Again and again…<つかつく>・<総優> 13.
<司side>
俺は、西田から、姉ちゃんが、英徳大学付属病院に向かった事を聞いて、驚愕した。
俺には、姉ちゃんが、あいつに会いに言った事は、分かり切って居たからだった。
俺は、西田に断りを入れて、英徳大学付属病院に向かう事にした。
「西田…。
悪ぃ…。
姉ちゃんが、何を仕出かすか、分からねぇから…。
俺も、行って来て良いか?」
「賜わりました。」
西田は、俺が、此処(司の執務室)に居ても、こんな状態なら、役立たずな事は理解してんだろ。
了承してくれた。
で、俺は慌てて、リムジンで、英徳大学付属病院に向かった。
で、姉ちゃんとあいつが、1Fロビーに居る所に出くわした。
で、俺は、慌てて、姉ちゃんの暴走を抑えに掛かろうとして居た。
「姉ちゃん…?
何、遣ってんだよ?」
「あら、司も来たの?
見ても分かる様に、つくしちゃんとお話し中…よ。」
「あのな。
此処じゃあ、目立つから…。
何処か?
場所を移動しようぜ‼」
あいつは、驚愕していた。
だが、其処は、強引な姉ちゃん…。
あいつを引っ張って行く気、満々だった。
で、あいつに訊く間もなく、姉ちゃんは、引っ張って行こうとして居た。
其処を制したのは、あいつ…。
「今、仕事中ですので…。
ご一緒、出来ません。」
「じゃあ、祥一朗に訊けば良い?」
「………」
あいつは、何も、言い返せない様子だった。
だからだろう。
姉ちゃんは、勝手に、祥さんにTELし始めた。
「祥一朗…?
今から、つくしちゃんを連れ出したいんだけど…良いかな?
司が、来ちゃったのよ‼」
俺は、心の中で、しっかり、悪態を突いて遣った。
“俺のせいかよ‼”って…。
姉ちゃんに面と向かって言えれば、御の字なのだが…。
で、祥さんから、了承を得られたのか?
上機嫌で、姉ちゃんは、あいつに言って居た。
「祥一朗が、“良い‼”って…。
だから、つくしちゃん、行きましょ‼」
で、姉ちゃんは、無理矢理、あいつをリムジンに乗せて、姉ちゃんと俺とあいつは、メープルのカフェの個室に入った。
そして、姉ちゃんの力説に圧倒されているあいつが、俺の目の前に居た。
<つくしside>
私は、何が何やら分からない内に、メープルのカフェの個室に居た。
一応、リムジンに乗車した際、白衣(ドクター用)を脱いでいた。
メープルに相応しい服装か如何かは分からないが…。
白衣の下は、一応、白いブラウスに、膝丈の黒のフレアスカートを履いて居た。
で、席に就く成り、あの人のお姉さんは、直球で、私に言葉を紡ぎ出した。
「ねぇ、つくしちゃん…。
司の事、嫌い…?」
私は、思わず、噎せて(むせて)、咳き込んで居た。
その時、あの人は、席を立ち、私に近付いて来て、背中を摩ってくれた。
で、あの人は、お姉さんに、悪態を突いて居た。
「姉ちゃん…?
行き成り、何、訊いてんだ…?」
「えっ??
こういう事は、回りくどく訊くより、ストレートの方が、一番良いのよ‼
だって、司は、つくしちゃんが好き、何でしょ?」
「………」
如何も、あの人は、返答の言葉に困っている様子だった。
私の顔を頻りに覗き込んで来る。
“私の反応を見たいのだろう。”と、私は、思って居た。
だから、咳き込んで居たままの状態で、俯いたままで居た私だった。
<司side>
俺は、姉ちゃんに、返答する言葉に躊躇していた。
こいつが、傍に居なきゃあ、即答していた。
“こいつが好きだ‼”って…。
でも、こいつの俺に対する気持ちが分からねぇ今は、何と返して良いのか?
躊躇してしまった。
だから、こいつの反応をじーっと、見詰めてしまって居た。
だが、こいつは、下を向いたままで、如何言う反応、何だか?
俺には、さっぱり、分からなかった。
だから、俺は、こいつを見詰めながら、姉ちゃんに返答して遣った。
「ああ。
俺は、こいつが好きで、堪んねぇんだ‼」
其の俺の言葉に反応して、顔を上げ出したこいつ…。
怪訝さが顔から、滲み出ていた。
そんなこいつの反応を楽しみながらも、姉ちゃんは、こいつに仕掛け出した。
「司…?
如何も、つくしちゃんは、司の事を如何も思って居ないみたいね。
司…?
諦めた方が良いかもね。」
今度は、あいつが、きょとんとした顔付きに成っていた。
ほんと、こいつの顔は、ころころ表情が、良く変わるよな‼
喜怒哀楽がはっきりしてると言えば、聞こえは良いが…。
“大の大人が…。”って、言いたいのを、俺は、言わずに於いて遣った。
で、姉ちゃんは、こいつの表情を見ながら、俺とこいつが、知り合う前の俺の幼少期の頃からの話しをし始めた。
俺は、居た堪れなかった。
こいつの顔には、『驚愕』という言葉が、顔に出てるし…よ。
其れに、姉ちゃんの最後の言葉で、こいつは、納得している様子だった。
「司は、正真正銘の『女性嫌い』なの。
だからって、ゲイって訳でも無いのよ。
唯、環境がそうさせただけ…。
でも、つくしちゃんと会って、目覚めちゃったみたいね。
遅れ馳せ乍ら…。」
で、こいつは、思い出したかの様に、小声で納得して喋って居た。
俺は、しっかり、聞き取って居たが…。
「あっ‼
だから…。
あの時、あんな言葉、言ってたんだぁ~‼」
“まあ、こいつは、俺との一夜の時の俺の言葉を思い出して、納得したんだろう。”と、俺の中でも、こいつの小声には、納得していた。