やっぱり、私は…<総優> 6.
<総二郎side>
俺は、T3の会話に聞き耳を立ててたので、気付かなかったが…。
類とあきらは、T3とは別のテーブル席に移動していた様で、俺を呼んでいた様子だった。
俺は、仕方なく其処に移動した。
あきらが口火を切って来た。
「総二郎、お前、優紀ちゃんに告白、出来たんか?」
「ああ。」
「で、返事は如何だったの?」
「ああ~??
此の旅行中に判断するんだとよ⁉」
「何の??」
「俺が、あの時と、変わったか?」
「なあ、総二郎…。
お前、優紀ちゃんにそう言わせるって事は、あの頃、何か優紀ちゃんに遣ったんか?」
思い出したくねぇっつーの‼
「まあ、色々、優紀ちゃんには、傷付けてきたからよ‼
そう言われても、仕方ねぇんだよ‼」
「どんな事を遣って傷付けて来たの?」
「はぁ~??
優紀ちゃんが、俺の前から去る様に、色々、傷付けて来たとは思うんだけどよ…⁉
最終的に傷付けた言葉だとすれば…。
『俺は、優紀ちゃんの事を、仲間以上には思えねぇ‼
俺より、もっと、幸せにしてくれる奴を選んだ方が良いよ‼
俺は、良い男だけど、良い奴じゃねぇから…。』って、言って、俺から優紀ちゃんを
遠避ける様に、優紀ちゃんを拒絶したんだ。
で、俺は、優紀ちゃんから、『プレイボーイ』の烙印を押されちまったって訳だ。」
で、類とあきらからは、呆れられる様な顔をされ、言葉を言われてる俺って…。
「総二郎、何遣ってんの?
最低だね。」
「そりゃあ、自業自得だわ。」
俺だって、分かってるんだっつーの‼
今更だがな…。
「総二郎、何で、そんな事言ったの?」
俺は、溜息を付くしかなかった。
「はぁ~⤵。
優紀ちゃんを『西門』の柵に放り込んで、傷付けるんじゃねぇかと思ったから…。
あの頃の俺は、優紀ちゃんには、俺じゃねぇ方が良いんじゃねぇかと思ったんだよ。
その癖、優紀ちゃんが、男と歩いてるのを見ると、苛付きが収まらねぇで、どんど
ん、殻に籠ってしまったんだ。
どんどん、深みに嵌まったって言った方がしっくり来るかもな⁉」
「何、遣ってんだか?」
「お前さ、それじゃあ、『司』、以下だろ?」
「はぁ~??
それ、如何いう意味だよ?」
「司は、総二郎と同じ状況でも『道明寺』から逃げずに、ある意味、今でも、『道明寺』
と、戦ってんだろ?
でも、総二郎は『西門』から逃げた。
逃げた結果が、此れじゃねぇのか?
好きな女を、自分の懐に入れる事が出来た司と、好きな女からも逃げた総二郎…。
結局、総二郎は、好きな女冴えも、懐に入る事が出来ず、如何でも良い女の尻ばっか、
追い掛けてたって、様に成んねぇだろ?」
「所謂、総二郎は、どんなに松岡を振っても、総二郎が、松岡を受け入れれば、松岡は、
総二郎の元に戻って来るとでも思った?」
類も、あきらも、言ってる事は、正しいよ。
けどな、今の俺には、滅茶苦茶、辛ぇんだよ…、その言葉は‼
もう少し、オブラートに包んで言ってくれても良いだろうよ⁉
だが、そうこうしてる間に、眠気が襲って来て、リクライニングチェアを倒して、ベッド状にして、俺は、眠りに入った。
朝、目覚めた時、あきらから言われた。
「総二郎、お前、涙流しながら寝てたぞ‼
どんな、夢見てたんだ⁉」
言えっかよ⁉
幾ら、あきらでもな…。
俺は、夢の中で、優紀ちゃんが、俺の知らねぇ男と手を繋いで、俺に見せびらかす様に、言って来た。
『「西門さん、私に構わないで下さい。
私、幸せに成ります‼」って…。
俺に手を振って、俺の前から、去ったんだよ‼
そりゃあ、辛ぇ、夢だろ⁉
涙くれぇ、流すだろ…⁉
今の傷心の俺だったらよ⁉
もう、誰も、俺に構うな‼』
と、俺は、心の中で、叫んでいた。
様ぁねぇな‼
で、そうこうしてる間に、PJは、NYに着いて居た。
そして、そのまま、NYメープルに向かった俺等 F3&T3だった。
NYメープルに着いた俺等 F3&T3は、司が用意して於いてくれた部屋にそれぞれ、入った。
俺等 F3は、まあまあ、広いスウィートの中に有る個室3部屋が、俺等 F3の部屋だった。
年末年始という事で、それぞれ、各部屋までは、取れなかったらしい。
まあ、それでも、流石、司だよな。
何とか、部屋を取ってくれたらしい。
俺等 F3は、それぞれ、各部屋で各々で過ごす事にした。
俺は、何もする気が起きず、ベッドに仰向けで横に成っていた。
NYに着いてからも、T3は、ショッピングやら…、観光やら…、女磨き(?)やら…に、精を出している様子だったが…。
俺等 F3は、12月31日の大晦日パーティーまで、だらだらした時間を過ごして居た。