懊悩(おうのう)≒ OH NO‼…<F4&T4> 6.
類と滋は、F2&桜子に寄って、呼び出される事に成った。
勿論、類と滋は、それぞれ、『F4LINE』と『T4LINE』で、呼び出しを喰らって居たのだった。
断わる事等、出来そうもない程の強引さで…。
そして、類も、滋も、F4&T4の集まりに参加する事に成った。
実は、この時の類は、諦めの様な気持ちで居た。
つくしの事が気に成るも…。
つくしは、司にホールドされたまま、身動きが出来ずに居た。
だが、そんなつくしは、口では、文句を言いながらも、司を嫌がって居る様には、見た目、類には見えなかった。
何故なら、つくしは、道明寺姉弟と会った次の日から…。
つくしは、『ストーカーバリ』に、司に手懐けられ始めていた。
どんな時も、司は、つくしに、言って居た。
「お前が、好きだ‼
否、愛してる‼」と…。
何時も何時も、司から聞かされるつくしは…。
口では、「耳にタコ…。」と、言いながらも…。
満更、嫌でもない様子だった。
だからだろうか?
類には、司とつくしは、じゃれて居る様にしか見えなかった。
その事に関しては、F2&T3も、認める所だった。
なので、類には、“司と牧野つくしとの間に入り込む事は難しい‼”と、悟って居た事は言うまでも無かった。
なので、F2&桜子の呼び出しには、観念するかの様に、類は、その場に居たのだった。
滋は、もう、既に、司に興味はなく、気持ちは、類にシフトしていた。
滋は、元々、『熱し易くて、冷め易い』性質の持ち主だった。
だから、撮影の時は、司に気持ちを持って行かれていた滋だったが…。
類に気持ちをシフトする事も、また、簡単だったという訳だ。
滋は、『恋多き女性』と、言えば、格好は良いが…。
所謂、『飽き性』という事は否めないのだった。
そして、F3&T3の追及は、始まるのだった。
厳密的に言えば…。
F2&桜子という事は言うまでも無かったのだが…。
類は、F2からの尋問を受け、滋は、桜子からの尋問を受けるのだった。
なので、あの日に、東京メープルで、滋に久々に逢って、カフェに誘われたが、行かなかった事を、説明していた類だった。
滋は、桜子から、訊かれていた。
「滋さん…?
如何言う事ですの?
其の日って、確か…?
“親に言われて約束して居る日なの。”って、仰って居た日ですよね?
何故、花沢さんとご一緒でしたの?」
類は、思っていた。
“そう言えば、あの日は、振袖を着ていたよな…?
もしかして、見合いだったとか…?”と…。
だから、滋は、類を『party』で、見掛けて居た事を説明していた。
其れには、T3は、呆れていた。
滋の『恋の病』が、また、始まったと思っていた。
滋が、『熱し易くて、冷め易い』性質の持ち主だという事を知って居るT3は、何も言えずに居たのだった。
その事を知らないF4は、怪訝な顔付きをして居た事は言うまでも無かったのだった。
実は、司と類とあきらもそうだが…。
高校卒業が、目前に迫って来たこの時期のF4は…。
それぞれの家業の仕事にも、拘り始めていた。
その為、F3は、既に、自社の中には、それぞれの執務室が、設けられていた。
また、F3には、既に、秘書も、就いて居た。
まだ、滋は、其処まで、家業に携わって居ない為…。
執務室は、設けられて居なかった。
その為、時間が空けば…。
滋は、如何しても、類に気持ちがシフトしてしまうのだった。
今までの滋は、時間が空けば、T3に連絡して、会って居たのに…だ。
で、その後の滋は、類に猛攻撃を掛けるのだった。
“類に振り向いて欲しい‼”と、願う滋は、時間が空けば、花沢物産の類の執務室に突撃訪問するのだった。
その事を知った総二郎とあきらは、面白半分で、類の執務室に突撃訪問するのだった。
類が、困っている顔付きを見る事が、楽しみで仕方無い総二郎とあきらだった。
類には、要らぬお節介の総二郎とあきらに…。
呆れていた。
一方、司とつくしは…。
あれから、更に、司の強いプッシュに寄り、つくしは、徐々に、司に気持ちは、シフトされていた。
何故か?
その事に、喜んで居る者達が居た。
司の両親で在る 道明寺HD 会長 保 と 社長 楓だった。
また、つくしの両親で在る 牧野コーポレーション 社長 晴夫 と 社長夫人 千恵子だった。
また、類の父親で在る 孝は、類の『女性嫌い』の噂を払拭したかった。
なので、此の状況を、受け入れて居た。
だが、類は、その事にも、不満を漏らし始めた。
類は、父親に文句を言って居た。
「俺は、彼女には、気持ちは無いよ‼
幾ら、父さんが、ごり押ししても、俺は、受け入れる気は無いから…。」
だが、類にそう言われた孝は、類に、威嚇し始めた。
「成らば…。
彼女の一人位、私の前に連れて来なさい。
其れも、出来ないなら…。
形だけで良いから、この噂話を受け入れるんだ‼」
「はぁ~??」
類は、父親に呆れていた。
だから、類の顔付きが、怪訝さを滲ませて居たのだろう⁉
孝は、更に、類に言って除けていた。
「此の噂話が、纏まれば…。
彼方(あちら)は、大河原グループの令嬢、何だ‼
花沢物産としても、良い縁談に成る。」
類は、父親に、“息子を売るつもり…?”と、驚愕するしかなかった。
類は、元々、『策士』なのだ。
そう簡単に、人の思惑に乗る様な人間でも無かった。
だからだろうか?
この時の類は、滋に靡くつもりは、毛頭なかったのだった。