俺を見てくれ‼…<つかつく> 11.
<一か所の言葉に、不快で有ろう言葉が入っています。
ご了承願いました成らば幸いです。
お詫びします。>
この状況を打破したい楓は、再度、牧野家に出向いた。
つくしの病状を把握した上で…。
楓は、道明寺家が行っていた今までのつくしに対して、また、牧野家に対する行い全てを詫びていた。
その中には、勿論、楓自身と司の件も含まれていた。
そして、その上で、つくしの両親に提案をした楓だった。
「つくしさんを、私共の別荘で、療養させては如何でしょうか?
場所に寄っては、一年中、温暖な気候故、つくしさんに負担を掛ける事は無いかと思い
ます。
私共にお任せ下さいませんか?
司の為にも、つくしさんを元のつくしさんに戻して差し上げたいんですの。
今のままでしたら、司は、つくしさんに近付く事も出来ません。
ご了承下さいませんか?」
つくしママは、敢えて本音を楓にぶつけた。
「私共は、道明寺家を信用して折りません。
勿論、御子息に関しても…です。
つくしは、私共で、ゆっくりと、療養させます。
お医者さんのお話しでは、障害を引き起こす特定人物をつくしに近付けなければ、
『パニック発作』は起こらないと仰って頂いて居ます。
ですので、御子息だけではなく、御子息を連想させる御子息のご友人方にも、つくしに
お会い頂くつもりは、毛頭、御座いません。
申し訳御座いませんが…。
このまま、お引き取り願いますか?」
楓は、引き下がる寄り他無かった。
“このままでは、司は、如何成るのだろう…か?”と、楓は、自分自身の過ちを、更に、
後悔し始めた。
そして、つくしは、退院と共に、つくしママの郷に成る、港町に移り住む事に成った。
つくしは、海の匂いを嗅ぎ、落ち着きを取り戻していた。
しかし、其れは、つくしの見た目…。
所謂、つくしの表面上は…という事は、言うまでも無かった。
一方、つくしが、つくしの母親の郷に移り住む事に成ったと、進から聞いた司は、進に場所を訊き出そうとしていた。
「進、つくしが、移り住んだ場所を教えてくれ‼」
進は、言いたいが、言えない心境を司に伝えていた。
「支社長、申し訳ございません。
姉の状況を垣間見た時、現段階では、支社長を姉に逢わせる訳には、行かないんです。
ご了承下さい。」
「進、俺は…?」
進は失礼を承知で、司の言葉に被せる様に、話しし出した。
「支社長の姉を想って下さるお気持ちに、嘘は無い事も存じ上げております。
しかし、姉の精神状態を考えた時、後の処理を行うのは、私では有りません。
私の両親に成ります。
成らば、私の両親には、負担は掛けられません。
申し訳御座いません。
其れと、此方をお受け取り下さい。
西田室長にお渡ししましたが、受け取って下さらなかったので…。」
司は、驚愕していた。
「進、俺も、そんなモノは、受け取れねぇ。
お前は、一社員の前に俺の弟でも在るんだ‼
今は、まだ、つくしに逢う事は、俺には、出来なくても…。
進、お前とまで、如何こう成る気はねぇ‼
ふざけた事を済んじゃねぇ‼」
司の剣幕は、相当なものだった。
司の剣幕は、司の執務室を突き破る勢いで、扉の外にも聞こえて居た。
進は、初めて見た司の余りにも凄い剣幕に、たじろぎ、身体を一歩、後退して居た。
そして、進が差し出したものは…?
そうなのだ。
進は、『退職願』を、司に差し出していた。
司は、進から、『退職願』を引っ手繰り…。
進の目の前で、破いて見せた。
西田には、分かり切っていた。
司は、進まで、手放す気持ちは更々ない事は…。
だが、敢えて、進に、司の本意を分からせる為…に。
進には、司に手渡す様、促していた西田だった。
その夜、司は、夢を見た。
司にとっては、忘れたい司の過去の汚点…。
記憶を失くした司が、つくしを罵倒して傷付けた時の夢。
司は、朝、目覚めた時、“今の自分は、あの頃のつくしの傷付いた心かも知れない。”と、思えた自分自身が居た。
『過去につくしを苦しめた司…。』 = 『つくしに拒絶されている今の司…。』
成らば、“俺は、つくしが俺を受け入れてくれるまで待てば良いのか?”と…。
“其れは、いつまで…?”
と、自問自答する司が其処には居たのだった。
<11.も、短めで申し訳御座いません。>