泣かずに居られるのなら…<つかつく> 15.
航は、つくしの病室に入る成り、先ずは、司の顔を確認して、司に飛び突いた。
司も、両腕一杯に広げて、航が、司に飛び込んで来る事を待って居た。
「パパっ‼」
航は、久し振りに司に逢えた事を嬉しく思って居た。
航の満面の笑みが、“やっぱり、つくしに似ている。”と、思う、司だった。
その光景を見て、涙が出て止まらないつくしとタマが、其処には居たのだった。
そして、司は、航を抱き上げ、つくしが居るベッドに連れて行った。
航は、じーっと、つくしを見下ろす様に見詰めていた。
航は、次に、司を見て居た。
そんな航を司は、頷いて見せた。
航は、もう一度、つくしを見ながら、首を傾げて訊こうとして居た。
そんな航の姿を見ていて、司もタマも、つくしにそっくりなその仕草に、“やっぱり、親子、何だな‼”と、思うのだった。
そして、航は、恐る恐る、つくしに訊いて居た。
「えっ、と~。
ぼくのママですか?」
つくしは、涙でくしゃくしゃな顔に成って、航に答えていた。
「航、ごめんね?
ママ、会いに行けなくて…。」
航は、つくしに良く似た満面な笑みで、答えていた。
「うん、いいよ。
ママ、ごびょうきだったんでしょ?
いまも、まだ、なおってないの?」
「うん、もう直ぐしたら、治るって、お医者様が仰って下さったの。」
航は、更に、ニコニコ笑いながら、つくしに訊いて来た。
「ママのごびょうきがなおったら、パパとママとぼくといっしょに(道明寺の)おてい
(お邸)で、すめる(住める)の?」
つくしは、司の方を見ながら、悪戯っぽく言って除けていた。
「パパが、如何言うかな…クスクス?」
「えっ??
パパ、ママは、ダメなの?」
司は、つくしを睨みながら、航に答えていた。
当のつくしは、泣き笑いをしていた。
「否、ママも、一緒だぞ‼」
航は、両腕をバンザイする様に上げながら、これ以上ない位の満面の笑みで喜んでいた。
「やったー!
ママもいっしょだ‼」
もう、タマは、病室に居る事が出来ない程、泣き崩れていた。
其のタマの様子に、つくしは、また、泣き崩れてしまった。
そして、数日後、つくしは、退院した。
そして、(道明寺)邸に戻って来た。
帰る成り、皆に声を掛けられていたつくしだった。
其処に居たのは…?
つくしの退院の日にちの連絡を司から受けていた…姉と仲間達が集まっていた。
*LAから日本に帰国していた椿…。
*F3&T3…。
*そして、類と付き合い出した静…。
一番に、つくしは、類にお礼と不義理を詫びていた。
「類、ごめんなさい。
そして、有難う‼」
類は、つくしの頭をポンポンと軽く叩き乍ら、言って居た。
司は、其の類がつくしにして居る光景を許せなかったが…。
類が居たから、今のつくしが居る事も分かって居るので、『目を瞑る』事にして居た。
「良いよ、牧野が元気なら…。」
つくしは、満面の笑みで、類と静の方を見ていた。
「類、静さん…。
付き合い始めたんだね。
本当に、良かった‼」
つくしは、仲の良い類と静を見て、ほっとしている自分自身に気付いた。
本当に、良かったと思って居たつくしだった。
静も、つくしのその言葉に救われていた。
「つくしちゃん、有難う‼」
静とつくしは、顔を見合わせて、静とつくしの二人は…これ以上ない、満面の笑みで、お互いの顔を見詰め合って居た。
静とつくしの二人だから出せる柔らかなオーラに、その場は、満たされていた。
<15.は、短めで、申し訳ございません。>