馬鹿だよな、俺…<総優> 11.
<総二郎side>
支配人は、俺が、子供を抱いて、メープルのロビーに入って来た事を吃驚して居た様子だった。
支配人は、気を利かせて、寝室にベビーベッドを運んでくれた。
優一郎は、俺が、風呂に入れて、寝付くまで、俺と優紀の間に寝かせて居たが…。
寝付いてからは、優紀が、ベビーベッドに移した。
俺が、移す様、優紀に伝えた。
そりゃあ、そうだろ?
久し振りの優紀との夜に、我が子とは言え、邪魔されれば、堪んねぇよな?
それに、優紀は、俺が、優一郎を風呂に入れる事を不安に思って居たらしいが…。
意外や意外、優一郎が、“きゃっきゃっ”と、言って、喜んで居るのが、扉の外から聞こえたとかで、ほっとして居たらしい。
俺は、何を遣らせても、器用、何だよ‼
そして、次の日の便が取れたので、NYを後にして、日本に帰国した。
優一郎は、機嫌が良いのか?
フライト中も、俺の膝の上で、“きゃっきゃっ”と、言って、喜んで居た。
キャビンアテンダントからも、“可愛い‼”と、言われていた。
そして、俺と優一郎の顔を見比べ、俺の息子(こ)と、認識したらしい。
地上に降りれば、SNS投稿されんじゃねぇの?
優紀は、怪訝な顔をしていた。
日本じゃあ、優紀も英語翻訳士として、有名人に成ってんだけど…。
優紀は、まだ、その事を知らねぇんじゃねぇか?
まあ、追々、知る事に成るんじゃねぇの?
唯、空港に着いた時の事を考えねぇとな‼
一応、あきらには、日本に到着時刻は、伝えて有るのは有るが…。
この様子じゃあ、マスコミが嗅ぎ付けてるかもな?
まあ、あきらに、その辺は任せるか?
<優紀side>
私は、キャビンアテンダントの人達が、西門さんと優一郎の画像を撮って居る事が気に成った。
だから、西門さんに聞いて居た。
「キャビンアテンダントの人達が、画像を撮っているけど…⁉
大丈夫ですか?」
「まあ、何れ、発表しねぇといけねぇだろうし…。
優一郎が、こんなに俺に瓜二つじゃあ…。
誰も、疑う余地はねぇよな?
防犯対策は、此れから、考えて行こう‼」
それで、ほんとに良いのだろうか?
私は、不安でしかなかった。
で、空港に着いて、私は、驚愕してしまった。
だって、“誰か有名な方がいらっしゃるのか?”と、思う程、マスコミで、ごった返しに成って居た。
其処に、美作さんが、SPさんを伴って、私達を迎えに来てくれたらしい。
そして、私は、驚愕する事を聞かされた。
<総二郎side>
俺は、あきらに歩きながら責められていた。
「総二郎…?
お前、NYで、堂々と、メープルのロビーから、親子3人で入っただろう?」
「ああ。
其れが如何したんだ?」
「馬鹿だろ、お前は…⁉」
「はぁ~??」
「NYに旅行していた日本人観光客が、SNSに上げてしまったんだよ‼
しかも、無修正で…。
ロビーから、出る所も…。
あいつ等 F2&T3も心配してんぞ‼」
「………」
俺は、無言で、リムジンに乗り込んだ。
無邪気に燥いでいる優一郎が可愛くて仕方ねぇけど…。
此れは、“やべぇ‼”と、俺は、初めて、俺の失態を、俺自身に罵っていた。
そして、F2&T3が待って居るという東京メープルに、取り敢えず、避難する事に成った。
あきらからは、驚愕の言葉を聞かされながら…。
「総二郎、覚悟して於いた方が良いぞ‼
家元と家元夫人は、この事を、もう、知ってるぞ‼」
序に、優紀も驚愕していた。
<11.は、短めで申し訳御座いません。>