此れからの私は…<総優> 1.
【プロローグ】
<優紀side>
私は、女子大を卒業して、或る会社に就職した。
そして、就職して、丸1年半が経った。
もう直ぐで、私は、24歳に成る。
つくしと言えば、英徳大学4年の春に、道明寺さんが、公約通り4年でNYから日本に帰国して帰って来た事で、即、婚約発表して、つくしは、道明寺さんの『婚約者』と成った。
で、今は、道明寺さんのマンションで、同棲中。
つくしの就職場所は、勿論の『道明寺HD』…。
しかも、道明寺さんの第2秘書…。
高校生の頃のつくしは、弁護士に成る事が夢だった…筈。
なのに、何故か?
英徳大学の学部は、経営学部だった。
つくしは、“道明寺(さん)の支えに成りたい‼”と、密かに、秘書検定1級も、取得していた。
桜子さんは、其れは其れは、吃驚していた。
また、其の当時のそんな桜子さんの言葉は…。
「呆れて、モノも言えませんわ‼」だった。
あれ程、“弁護士に成りたい‼”って、高校生の頃までのつくしは、宣言して居たのだから…。
桜子さんの言葉は、当然と言えば当然だった。
で、其の桜子さんと言えば…。
桜子さんが、大学4年に成る少し前位から、美作さんと付き合う様に成ったみたいだった。
で、私は、女子大1年の終わり頃から、総二郎さんと付き合い始めて居た。
けれど…。
私が、就職活動を始める少し前位から、総二郎さんの縁談が纏まり出した。
総二郎さんは、西門流 次期家元…。
こう成る事は、初めから、分かって居たお付き合いだった。
総二郎さんに、縁談が纏まれば、私達のお付き合いは終焉を迎える事位は…。
だから、私は、呆気なく、身を引く事が出来た。
そして、其の後、半年後には、総二郎さんの結婚式が、執り行われた。
私は、招待されて居なかったが…。
F3&T3は、招待されて、行って来たらしい。
当然と言えば、当然だろう。
私は、涙も出なかった。
だから、当分は、恋愛をしないと決めていた。
其れからの総二郎さんは、F4&T4の集まりも、一切、来なく成った。
私が、居るからだろうと思い、参加しない様にするつもりで居たが…。
T3から、言われてしまった。
「優紀が、悪い訳じゃないでしょ‼
F4&T4の絆は、永久不滅よ‼」
先ずは、つくしから、泣き乍ら、言ってくれた。
「そうですわ。
優紀さんは、私達 T3にとっても、無くては成らない存在、何ですから…ね。」
桜子さんも、泣き乍ら、言ってくれていた。
「優紀…。
勝手な事するんだったら…。
許さないからね‼」
滋さんも、泣き乍ら、励ましてくれた。
三者三葉…。
私を励ましてくれて居る事が分かって居るから、“泣き言は言うまい‼”と、心に固く誓っていた。
そして、無事、就職先が決まり、ホッとしていた。
でも、何故か?
“此れで良いのか?”とも、思えていた。
何故なら、私が、内定をもらった会社とは…。
“此れって、コネ入社じゃないよね?”と、訊きたく成る所だった。
つくしに言われるがまま、受けてしまったけど…。
本当は、つくしのお陰で、内定をもらった様な気がして仕方なかった。
だけど…。
“内定は、内定‼”と、言う、つくしの言葉にあやかって…。
私は、喜んで、内定を受け入れていた。
だが、後で、知ってしまった事実に、私は、驚愕するしかなかった。
だって…。
“其れって、如何いう意味…?”と、訊きたく成る様な話しだったからだ。
<総二郎side>
俺は、優紀と別れた後は、もう、何もする気も起きず、唯、時の流れに身を任せていた。
仕事は、きちんとする。
だが、私生活は、閉じ籠り状態…‼
此の縁談は、家元と家元夫人が、仕組んだ縁談だった。
だからって、別に、俺の嫁と成った女と、俺は、“一緒の部屋に居る必要もねぇだろう‼”と、思い、俺の自室には、一切、入れなかった。
此の俺の自室に入る事が出来るのは、優紀と使用人頭のかよだけだった。
俺と優紀の大切な思い出の場所を、あの女に滅茶苦茶にされたくなかった。
だから、俺が、此の結婚を受け入れた条件は…。
『あの女には、俺の自室には、入れねぇ‼
だから、俺も、あの女の部屋には、行かねぇ‼』
と、言う事を、家元と家元夫人に伝えて於いた。
勿論、家元と家元夫人には、了承させた。
優紀とは、あんな辛い想いをして、別れたんだ‼
“当然だろ‼”と、俺は、思っていた。
優紀を、一人で泣かさなくては成らねぇ事は、俺にとっては、辛ぇ事、何だっつーの‼
其の事を、あの女にも、分からせたかった。