助け出したい…<つかつく> 12.
<椿side>
私は、つくしちゃんに会う為…。
救急救命センターのつくしちゃんが居るという医局に向かって居た。
司の記憶の事は、伏せないといけないけど…。
取り敢えず、“つくしちゃんが、司の主治医で居てくれる様に話しをしないと…いけない。”と、私は、気持ちを駆り立てられていた。
で、つくしちゃんに会う事が出来た。
「つくしちゃん…。
今、良いかしら?」
つくしちゃんが、吃驚している顔を久々に見た気がするわ。
「椿お姉様‼
大丈夫ですが…?
何か、有りました?」
私は、つくしちゃんに、私の司への姉弟愛を分かって欲しかった。
「ううん、そうじゃないの。
つくしちゃんにお願いが有って…。
私のお願いを聞いてくれる…?
って、言うか、母のお願いでも有るの‼」
でも、つくしちゃんは、相変わらず…だった。
「『事と次第に寄っては…。』と、言う処でしょうか…?」
だから、私は、必至で、つくしちゃんに訴え掛けてみた。
「そうよね?
司の事なの?
つくしちゃんに司の主治医を引き受けてもらいたいの‼
実はね、母からも、言付けを云い付けられて居るの‼
母がね…。
『ドクターとしても、恋人としても、司を助け出して頂戴‼
“私からの命令だ。”と…伝えて頂戴。
司を助け出せるのは、あの頃も、今も、如何も、つくしさんだけの様ね⁉』
って、言って居てね…。
司とつくしちゃんの事を、『認める』と、言って居るのよ‼
言った言葉は、『覆さない』とも…。
だから、司を更生して欲しいの?」
だが、私は、つくしちゃんの口から、飛んでも無い言葉を聞いてしまった。
「ああ、その事ですか?
西田さんと言い、椿お姉様と言い…。
如何しても、私を道明寺の主治医にしたい様ですね?」
“えっ??
西田も…って、事よね?”と…思わず、心の中で、私は、叫んでしまったわよ。
だから、私が、怪訝な顔付きに成って居たからだろうか?
つくしちゃんが、また、話し始めた。
「西田さんから、手紙を頂戴したんです。
楓社長の言付けと共に…。」
「えっ、そうだったの??」
此れは、私でも、吃驚…‼
私は、再度、つくしちゃんに確認した。
「じゃあ、つくしちゃんは、司の事、更生してくれるのね?」
私は、つくしちゃんの口から、違う意味で、吃驚する様な言葉が訊けた。
「はい‼
そのつもりです。
あの、馬鹿を徹底的に、叩き直しますよ‼」
私は、涙が出て、止まらなかった。
此れで、司は、良い方に向かう事が約束されたも、当然ね‼
「有難う、つくしちゃん‼」
私は、そう言いながら、つくしちゃんを抱き締めて居た。
つくしちゃんは、苦しそうにして居たらしいけど…。
私は、嬉しさの余り、その事に気付けないで居た。
そして、暫くして、私は、つくしちゃんを、私から、引き離した時…。
つくしちゃんが、肩で息をして居る事に、驚愕して居た。
私の腕力に…。
で、この後、直ぐ…。
この事は、私から、母に連絡を入れた。
母は、TELの向こうで、涙を流しながら、私の話しを聞いて居る様に、私には、思えた。
だが、母は、私には、強がって話しをしていた。
「当然ね‼」と…。
何処までも、この人は、『鉄の女』で、『道明寺楓』…何だろう。
良くも悪くも…。
私は、苦笑するしかなかった。
<司side>
あいつが、俺の主治医で、確定した。
当然だ‼
普通、手術の執刀医が主治医だろ…?
まあ、俺が、『女嫌い』と言うのが有り気で、西田の采配でこう成って居た訳だから…。
仕方ねぇと言えば、仕方ねぇ…。
でもよ…。
俺の記憶が戻れば、あいつが俺の主治医は当然だよな。
俺の記憶が戻っている事に、早く、気付けよ…馬鹿女‼
俺は、あいつに悪態を突くしかなかった。