Again and again…<つかつく>・<総優> 11.
<司side>
あの日以来、あいつは、俺を避けやがる。
どんなに、謝っても、TELを入れても、LINEしても…。
無視を決め込んで居るあいつに、俺は、疲弊するしかなかった。
実は、俺が、日本に帰国して帰って来てから、仕事が落ち着き出した頃…。
あいつの携帯(iPhone)のアドレスを、西田に確認させていた。
幾ら言っても、教えてくれねぇあいつに痺れを切らしての事だった。
あいつは、かなり、怒っていたけど…な。
「個人情報も有ったもんじゃない‼」と…。
だが、俺は、心の中で、あいつに悪態を突いて居た。
“そんな事は、知るかよ‼
じゃあ、俺に教えとけよ‼”と…。
だから…。
時間を見付けては、俺から、あいつにLINEを入れている。
だが、『既読スルー』される事の方が多い。
寧ろ、見てねぇ時も有る位ぇだった。
俺は、いい加減、あいつに逢えねぇ事で、遣る気を失せ始めた。
その事が、何故だか、分からねぇが…。
姉ちゃんにバレて居たらしくて、俺は、姉ちゃんから、世田谷の(道明寺)邸の姉ちゃんの部屋に呼び出されていた。
“姉ちゃんの部屋に入る事は、何年振りだろうか?”と、思い乍ら、姉ちゃんの部屋に向かって居た。
で、俺は、姉ちゃんから、思いっ切り、訊かれていた。
「司…?
執務の遣る気の無さの原因は何なんの?」
「はぁ~??
姉ちゃんが、何で、其の事を知ってんだよ?」
「西田から、お母様にお話しが伝わって、お母様から、私に連絡が、入って来たの。」
其の事を聞いた俺は、心の中で、悪態を突いて居た。
“西田…?
てめぇ、後で、覚えとけよ‼”と…。
だが、其処は、姉ちゃん…。
俺が、訳を伝えるまで、俺を解放しようとはしねぇんだよな‼
だから、俺は、観念して話しして伝えていた。
で、姉ちゃんは、驚愕し始めた。
俺は、あいつを手に入れる為だけに、日本に帰国するまでの3年間をNYで、頑張って来たんだ‼
俺は、姉ちゃんに、“あいつとそう成るまでの俺と、俺がNY➡日本に帰国するまでの3年間の俺のNYでの生活振りに比べりゃあ、月とスッポンだろ‼”と、俺は、言いたかった。
あいつは、一般家庭の娘…。
今までのババアの事を考えれば、一般家庭の娘をそう簡単に、許すとは思えなかった。
だから、俺は、俺が頑張っている姿をババアに魅せる事で、ババアに思い知らせようと思って居た。
だが、肝心のあいつが、俺を避けてやがる。
俺は、あいつとそう言う関係に成った頃は、俺の目の前の景色に色が付き始めた。
だが、今は、セピア色➡灰色に変わって行く事に気が付いた。
あいつが、俺の目の前に居る事で、俺の目の前の景色に色が付いて居たんだよ…な。
俺は、あいつに会えねぇ事で、俺自身の胸が苦しく成って行く事に、驚愕していた。
<椿side>
司が、塞ぎ込んで居る事が多く成って来ていた。
此のままでは、埒が明かないと思い、私は、旧友で在る、祥一朗と瑞紀に逢いに行く事にした。
祥一朗と瑞紀の披露宴は、主人のパートナーで、別の『party』に出席する事が、元々、決まっていた。
私は、祥一朗と瑞紀の共通の友人という事で、是非、出席したかったんだけど…。
泣く泣く、お断りしていた。
だから、祥一朗と瑞紀の結婚のお祝いもしたかったし…。
だから、私は、祥一朗と瑞紀に逢いに行く事にして居た。
英徳大学付属病院の正面玄関のロビーに在る受付で、私は、祥一朗と瑞紀を呼び出してもらった。
「私…。
道明寺椿と言います。
外科の西門先生と産婦人科の西門瑞紀先生を呼んでもらえますか?」
瑞紀は、祥一朗と結婚したんだから…。
“苗字は、『西門』で合ってるわよね?”と、思い乍ら…。
そして、数分後には、祥一朗と瑞紀が、ロビーに現れた。
「椿…?
お久し振りね‼
元気だった…?」
瑞紀は、妊婦なのに、飛び跳ねんばかりに、私に手を差し伸べて、突然の私の登場にも喜んでくれた。
祥一朗は、そんな私と瑞紀に呆れている様子だったが…。
【高校時代までの私達 三人の構図…。】
祥一朗と私は、幼稚舎の頃から、英徳学園だった。
勿論、祥一朗と私は、幼馴染…。
まあ、西門家と道明寺家の子供なら、当然だったんだけど…。
だが…。
瑞紀は、高校から、一般入試で、英徳学園に入学して来た才女。
高校から、英徳学園始まって以来の奨学金で、英徳高校に通って居た。
私と祥一朗と瑞紀は、同級生で、高校の3年間、同じクラスメイトだった。
私達が高校生だった頃…。
そんな祥一朗と瑞紀が、付き合い出したと聞いた時は、私は、吃驚したけど…。
私達が大学に入学する前…。
祥一朗が、家(西門家)を出たのは…。
多分、“瑞紀の為だったんじゃ無いか?”と、今に成って思えば、私自身、頷ける様な事
だった。
あの当時の私は、“祥一朗は、思い切った事をしたよね。”と、思って居たけど…。
で、私は、今回、結婚した祥一朗と瑞紀に、お祝いの言葉と、お祝いの品を渡した。
「祥一朗、瑞紀…。
Congratulations on your wedding! <結婚おめでとう‼>
長かった様な短かった様な…。
そんな感じ…ね。」
「「有難う‼」」
祥一朗と瑞紀も頷きながら、お礼を言って居た。
だが、祥一朗は、私が此処に現れたのは、“俺達に、お祝いを言いに逢いに来てくれただけじゃないだろう。”と、思って居た様子だった。
後で、祥一朗から聞いて分かった。
だから…。
祥一朗は、私に声を掛けて来たのだろう?
「椿…?
俺と瑞紀に、他にも、何か、話しが有るんじゃないのか?」
私は、流石、祥一朗だと思って居た。
いつも、先読みに優れていた男だった。
だから、私は、祥一朗には、何も隠せないと思い、訳を話しし始めて居た。