此れからの私は…<総優> 10.
<優紀side>
私は、覚悟を決めて居た。
“私は、花沢専務のご両親のお話しを、受け入れ無ければ…成らないのだろう?”と…。
でも、花沢専務のお気持ちを伺った訳じゃ無い。
だから、私は、花沢専務のお気持ちを伺う事にした。
「専務…。
今日、お時間が御座いますでしょうか?」
花沢専務は、私を凝視して、言って来た。
「俺に時間が有るか? or 無いか? は、君が握ってんじゃないの?
俺の時間が作れるのも、今や、君次第でしょ(笑)?」
私は、花沢専務のお言葉に、ハッと、していた。
今や、私は、花沢専務のスケジュールの管理を任されて居た。
だから、当然乍ら…。
スケジュールを知って居なければ、いけない立場だった。
なのに…。
私は、花沢専務に、何を訊き出して居るのだろうか?
だから、私は、一言、花沢専務に謝って於いた。
「申し訳御座いませんでした。」
そんな私に、花沢専務は、クスクス、笑い乍ら、お声を掛けて下さった。
「何か?
俺に話しが有ったんじゃないの(笑)?」
だから、私は、素直に、花沢専務に、お話しする事にした。
「はい。
花沢専務にお伺いしたい事が有りまして…。」
私は、意を決して、訊き出そうとして居たのに、花沢専務は、飄々として居られた。
花沢専務らしいと言えば、花沢専務らしいんだけど…。
私は、そんな花沢専務に違和感を持ってしまった。
何故なら、私は、真剣に、花沢専務に伺って居たのだから…。
「ふ~ん。
まあ、良いや。
其れじゃあ、今日、時間作ってよ‼
前みたいに、ゴシップ誌に撮られても困るだろうし…。
メープルのレストランの個室の予約を取って於いて…。」
「承知致しました。」
そして、其の日の夜…。
花沢専務と私は、花沢物産 本社の地下駐車場に駐車して居るリムジンで、メープルの地下駐車場に向かい、其のまま、レストランの個室に向かった。
だから、ゴシップ誌に撮られる事無く、無事、メープルのレストランの個室に入れていた。
そして、私は、花沢専務にお伺いを立てるのだった。
<類side>
俺は、松岡の話しは、大体、予想は付いて居た。
何故なら、あのゴシップ誌に撮られた後…。
父さんと母さんからは、松岡の事を、頻りに訊かれたからだった。
其の時…。
俺は、父さんと母さんには、はっきり、言ったつもりだった。
~~ 其の時に、父さんと母さんから、訊かれた事は…。
「類は、松岡さんの事を、如何思う?」
俺は、父さんと母さんに、訊き返していた。
「“如何思う?”って、如何いう意味?」
母さんは、嬉しそうに、訊いて来た。
「松岡さんに、好意を寄せて居るのか?
訊いて居るのよ。」
だから、俺は、素直に、伝えて於いた。
「確かに、松岡と接して居れば居る程…。
静とも、牧野とも、違う意味で…。
松岡と一緒に仕事して居ても、俺には、違和感を感じないよ。
其れは、きっと、松岡が、俺に好意を寄せて居ないからだよ。
牧野とは、ソウルメイト…だった。
所謂、『心の友』って、感じだけど…。
もう、俺と牧野は、『親友』とも言うべきだろうと思うよ。
牧野は、あの司が、恋心を抱き、射止める位…。
俺でも、良い女だと思うもん。
けど、松岡は、『同士』みたいなもん、何だと思うんだよね。
仕事を一緒にして居る仲間…みたいなもん。
元々、高校の頃から、松岡とは、仲間として、一緒に居たけど、接点が無かったんだよ
ね。
松岡の事は、牧野を通して知って居るみたいな感じだった。
其れが、仕事を一緒にする様に成って、親近感が湧いて来たというか?
そんな感じ…。」
「………」
「………」 ~~
こんなに、お喋りな類を見た事の無い、類の両親は、驚愕して居た。
だから、類の両親は、言葉に出来なかったんだろう。
類の両親は、良く喋り、良く笑う類を、嬉しく思って居た。
其れも此れも、3人の女性に寄って、類は、逞しく成って居る事にも、類の両親は、嬉しく感じて居たのだ。
3人女性…。
そうなのだった。
幼少期の頃の類を見守って居た静…。
類にとっては、初恋の相手が静だった。
そして、高校2年生の頃までの内向的だった類を、仲間内では、良く笑い、良く喋る様な社交的な類に、立ち直らせたつくし…。
そして、社会人に成って、仕事を放棄するかの様に、何時(いつ)も、眠そうにして、仕事に成らない類を、仕事に向かわせる様にした優紀…。
既に、静は、フランスで結婚して居る。
所謂、既婚者だ。
其れに、つくしも、既に、司の婚約者で、もう直ぐ、結婚する。
だから、“せめて、松岡さん(優紀)だけでも、類の傍に、一生、居てくれたら…。”と、願う類の両親だったのだ。
~~ そう、類の両親が思って居る処に、追い打ちを掛ける様に、類は、話しを続けてい
た。
「でも、松岡は、元々、総二郎の彼女だったんだ。
大学時代の総二郎と松岡は、既に、付き合って居たんだよ。
多分、今でも、松岡は、総二郎の事が好きだと思うよ。
其れに、総二郎も、今でも、松岡の事は、好きみたいだし…ね。」
だが、類の両親は、思って居た。
“総二郎君(さん)は、妻帯者だろ?”と…。
だから、類の両親は、類に訊いて居たのだろう。
「だが、総二郎君は、結婚して居るだろ?」
だから、類も、本当の事を類の両親に伝えていた。
「ああ。
結婚して居るけど…。
総二郎の場合は、政略結婚だけど…ね。
総二郎は、西門流の為に、松岡とは、無理矢理、別れたみたいだね。
因みに、司と牧野は、恋愛結婚。
高校の頃から、司と牧野は、付き合って居たから…ね。
司と牧野は、付き合ってからだと…。
遠距離恋愛を含めると、7年に成るね。」
「………」
「………」 ~~
だが、類の両親は、優紀に、優紀の本心(総二郎への気持ち)を訊こうと思って居た。
だから、此の時の類の両親は、何も、答え様として居なかったのだ。
<此の二次小説『此れからの私は…<総優> 10.』の下りの中で、優紀の下りが在
ります。
実は、此の優紀の下りは、私共の妄想に寄るモノです。
神尾葉子先生に於かれましては、勝手に、妄想、致しております事をお詫び申し上げま
す。
関係者各位 様、勝手致して折ります事を、重ねてお詫び申し上げます。>