馬鹿だよな、俺…<総優> 14.
<優紀side>
桜子さんは、西門さんの方を向いて、ニヤッとしながら、言っていた。
「いえ…ね、西門さんと拘わるお名前なら…ね。
こんなに、西門さんと、瓜二つでしょ?
“将来が、大変だなぁ~‼”って、思ったもので…。
良かったです。
優紀さんの漢字が入ってて…。
優しいお子さんに成りますよ…きっと。」
「「「「「「………」」」」」」
桜子さんの言葉に、西門さん以外、全員が絶句していた。
言われた当の西門さんは、驚愕して居たのか、苦笑いだった。
流石、桜子さん‼
西門さんが、驚愕の余り、言葉も出ない何て…。
流石の、“『策士 桜子』参上‼”だわ。
<総二郎side>
俺は、取り敢えず、優紀に、今の、優紀の日本での立場の話しをした。
俺、一人で伝えるには、ちょっと、不安が有ったから、今、この場で伝える事にした。
優紀の驚愕・不安度は頂点に達する事は、予想された。
「優紀、言って於いた方が良いだろうと思う事を、今から話すが良いか?」
「はい。
何でしょうか?」
俺は、如何切り出そうか?
迷っていた。
あいつ等 F3&T3も、黙って聞いてくれていた。
「JFK空港で会った時、俺が、チラッと、言った言葉…。
覚えてるか?」
優紀は、首を傾げながら…。
俺を見詰めて来た。
今、そんな顔を、俺に魅せるな⁉
違う意味で、俺は、不安に成るわ‼
で、優紀は、分からねぇ様子だった。
俺は、優紀の可愛らしい表情は、見ない様にして、意を決して、言って遣った。
「『ゴシップ誌』って、言ったろ?」
「あぁ~。」
優紀は、思い出した様子だった。
「此れが、其のゴシップ誌…。」
俺は、持っていたゴシップ誌に掲載されている優紀の記事面を広げた状態で、優紀に見せた。
優紀は、驚愕していた。
俺の瞳(め)をじーっと見て、不安な顔付きに成って来やがった。
やっぱりな‼
優紀は、『若手日本人英語翻訳士』として、NYのゴシップ誌に紹介されていた。
優紀は、インタビューを受けた経緯は有ったらしいが…。
まさか、こんなに、大々的に紹介されて居るとは、思わなかったらしい。
だから、優紀は、今回、日本に帰国する事に成ったのだろう事は推測された。
だが、俺は、優紀を守る事を、優紀に伝えた。
「俺は、もう、優紀から逃げねぇって言ったろ‼
もう、俺は、優紀から離れねぇから、安心しろ‼
優紀を守って遣るから…。」
優紀は、ニコっと、笑って居る様で居ても…。
優紀自身は、不安で、震えて居る様にも、俺には見えた。
俺は、思った。
“今までの優紀への借りは、優紀に、ぜってぇ、返す‼”と…。
俺は、あいつ等 F3&T3が、この場に居なきゃなぁ、今の優紀の姿を見て、優紀を押し倒して居たかも知れないと思っていた。
まあ、後で…だな。
優紀にとっては、良いのか or 悪ぃのかは、別として…。
そう思って居た所に、あきらが、話しを進ませて来た。
「優紀ちゃんにとっては、また、吃驚するかもだけど…な。
今後の総二郎と優紀ちゃんと優一郎の事を話しして行かねぇと…だろ?」
俺も、納得して、あきらの言葉に頷いた。
だが、更に、優紀が、驚愕で震え出したので、俺は、優紀の肩を抱き締めて…。
優紀を安心させる様に、話しした。
「此れからは、どんな事が有っても、優紀と優一郎を離さねぇと、俺は誓った。
もう、俺は、覚悟が出来た。
今までは、覚悟が出来て無かった。
否、『覚悟』と言う言葉すら、俺には、無かった。
けど、優紀は、優一郎を海外で産んで育て様と、覚悟を決めて、渡英した。
優紀の方が、母親に成る覚悟が有ったんだよな‼
俺は、恥ずかしいよ‼
だから、優紀には遅れたけど、俺は、『西門流』と、戦う覚悟が漸く出来た。
優紀…?
お前の事も、世間から守って遣るから…な。
俺と一緒に、戦ってくれねぇか?」
あいつ等 F3&T3も、何も、言わず、俺と優紀を、見守ってくれていた。
否、俺と優紀の動向を見守ってくれていた。
何故なら、F3&T2(つくし以外)は、俺と優紀と優一郎を助ける為の準備を進めてくれていたからだった。
<14.も、少し、短めで申し訳御座いません。>