助け出したい…<つかつく> 13.
<つくしside>
私は、道明寺の主治医に成り、回診に向かって居た。
そして、病室の扉をノックした。
【コンコン】…つくしがノックした。
「牧野です。
回診に来ました。」
「ああ、入れ‼」
私は、病室の中に入った。
そして、病室に入った私は、道明寺の目付きの違いに気付いた。
「道明寺…?」
「あぁ~、何だ?」
つくしは、首を傾げる仕草をした。
「道明寺、もしかしたら…だけど?
記憶、戻ってる?」
「ああ…。
やっと、気付いたのかよ…⁉
遅ぇんだよ(笑)‼」
道明寺は、私が、気付いた事が嬉しいのか?
笑いながら、言って来た。
「何時(いつ)から…⁉」
「ああ…?
ちょっと、前…か?」
私には、如何遣って、道明寺が、記憶を取り戻したのか?
不思議で仕方なかった。
だって、長い間、思い出さなかった記憶を、こんな急に取り戻せた、何て…?
だから、訊いてみる事にした。
「如何遣って、記憶を取り戻したの?」
「お前の事が、気に成り出して…。
其れから、お前の夢を見る様に成って…。
お前の顔をはっきり夢の中で見る事が出来てから、その後、直ぐくれぇに、記憶が、自
然な形で戻ってた。」
つくしは、思い出していた。
「この間、私が、高校生の頃に、道明寺のお見舞いに行って居た時の事を、急に、訊いて
来た時は…?」
「お前を病室に来る様に呼んでも、俺の病室に中々、来ねぇで居る時に、ふと、思ったん
だよ。
前にも、こんなに、お前の事で、“イラ付く時が有ったなぁ~‼”って…。」
「………」
道明寺は、私の顔を見ながら、ニヤッと、笑って言って来た。
「で、その後、お前の夢を見てから、思い出したんだよ。
イラ付く、原因を…。
お前の事、忘れて済まなかった。」
道明寺が、私に、頭を下げて来た。
何か、不思議…⁉
今までの、こいつに無かった態度じゃない?
でも、ちょっと、待って‼
椿お姉様と西田さんは、道明寺の記憶が戻った事は、知らないって事…?
私は、道明寺に確認して居た。
「ねぇ、訊いて良い?」
「ああ、何だ?」
私は、道明寺の顔付きを見て、一瞬、躊躇ったが…。
訊いてみた。
「椿お姉様と西田さんは、道明寺の記憶の事…。
知らないの?」
「否、知ってるよ。」
「………」
私は、答え様が無かった。
だって、道明寺にあっさり返答されてしまったから…。
「けど、俺が、牧野には、“言うな‼”って、言ってたから、言わなかったんだろ?
俺が、お前から、気付いて欲しかったんだよ‼」
「………」
私は、更に、答え様が無かった。
“いい加減にして欲しい。
人に心配掛けるだけ、心配掛けさせて、楽しんでんじゃないわよ⁉”
私は、直接、悪態を付きたかったが…。
道明寺の顔を見ながらは、言えずに居た。
だけど…。
私の心の声は、如何も、漏れてしまって居たみたいだった。
「俺の事…。
心配してくれてたんか?」
「………」
私は、如何も、顔が紅く成って居た様だった。
「牧野、可愛いな‼」
そう言いながら、道明寺は、私の腕を引っ張って、私を引き寄せて、抱き締めて来た。
“此処は、私の職場だっつーの‼”と、思い乍ら、道明寺に抱き締められた腕を引き剥がそうと、必死にもがいて居た私だった。
だけど、もがけばもがく程、強く抱き締めて来る道明寺に根負けした私だった。
そして、道明寺は、在らぬ事を私に言って来た。
「今夜、俺の部屋に来い‼
良いな、つくし‼
ぜってぇに来いよ‼
来なければ、病院のスタッフの前で、お前にkissするぞ‼」
何ちゅう、ものの言い方…⁉
でも、昔からこいつは、口に出した事は、絶対に実行する‼
ヤバいよね…⁉
私、大丈夫…か⁉