おとり捜査…<つかつく> 11.
此の話し(総二郎と優紀が、付き合い出した事)を、優紀から聞いた時のつくしは、度肝が抜かれた。
つくしでも、総二郎の噂は、聞いて居た。
其の張本人と、優紀が付き合う等と…。
つくしにとっては、言語道断だったのだ。
だが、総二郎の優紀への想いを聞き、つくしは、優紀との付き合いに関して、総二郎を許す事にした。
という寄り、つくしが、総二郎には、“何も、言わない様にした。”と、言う方が、正しい様にも思えた。
勿論、其の後のつくしは、総二郎に約束させた事は、言うまでも無い。
「警察官に嘘を付けば、如何言う鉄拳が飛ぶか?
分かってるわよね?」
「当り前ぇだ‼
俺は、嘘は付かねぇよ‼」
だから、其れ以降、つくしは、総二郎に何も言わなく成った。
そして、其の後、つくしは、桜子共、知り合っていた。
総二郎と付き合う様に成った優紀は、総二郎に連れられて、あきらと桜子のCPと、一緒に遊ぶ仲に成って居た。
総二郎とあきらという寄り、F4は、桜子の英徳学園の先輩…。
あきらと桜子のそれぞれが、大学を卒業後、偶然、桜子と再会していたあきらは、自然な形で、桜子と付き合い始めて居た。
つくしに至っては、優紀からの紹介に寄り、あきらと桜子とも知り合いに成って居た。
で、桜子は、つくしの事を『先輩』呼びして居た。
何故なら、桜子は、つくしが桜子よりも、年下だと思っていた。
其れが、つくしは、優紀の同級生なので、桜子の1歳年上…。
なので、桜子は、つくしを揶揄る意味で、最初は、『先輩』呼びして居た。
其れが、いつの間にか、定着して、桜子からは、そう呼ばれていたつくしだった。
優紀は、つくしの幼馴染で親友なので、当然では在るのだが…。
そんな感じだったので、既に、つくしは、総二郎と優紀、そして、あきらと桜子の全員につくしの素性は、バレて居たのだった。
そして、つくしが、警察官に復帰して半年が経った頃…。
其の後、つくしは、事件に巻き込まれていた。
本来なら、つくしは、非番だった其の日…。
事件が起きた。
非番だった其の日のつくしは、優紀と桜子と一緒に、久々の女子会をする予定だった。
其処に、刑事の先輩から、連絡が入って来た。
“牧野…。
―――――――――で、事件が起きた。
今直ぐ、直行してくれ‼”
「了解しました。」
携帯のTELを切った後のつくしは、優紀と桜子の方を向いて、つくしの両手を、つくしの顔の前で合わせ、謝るポーズをして居た。
「ごめん…。
事件が起きた。
行って来るね。」
そう言って、つくしは、其の場を後にした。
なので、つくしが、其の場を出た後…。
優紀と桜子は、総二郎とあきらに連絡して、総二郎とあきらと合流する事にしたのだった。
そして、其処には、司も、総二郎とあきらと共に、一緒に居た。
其の日は、女子会を開くという優紀と桜子に合わせて、総二郎とあきらは、元気のない司を、飲みに誘っていた。
ここ最近の司は、多少は、起き上がって、道明寺邸の自室で、PCを開いて、メールチェック等の簡単な作業は熟していた。
気分転換と言う事が、メーンでは有ったのだが…。
だが、司は、総二郎とあきらの彼女と言えど、其の場に女性が居る事を不服に思っていた。
司にとっても、顔見知りじゃない訳では無かった。
だが、司は、総二郎とあきらが、つくしに逢えない今の自分(司)自身の前に、彼女を呼んだ総二郎とあきらの事が、不満だったのだ。
だが、優紀と桜子が、其の雰囲気を読み取らない訳等無かった。
だから、来て良かったのか?
