…?」
優紀ちゃんには、戸惑っている節が見え隠れしていた。
「………、何故でしょうか?」
「否、大した理由じゃねぇけど…。
総二郎に伝えて遣ろうと思ってね‼」
「理由は、留学したかったからです。
唯、それだけです。」
俺は、此処で、本質を突こうとした。
「ほんとに、それだけ…?
総二郎と、何か有ったんじゃねぇの?」
「………」
優紀ちゃんは、だんまりを決め込んだのか?
一切、答え様としなく成った。
「類がな、総二郎と優紀ちゃんの間には何か有るって言うだよ⁉
何か有るから、総二郎の前から、優紀ちゃんが姿を消したんじゃねぇかって…な⁉」
「………」
それ以上、優紀ちゃんは何も応え様とはしなかった。
だから、取り敢えず、T3も、聞きたがってるからと言う理由で、アドレスを訊き出そうとしたけど、優紀ちゃんに上手く交わされた。
「私の方から、つくしに連絡を入れて於きます。
お忙しいのに、有難う御座いました。」
と、言われてしまった。
牧野には、優紀ちゃんから連絡が有るかも知れねぇ事を、俺から、俺が日本に帰国前に伝えた。
が、やはり、俺が帰国するまでにも、牧野でさえも、優紀ちゃんからの連絡は入って居なかった。
やはり、優紀ちゃんからは、上手く交わされてしまった様子だった。
一方、優紀ちゃんがロンドンに居ると言う事が分かった総二郎は、“渡英する‼”と、言って、あれから直ぐ様、渡英して来た。
だが、時既に遅しで、優紀ちゃんは、その時には、既に、次の場所(地)に移動した後だったらしい。