司のBirthday & 愛妻の日【泣かずに居られるのなら】…<つかつく> 番外編①
<司side>
今日は、1月31日…。
そう、俺の誕生日だ‼
去年までの俺は、幾ら、俺の誕生日だと言われても、何の感慨も無かった。
俺には、つくしの記憶が無かったのだから、当然といえば当然だった。
寧ろ、俺は、此の世に生まれて来た事を恨んで居た位ぇだった。
だが、そんな俺にも、一時、生まれて来た事に感謝した頃も有った。
あいつ…。
そう、つくしと知り合う事が出来て居た頃の俺の高校3年のほんの数か月の頃の事だった。
そう、其の頃の俺が高校3年の時の俺の誕生日だけは、俺にとって、幸せな時だった。
其の頃にあいつと、交われた事は、俺にとって、何よりの誇りだ‼
だから、現在の俺は、俺の息子で在る 『航』とも巡り会えたのだから…。
そんな俺にとって、大切な俺の誕生日の今日…。
俺は、“夕方には、帰りてぇ‼”と、西田にスケジュール調整する様に、事前に、西田に、伝えていた。
普段の俺は、航とは、ディナーを一緒に摂る事は、稀だった。
だから、俺にとって、大切な俺の誕生日の今日という日だけは、親子3人で、一緒に、俺の誕生日を過ごしたかったのだ。
俺が、NYに居た頃は、俺の誕生日と言えば…。
親から言われた俺の『Birthday party』への出席だった。
しかも、俺にとっては、無理矢理の出席だった。
しかも、“パートナーを就ける。”と、言われ…。
“パートナーを就けるなら、俺は、出席しねぇ‼”と、親子喧嘩が、勃発する事は、毎年の事だった。
普段、『party』に出席する際も、パートナーを就ける事をしない俺‼
だから、俺の誕生日だけは、俺の親が、そんな俺にパートナーを就けたがっていた。
だが、俺は、“あの頃のつくしの記憶の無かった頃の俺の事を褒めて遣りてぇ‼”と、思って居た。
俺は、ぜってぇ、親の言い成りに成らなかったんだから…。
そんな風に、昔の俺を懐古して居た時…。
西田が、俺の執務室に入って来た。
そして、スケジュール調整の話しをし始めていた。
「何とか、1月31日のスケジュール調整が出来ましたので、ご報告致します。
1月31日は、司様のお誕生日で御座いますから、つくし様と航坊ちゃまと、ごゆっくり
と、御過ごし下さいませ。
後…。
司様は、ご存知かと思いますが…。
1月31日は、『愛妻の日』と、申すそうです。
1月31日は、司様のお誕生日で在って、『愛妻の日』…と言う事に成りますね。」
「………」
俺が、黙って居ると…。
西田は、話しを続けて来た。
「1月31日は、【1(=あい)月 31(=さい)日】と、考えられる事から…。
1月31日は、『愛妻の日』と、制定されたそうです。
取り敢えずのご報告まで…。」
そう言って、西田は、俺の執務室を出ようとしていた。
其処を俺は、西田に声を掛けて、西田を引き留めて居た。
俺は、自他共に認める『愛妻家』だ‼
だから、そんな俺は、悟って居た。
“俺が、何故、『愛妻家』で在るのか?”と、言う事を…。
そんな俺は、“『愛妻家』に成るべくして、1月31日に生まれて来たのだ‼”と、言う事を理解した。
だから、俺は、『愛妻家』らしく、1月31日という日は、寄り一層、つくしに尽くす事にした。
そして、俺は、つくしの為に、つくしらしい花束を用意させ様と考えて居た。
「西田…。
俺は、自他共に認める『愛妻家』だ‼」
西田は、間髪入れずに返答して来やがった。
と言う事は、西田も、“認めている。”と、言う事なのだろう。
「存じ上げております。」
で、俺は、西田に、更に、伝えていた。
「此の『愛妻の日』という日は、俺の為に有る日だな。
西田…。
そう思わねぇか?」
西田は、頷き乍ら、更に、返答して来やがった。
「左様で御座いますね。」
だから、其処で、俺は、西田に頼み事をした。
「其処で…だ。
つくしの為に、つくしらしい花束を用意して於いてくれねぇか?」
西田は、既に、分かって居たのか?
いとも簡単に、了承して来やがった。
「承知致しました。」と…。
俺は、そんな西田の返答に拍子抜けしたが…な。
<つくしside>
私は、もう直ぐ、妊娠7か月を迎える。
実は、私は、司に寄って、仕事をさせてもらえないで居た。
何故なら、久し振りの妊娠で在る事も有り、産婦人科の女医から、言われていた。
「妊娠初期の間は、無茶は、禁物よ。」と…。
でも、妊娠は、病気では無い。
寧ろ、動いた方が、太り過ぎなくて、良い筈なのだが…。
しかも、もう既に、私は、妊娠中期に入って居る。
動きたい私は、仕事をさせてもらえる様に、再三に渡って、司とバトルを繰り返した。
其の結果…。
“毎日のディナーは、つくしが、作って良い。”と、言う事に成った。
司のそんな了承の言葉に、本当は、シェフの仕事を取り上げた様で、私は、シェフに対して、申し訳無く思って居た。
でも、シェフと、献立を考えたり…。
食材選びをする事も…。
楽しかったりするので、私は嬉しく思って居た。
また、タマさんと、雑談したり…し乍ら、料理出来る事に、私は、満足して居た。
そして、今日の1月31日は、『司のBirthday』…。
だから、何時も寄り、腕を振るうべく、頑張って料理する事にして居た。
だから、2~3日前から、シェフとは、入念に、献立を相談して来た。
勿論、其処には、責任監督として、タマさんも、御一緒下さって居た。
其の結果…。
コース料理は、私が作って…。
『Birthdayケーキ』は、パティシエさんが作ってくれる事に成った。
だから、此の日の私は、航が、学校に登校後…。
大忙しだった事は言うまでも無いのだ。