不安に成って居た優紀と桜子だったのだ。
そんな優紀と桜子の様子を汲み取った総二郎とあきらは、優紀と桜子に話しして聞かせていた。
あきらが、口火を切った。
「司…な。
女に振られたんだ‼」
司は、あきらの其の言葉に、思いっ切り、あきらを睨み付けていた。
で、叫び出した。
「俺は、振られたんじゃねぇ‼
ぜってぇ、俺は、あいつを捕まえて遣る‼」
総二郎が、そんな司を見兼ねて、言って除けて来た。
「だったら、そんな顔とか、態度とかせずに…。
余裕の態度で居ろよ‼
たかが、女に振られたくれぇで…。
『天下の道明寺司』が、情けねぇな‼」
司は、総二郎の其の言葉に、ファイティングポーズを取ろうとして居た。
勿論、あきらは、止めに入ろうとして居た。
また、優紀と桜子は、一連の様子を見て居て、驚愕して居る事は、言うまでも無い。
そんな処に、優紀の携帯が鳴った。
なので、優紀が、出た。
「もしもし…。」
優紀は、つくしの携帯番号だったので、安心して出ていた。
だが、携帯から聞こえた声の主に違和感を感じ、スピーカーにして、皆に聞かせていた。
其の様子を察したで在ろう つくしの同僚の先輩は、優紀の携帯に向けて、話しして居た。
“あの、牧野と声の主が違うので、驚かれたと思いますが…。
私は、牧野と同じ○○警察署 捜査1課の□□と、申します。
牧野の着信履歴に残って居る一番上の方に、連絡して居ます。
失礼ですが…?”
優紀は、其の相手の言葉に、了承したかの様に、挨拶を交わしていた。
「つくしの中学からの幼馴染で親友の松岡と、申します。
つくしに、何か、遭ったんですか?」
つくしの同僚の先輩は、間髪入れずに、返答して来た。
“牧野は、事件に巻き込まれました。
牧野のご両親 もしくは、ご家族に、連絡したいのですが…。
連絡が付かなくて、此方に連絡して居ます。
詳しくは、私からは、まだ、何も言えないのですが…。
病院からは、手術中と、連絡が入って来ました。”
「つくしが、手術中とは、如何言う事ですか?」
“牧野は、犯人に刺されました。
今は、まだ、其れしか言えません。
牧野のご両親に連絡をお願い出来ますか?
病院名は、△△病院です。”
「分かりました。」
優紀は、動揺して居る様子だったのだが…。
つくしの同僚の先輩に返答だけして、携帯を切った後の優紀は、つくしの母親に連絡を入れていた。
そして、優紀が、つくしの母親との携帯のTELを切った後…。
司が、吠え出した。
「なぁ、『牧野』とか、『つくし』とか、言ってたか?
牧野が、“犯人に刺された。”って…。
如何言う事だ‼
あいつは、秘書だよな⁉」
司は、優紀と桜子に、密かに、SPに撮らせていた秘書をしているつくしの隠し撮り画像を魅せていた。
実は、SPは、楓の指示で、限られた人間と一緒の時のつくしのみの画像しか、司には、魅せて居なかった。
そして、其の事を知らない司は、他人で在って欲しいという気持ちを込めて、優紀と桜子に其の画像を魅せ乍ら、司は、優紀と桜子に続けて訊いて居た。
「『牧野』って…?
お前等が知って居る『牧野』は、此の女か?」
優紀と桜子は、司の思いとは、無情にも、返事していた。
「「はい、そうです。」」
司は、行き場のない気持ちを引き摺る様に、其の場を後にしようとして居た。
其の時の司は、つくしを失うかも知れない『恐怖』と、戦っていた。
そして、総二郎とあきらは、司の行動に、固まって居た。
意味が全く分からない、総二郎とあきら、そして、優紀と桜子だったのだ。
そして、我に返った面々は、司に続いて、病院に向かうのだった。