貴方を忘れる為…<総優> 2.
優紀は、自分自ら…。
総二郎から離れた高校生だったあの日以来…。
優紀自身…。
総二郎の事を忘れる努力を怠らなかったのだ。
『たかが、恋なんて…。
忘れれば良い。
泣きたいだけ、泣いたら…。
目の前に違う愛が見えてくるかもしれない。』と…。
自分(優紀)自身に言い聞かせる様に…。
そんな強がりを言って魅せるのは、貴方を忘れる為…。
其れが、“自分(優紀)自身の為…。”と…。
そう、想い乍ら…。
だが、優紀自身、今の現状が、寂し過ぎて…。
優紀自身の張り詰めた心が壊れそうに成ると…。
優紀の夢の中に、総二郎が出て来るのだ。
【其の夢の内容とは…。
折れた翼を広げたままの優紀…。
高校生の頃のままの総二郎の上に、落ちて行く…。
そして、其のまま、海の底へ、沈んで行く…。
優紀は、泣いたまま、総二郎に抱き締められ乍ら…。 】
だから、其の夢を見た後の優紀は、総二郎の事を忘れられず、いつも、苦しむ優紀だったのだ。
そんな或る日…。
優紀が、チーフパーサーとしての初フライトの日が遣って来たのだ。
事前に、優紀は、つくしに、其の事を伝えていたのだ。
そして、つくしには、分かった事が有ったのだった。
優紀のチーフパーサーとしての初フライトの日と…。
司の出張への同行日と…。
それぞれの渡航先が重なったのだ。
其の事実を踏まえて…。
つくしは、優紀に、お祝いをしたくて、西田に相談して居たのだ。
「親友のチーフパーサーとしての初フライトの日が、支社長の出張の日と重なったんで
す。
其れに、渡航先迄…。
其処で、ご相談なのですが…。
支社長の出張の折りは、PJじゃ無くて…。
民間機で渡英しても宜しかったですか?」と…。
此の時の西田は、司の警護の為には、有り得ないつくしからの相談では在ったのだが…。
つくしの要望の為…。
警護を強化をする事で、つくしの要望に応える事にした西田だったのだ。
其の事に寄り、司とつくしの出張は、西田も同行しての民間機にて、渡英する事と成ったのだった。
実は、司自身は、民間機での出張自体を不貞腐れて居たのだ。
何故なら…。
司は、つくしと、PJ内に在る プライベートルームで過ごす事に、気持ちは、既に、馳せて居たのだから…。
だが、民間機が、イギリスに到着した後の司の其の日の仕事のスケジュールが遅く成る事を、事前に、知って居たつくしは…。
優紀を誘い出して、優紀のチーフパーサーとしての初フライトのお祝いを兼ねて、一緒に、ディナーする事を考えて居たのだった。
だからこそ、つくしは、優紀のチーフパーサーとしての初フライの民間機で、渡英したかったのだ。
だが、抑々(そもそも)、其の事自体が、司の不貞腐れて居た理由の一つだったのだ。
だからだったのだろう。
司は、出張が終了して、イギリスから日本に帰国して帰って来た直後…。
あきらからの呼び出しにて、F4で集まった飲み会の際に…。
其の時の話しを、愚痴るかの様に、F3に話しし始めた司だったのだ。
「此の間…な。
つくしの幼馴染で親友の松岡が、チーフパーサーに昇格したらしくて…よ。
松岡のチーフパーサーとしての初フライトの日に…。
丁度、俺とつくしのイギリスへの出張と、松岡の初フライト先が重なったらしくて…よ。
つくしが、“松岡(優紀)の乗るジェット(民間機)に、搭乗したい‼”って…言い出したん
だよ。
で…。
仕方なく…。
俺とつくしとで、松岡の初フライトのジェットに搭乗して来たんだよ。
其の時のつくしは、松岡の事ばかり気にしやがって…。
全く、俺を無視しやがって…よ。
有り得ねぇっつーの‼」
所謂…。
此の時の司は、愚痴を込めて、F3に、そんな風に、話しして居たのだ。
其処で、あきらが、話しを切り出し始めたのだった。
「へぇ~、優紀ちゃん…。
CAに成ってたんだな。
しかも、俺等の1歳下の年齢で、『チーフパーサーに昇格した』って、凄ぇな‼」
だが、此の時の司は、“そんな事は、如何でも良い。”と、云わんばかりに…。
興味無さそうに、あきらに、返答するのだった。
「らしいな。
俺は、如何でも良いけど…よ。」
司のそんな言葉に、あきらは、絶句し乍ら、司に訊いて居たのだった。
「司…。
“如何でも良い…。”って、何だ?
優紀ちゃんは、牧野の幼馴染で親友だろ?」
だが、此の時の司のそんな返答の言葉には、誰もが、“至極当然な言葉なのだろう。”と、納得する様な言葉が、返って来たのだった。
「俺は、つくしだけが居れば、良いから…よ。」と…。
そんな司の即答に、類は、絶句なのか? or 失笑なのか?
分からない様な笑いを浮かべ乍ら、話しして居たのだ。
「司にとって、『女』は、牧野だけだもんね(笑)。
其処は、仕方ないよ。」
其処で、あきらも、類の言葉に、賛同するのだった。
「だな。」
だからだったのだろう。
類とあきらは、失笑するかの様に、クスクスと、笑い出して居たのだった。
司は、苦笑いし乍らも、そんな類とあきらを一喝して居たのだった。
「うっせぇ~‼」と…。
だが、此の時の総二郎は、一切、言葉を発して居なかったのだ。
そんな総二郎を、あきらは、不思議がって居たのだ。
お祭り好きの総二郎が、誰よりも、此の状況に乗って来ない事に、あきらは、首を捻るしか無かったのだった。
唯、此の時の総二郎は、久々に聞いた『優紀』の名に、言葉が出せなかっただけ…だったのだ。
実は、ここ最近の総二郎は、倦怠感(?)の様な…。
虚無感(?)の様な状況で居たのだった。
所謂、ここ最近の総二郎は、何をするにも、嫌気が差して居たのだ。
だから、『優紀』の名を聞いた時…。
懐かしさと共に、総二郎の気持ちが向上する事を、総二郎自身、感じて居たのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎は、“優紀ちゃんの働き振りを観て視たい‼”と、思って居たのだった。
否、優紀自身に、逢いたく成った総二郎だったのだ。
<此の二次小説『貴方を忘れる為…<総優> 2.』は、中森明菜さんの ♪ 難破
船 ♪ の歌詞の一部を文章化して、勝手に拝借させて頂いて折ります。
勝手致して折ります事をお詫び申し上げます。
関係者各位 様、勝手に、拝借しております事をお詫び申し上げます。>
<また、此の二次小説『貴方を忘れる為…<総優> 2.』は、切りが良い為に、短めに
成っております事をお詫び申し上げます。>