priority…<つかつく> 2.
<つくしside>
優紀から連絡が入って来た。
「Hello…。」
“つくし…⁉”
「えっ??
優紀…?」
“うん、優紀だよ‼
つくし、元気…?”
「うんうん、元気だよ‼
優紀も、元気そうだね‼」
“うん、元気だよ‼
ねぇ、つくし…?
日本には、何時(いつ)、帰って来るの?”
「えっ??
如何したの?
まだ、当分は、帰る予定は無いけど…?
何…?
何か有った…?」
“うん、そう言うんじゃ無いんだけど…ね?”
「………」
しどろもどろに成って居る優紀から…。
私が、気が付いて居ない間に、TELは、西門さんに変わっていた。
“牧野…。
久し振りだな‼”
「えっ??
西門さん…⁉
優紀は…?」
“ああ。
優紀から、変わった。”
「ふ~ん、そう何だ‼
で、何…?
(TELが)西門さんに変わったって事は…。
日本で、何か、遭ったって事だよね?」
“何か、遭ったって、訳じゃねぇんだ‼
唯、牧野が、日本に帰国して帰って来ねぇのか?
『訊いてくれ‼』って、頼まれてよ‼”
「何か、西門さんの言葉って、歯切れ悪くない…?
だったら、こっちから、訊いて良い?」
“ああ。”
「西門さんに頼んで来たという其の相手の主は、誰?」
“………”
私は、西門さんと優紀の言葉の歯切れの悪さだけでは無く…。
私の訊いた言葉にも、中々、返答の無い西門さんの様子から…。
何と無くだが、分かってしまった。
だから、私から、更に、訊いて視た。
「西門さん…?
其れって、もしかしなくても、『道明寺』からだよね?」
“………”
西門さんは、TELの向こうで、慌てて居る様子だった。
だから、私は、更に、西門さんから、訊き出そうとして居た。
「もしかしなくても、道明寺は、日本に帰国して帰って来たっていう訳…?」
“………”
私は、尚も、西門さんに話しして居た。
「西門さん…?
今は、何も、言わなくて良いから…。
道明寺に、伝えて…。
“例え、道明寺が日本に帰国しようが、今の私には、関係無い…‼”って…。
お願いね‼
じゃあ、優紀に宜しく伝えて…。」
こう言って、私は、優紀➡西門さんに変わったTELを、無理矢理の様に、切って居た。
私自身は、何食わぬ口調で、『道明寺』というフレーズを言っては視たモノの…。
実の処、私は、『道明寺』というフレーズを自分自身で言い乍らも、動揺していた。
まさか、此の私が、動揺してしまうとは、思って居なかった。
私の手まで、震えて居る自分自身に、更に、動揺してしまって居た。
例え、道明寺が、日本に帰国しようが…。
私は、こっち(イギリス支社)の仕事を投げ出せる筈等無かった。
だから、当分は、日本に帰国する事は、出来ないという結論に、私は、達していた。
だから、其れだけに…。
また、道明寺に振り回される日々が来ようとは、思っても視なかったのだ。
今、思えば…。
道明寺の性格を、すっかり、忘れていた私だった。
“道明寺の人生に於ける『priority【プライオリティ】(=優先順位)』
は、一体、何なのだろうか?”と、思う私が居た事も、また、事実だった。
<司side>
俺は、日本に、帰国して帰って来た。
此の日本への帰国は、一時的なモノじゃねぇ‼
俺は、アラスカの仕事を成し遂げて、やっと、日本支社 支社長の座を手に入れた。
所謂、凱旋帰国だった。
俺は、日本に到着する成り…。
あいつの居所を知りたくて、あきらにTELした。
やっぱり、こういう時は、あきらだろう‼
F4の中でも、あきらは、『頼りに成る男』だからな‼
「あきら…。
俺、日本に帰って来た。」
“司…?
やっとかよ‼”
「ああ、悪ぃ。
遅く成った。
あいつは、如何してる?」
“あいつって、牧野の事だよな?”
「ああ??
当然だろ?」
“お前等、別れたんじゃねぇのか?”
俺は、あきらの言葉に、一瞬、戸惑って居た。
「はぁ~??
如何いう意味だよ?
別れる訳ねぇだろ?」
“否な…。
牧野は、別れてると思ってんぞ‼”
俺は、牧野が、あいつ等 F3&T3にそう言って居る事に、更に、戸惑って居た。
「はぁ~??
マジか?」
“牧野が言ってたのは…。
“道明寺に連絡入れても、連絡が取れなく成ってるし…。
連絡も来なく成った。”って、言ってたぞ。
だから、“道明寺は、私と、別れたかったんだろう。”って、牧野は、俺等 F3&T3に、
言ってたぞ。”
俺は、あきらからの其の言葉に、何も、言い返せなかった。
「………」
“何か、訳ありか?
なら、俺で良かったら、話し聞くぞ‼”
で、俺は、あきらと落ち合う事に成った。