俺の為だけの、俺の女…<つかつく> 19.
<司side>
其れから、数ヶ月が経った頃…。
俺は、つくしを弁護士事務所に迎えに行った後…。
明日は、休みと言うつくしに合わせて、俺も、休みにしていた。
だから、俺は、メープルのキープしている俺の部屋に、つくしを連れて来て居た。
勿論、ルームサービスで、部屋にディナーを用意して於く事は、支配人に伝えていた。
俺は、つくしに懇願しようとしていた。
つくしは、怪訝な顔付きに成っていたが…。
「つくし…。
俺とつくしは、付き合い出して、半年以上経った。
それに、両家の顔合わせも、既に、終わっている。
俺等、一緒に住まねぇか?」
「………」
つくしは、迷っているみてぇだった。
だから、俺は、相談と言う名のゴリ押しを、つくしにしようとしていた。
「実は…よ。
俺の幼少期の頃からの親代わりの使用人頭のタマが…よ。
“早く、(道明寺)邸に連れて来い‼”って、煩ぇ~んだよ‼
だから…よ。
(道明寺)邸に、“そのまま、住まねぇか?”と、思ってよ。
如何だ、良いだろ?」
「………」
つくしからの返答は無かった。
だから、俺は、仕方なく、妥協案を出した。
「タマには、マンションに来る様に伝えるから…。
俺のマンションでも良いぜ‼」
「………」
つくしは、怪訝な顔付きに成ったまま、更に、言葉を一切、発しなかった。
だから、俺は、痺れを切らして、何か言葉を発してくれる様に、伝える事にした。
「つくし…?
何も、答えねぇのは、卑怯だろ?
何か、言えよ?」
「………」
其れでも、何も答え様とは思っても居ねぇのか?
俺の顔を、じーっと見詰めるだけ見詰めて、何か考えて居る様子だった。
で、やっと、つくしは、言葉を発して来た。
「一緒に、住むの?」
“はぁ~??
俺は、さっきから、其の話しをして居たんじゃねぇのか?”
と…、言いたい気分で居た。
だが、心優しい俺(?)は、つくしの気持ちに応える様に、答えて遣った。
「つくしは、俺と一緒に、住む事は、嫌か?」
「嫌じゃないけど…。
司のご両親に、私の印象が悪く成るんじゃないの?」
「俺の親父とババアは、俺の事は、良~く知ってから…。
何も、言わねぇよ。
其れより、そろそろ、俺等、一緒に住もうぜ‼」
そうだったのだ。
俺とつくしは、付き合い出して、2か月後には、そう言う仲に成っていた。
だから、俺とつくしが、一緒に住む事は、“もう、そろそろ、良いんじゃねぇのか?”とも、考えて居た俺だった。
勿論、俺もそうだったが…。
ほぼ、恋愛未経験のつくしだったので…。
つくしは、俺とがお初だった。
そう言う俺も、つくしとがお初だった。
俺は、女嫌いの恋愛未経験だったから、当然だったのだが…。
だが、つくしは、世間体を気にする余り…。
俺の気持ちを理解してはくれそうに無かった。
だから、今日は、じっくり、つくしに了承させるべく、覚悟を決めていた。
<つくしside>
ほんと、司は、私の嫁としての立場を、一切、考えてはくれそうにも無かった。
だから、司と私は、平行線のまま…。
お互いの気持ちをぶつけ合い過ぎて、このままだったら、喧嘩を勃発しそうな勢いだった。
だから、私は、穏やかな気持ちのままで居ようとして居たし、余り、言葉を発しない様にしていた。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか?
しつこくて仕方ない司に、私は、疲弊、仕掛けていた。
だから、私は、言ってしまったのかも知れない。
「其処まで言うなら、司のご両親に確認して来てからにしない?
道明寺家の私の嫁としての立場も、尊重して欲しい。」
「………」
<司side>
俺は、つくしの言葉に、嬉しさの余り、言葉が出なかった。
『道明寺家の私の嫁としての立場も、尊重して欲しい。』
つくしは、俺が、つくしから、何を言われれば喜ぶのかを知っているかの様に、小出しに言って来る。
つくしは、俺のツボみてぇなもんを、“しっかり、心得てんじゃねぇか?”と、ここ最近は思う様に成って来た。
其れが、また、俺は、嫌じゃねぇんだから、始末に悪ぃんだよ。
ほんと、厄介な女を、俺は、好きに成ってしまった様だ‼
仕方ねぇから、取り敢えず、つくしの気持ちに従い、親と連絡を取る事にした。
「分~ったよ。
親に確認して、了承されれば…。
つくしは、俺と一緒に住む気で居んだな?」
「………」
つくしは、言葉こそ、発しなかったが…。
頷いて見せてくれた。
だから、俺も、つくしの気持ちに了承したのだった。