此れからの私は…<総優> 2.
<総二郎side>
俺は、家元と家元夫人が決めた縁談を受け入れた。
其れは、優紀の会話からだった。
「総二郎さんは、西門流 次期家元…。
総二郎さんにとっては、家元と家元夫人が決められた縁談を受け入れる事が、西門家に
生まれた宿命、何です。
だから、縁談を受け入れて欲しいと、私は、思って居ます。」
俺は、優紀からの其の一言を言われた時は、“嘘だろ‼”と、言いたかった。
だが、もっと、優紀に訊かなければいけねぇ事に気付けて、俺は、優紀に訊き出した。
「優紀は、俺と別れて寂しくねぇのか?」
優紀は、一旦、目を閉じて、決心したかの様に、俺を見据えて言って来た。
「寂しく無いって言ったら、嘘に成ります。
けれど、宿命には、逆らえないですよね。
総二郎さんと私が、一緒に居続ければ…。
いつか、総二郎さんも、私も、追い詰められる時が来ると、思うんです。
其の時に、後悔しても遅いと、思います。
だから、来世では、私を選んで下さいね‼」
此の時、俺は、優紀を抱き締めて、男泣きに泣いた。
そして、俺と優紀が別れた後…。
俺は、F3&T3を呼び出した。
そして、俺は、こいつ等 F3&T3に、“優紀を守って遣って欲しい。”と、頼む事にして居た。
そして、俺は、F3&T3を呼び出した事を詫びて居た。
「悪ぃな、今日は…。」
其処に、あきらが、口火を切って来た。
「総二郎…?
“優紀ちゃんと別れた。”って、本当か?」
「ああ。
其の事で、頼みが有んだ‼」
俺は、こいつ等 F3&T3の顔を見乍ら、言って除けていた。
「優紀を一人にしねぇで欲しいんだ‼」
其処に、牧野が、首を捻りながら、俺に訊いて来た。
「其れって、如何いう意味よ?
勿論、私達は、如何いう状況に成っても、優紀を一人にする気は無いけど…。」
俺は、牧野の其の言葉を聞けて、苦し紛れに、F3&T3に、話しして居た。
「西門流に入って来た俺の縁談を、“受けて下さい‼”って、優紀から、俺は、言われたん
だ。
優紀が言うには、“其れが、西門さん(俺)の宿命だ‼”と…。
だが、俺は、今でも、“俺の女は、優紀だけだ…‼”と、思ってる。
けど、今の俺は、もう、あいつを守って遣る事も出来ねぇ。
今までだって、俺は、あいつを守って遣ってるつもりで居た。
けど、俺があいつから、守られてた。
だから、俺は、あいつ以外の女には、もう、触れねぇ。
其れが、条件で、今回、縁談を受け入れた。
俺の親に、俺の気持ちは伝えて在る。
其れで…だ‼
何れ、俺は、ぜってぇ、あいつの下に戻って来るつもりで居る。
俺の其の気持ちは、優紀には、まだ、伝えてねぇし…。
優紀は、まだ、知らねぇ。
だから、其れまで、あいつを守って遣って欲しいんだ‼
宜しく頼む‼」
俺は、必死で、F3&T3に、頭を下げた。
其処に、滋が、いの一番に、俺に声を掛けてくれた。
「ニッシー、良く言った‼
褒めて上げるわよ‼」
否、“滋から、褒めてもらえても、嬉しかねぇが…。”と、思った事は、喉の奥に放り込んで遣った。
だが、滋は、俺に提案を伝えて来た。
「だから、そんなニッシーに免じて…。
優紀をうち(大河原グループ)で、預かるわよ‼」
俺等 F4&T2は、一斉に、滋の方を向いて居た。
だが、あきらが、口火を切って来た。
「滋の所だと、男が優紀ちゃんに、言い寄って来ても、阻止出来ねぇだろ⁉
だったら、俺等 F3の中の誰かの所の方が良いんじゃねぇか?」
其のあきらの提案には、些か、俺は、不安だった。
だが、優紀に、俺以外の男が、近寄って来る事も、また、俺には、堪らなく嫌な事だった。
そう、俺が思って居た処に…。
類が、俺に言って来た。
「じゃあさぁ~。
俺の所の方が良いでしょ?」
俺は、速攻、類に訊き出した。
「如何してだ?」
「だって、司だと、牧野が傍に居るし…。
司だったら、牧野が、松岡だけと、仲良くする事も、どうせ、嫌がるんでしょ⁉」
司は、当然と言わんばかりに、類の問いに答えて来た。
「当然だ‼」
「其処、自慢する処じゃないでしょ(笑)⁉」
牧野は、笑い乍らでは在るが…。
牧野は、司を嗜めていた。
そして、司の言葉に納得した類が、牧野に言って除けていた。
「其れにさぁ~。
牧野が、松岡に、『道明寺HD』の就職試験を受ける様に伝えても、多分、拒否するよ
ね?
“コネ入社は、嫌だ‼”とか言って…。」
俺は、類の話しに、“優紀なら、言いそうだ‼”と、納得していた。
なんせ、牧野と同類の優紀だから…な。
其れには、牧野も納得して居る様子だった。
「そうかも…ね。」
また、其処で、類は、言って除けて来た。
「でしょ?
で、あきらの所だって…。
あきらは、三条と付き合って居ても、一緒に働いて居る訳じゃ無いでしょ?
其れなのに…。
あきらが、松岡と一緒に働いて居たら、あきらと松岡としての噂に成るよね?」
「ああ、多分、そうだな。」
あきらは、頷き乍ら言って居た。
「其処で、消去法で言ったら、後は、俺だけでしょ⁉
俺なら、噂は、スルーするし…。
松岡も、俺とは、今まで、そんなに接点無かったから、返って、俺の方が安心するん
じゃ無いかな?」
“成程な‼”と、俺は、思っていた。
そして、類は、牧野に声を掛けていた。
「だから、牧野が、松岡に、うち(花沢物産)の就職試験を受ける様に、話ししてよ‼」
牧野は、困惑して居る様な顔付きに成って居た。
「私だけだと、不安だし…。
だったら、T3で、優紀を誘導しない?」
「了解‼」
「了解しました。」
で、T3は、優紀を花沢物産に就職させる気満々だった。
T3にとって、俺の了承を、俺に取り付ける気もねぇらしい。
“まあ、優紀が、守られてるなら、何でも良いけど…よ。”と、此の時の俺は、そう思っていた。