俺を見てくれ‼…<つかつく> 9.
つくしが、目覚めた事を、実は…。
つくしママは、もう一人、連絡していた。
1年半程前に、“来ないで欲しい‼”と、言ってしまった相手…。
つくしママにとっては、連絡する事を躊躇ってしまう相手…。
だが、つくしが会いたいと言って居る相手…。
そう、優紀に連絡をして居たつくしママだった。
「優紀ちゃん、お久し振りね。」
“えっ??
おばさんっ‼”
「ええ、そうよ。
つくしが、目覚めてね。
優紀ちゃんに会いたいらしいの。
でもね、お願いが有るの。」
“何でしょうか?”
優紀は、つくしママの言葉を、緊張して、待って居た。
つくしママは、言い辛そうにしていた。
「つくしの婚約者の事なの。
実はね、1年程前に…ね。
中々、目覚めないつくしを諦めて、婚約破棄に成って、私達の前から、去ったの。
でね、聞く処に寄ると…。
その後、お付き合いをされた方と、ここ最近、ご結婚されたそうなの。
この事に関しては、つくしには、内密にして欲しいの。
つくしがショックを起こしたら行けないから…ね。」
“はい、分かりました。”
優紀は、つくしママに了承はして於いたが…。
つくしと話ししていた内容を考えた時…。
つくしの事件前に、つくしが話しして居た内容なら、“つくしが、ショックを起こす事は、先ず無い‼”と思う、優紀だった。
そして、この件の話しは、優紀➡桜子に伝わり、桜子➡あきら・滋のそれぞれに伝わって居た。
そして、あきら➡F2に伝わり、あきらは、司にも連絡を入れていた。
「司…?
牧野が、目覚めたらしいぞ‼」
“ああ、知ってる。”
「誰…?
情報で、こんなに早く知ったんだ?」
“つくしの弟の進だ‼”
「はぁ~??」
司は、あきらに話ししていた。
TELだったので、簡略的では有ったが…。
*司は、進が大学時代に、偶然、街で再会して、インターンシップに寄り、道明寺HD
日本支社で、進を取り込んだ事…。
*現在の進は、道明寺HDに入社して、司の第2秘書で在る事…。
*司にとってもそうだが、道明寺HDにとっても、無くてはならない存在に進が成って居
る事…。
*進は、西田にとっても、西田が、頼りにして居る男に成って居る事…。
あきらは、疑問を司に訊いて居た。
「お前、まさか、牧野を取り戻す為に、進を取り込んだって事はねぇよな?」
“正直、初めは、俺も、そう考えてた。
けどな、今は、その気持ちは、ねぇよ。
進は、優秀だよ。
つくしの事は度外視しても、進は、もう、手放せねぇよ。
進の働き振りを見れば、あきらもそう思うんじゃねぇの?”
「そんなに…か?」
“ああ。”
あきらは、司とのTELを切った後、思って居た。
“進が、司とつくしとの潤滑油に成ってくれるんじゃねぇのか?”と…。
一日でも早く、そんな日が来る事を願っていたあきらだった。
そして、何時もの様に、夜中に司は、つくしの病室(特別室)を訪れていた。
司は、何時もの様に、つくしの頬に司の手を添えていた。
いつもは、冷たい冷え切った頬をして居たのに…。
今日は、幾分か、温かみを感じていた。
つくしは、司に、目覚めた事を証明してくれていた。
司は、顔が緩む事を、自分自身が自分自身で、感じていた。
その時だった。
何か、違和感を感じたつくしは、目を覚ました。
そして、つくしは、違和感の主が誰なのか、見詰めていた。
つくしは、つくしの頬に手を添えられている司の手を払った。
それに気付いた司は、顔を上げた。
実は、椅子に座り、つくしが寝ているベッドに凭れる様に…。
つくしの身体に、そっと、頭を下ろして居た司だった。
司とつくしは、眼と眼が合った。
一瞬、緊張感に包まれた病室(特別室)だったが…。
つくしの強張った顔付きで、司は、自分自身が、つくしから、拒まれて居る事を悟ったのだった。
司の顔は、苦痛で歪んでいた。
“つくし…?
俺を拒まねぇでくれ‼
俺を見てくれ‼”
と、叫びたい心境の司だったのだ。