奇跡の出会い…<つかつく> 12.
其の後のつくしは、旅館での若女将の経験を活かして、また、楓のお墨付きを得て、メープルの経営戦略チームに抜擢され、活躍の目が出始めていた。
楓にとっても、良い意味での誤算だった事は言うまで無い。
そんなつくしは、国立大学の在学中には、講義を受けて居た事も有り、5か国語をマスターして居た。
英語は勿論の事…。
フランス語・イタリア語・ドイツ語・中国語をマスターして居た。
所謂、マスターして居た5か国語の日常会話は、つくしにとって、お手の物だったという訳なのだ。
つくしが、国立大学の在学中に、5か国語をマスターした最大の理由は、旅館での接客に生かす為だった事は言うまでも無い。
また、メープルでの経営プランに関しても、意外に面白い経営プランを立て、優秀さが窺えたのだ。
楓は、つくしの優秀さに、目を見張るモノが在ったのだ。
何れ、NYに渡米させ、楓の下…。
“つくしさんを企業人として、育てて視たい。”と、企むのだった。
『天使の微笑み』は、楓に微笑むのか?
其れとも、司に微笑むのか?
此れから先が、楽しみで仕方ない楓だったのだ。
そして、其の後の司とつくしは、婚約発表してから1年が経った。
そして、漸く、入籍をし、結婚式を執り行ったのだ。
司の27回目のお誕生日に当たる 1月31日に…。
漸く、結婚式を執り行った事で、司は、本当の意味で、つくしを手に入れられた喜びを爆発させて、司は、今までには、考えられない程の笑顔を、参列者に、振り撒いて居た。
其の司の姿に、F3でさえも、困惑する程だったのだ。
結婚後の司とつくしの住まいは…。
“子供が出来るまで、(司とつくしの)二人の生活を楽しみたい。”と、云う意見が通ったのだ。
と言う事で、取り敢えず、司とつくしは、今まで通りのマンションでの生活と成ったのだった。
そして、そんな生活が続いて居た或る日の事だった。
楓が日本に帰国して帰って来た際に、司は、楓に呼び出されていた。
司は、其の際…。
楓から、打診を受けたのだ。
「司…。
つくしさんをNYメープルに転勤させたいと思って居るの。
其の内、つくしさんに辞令が出るから、其のおつもりで…。」
司は、母親では在る 道明寺HD 社長に、激怒していたのだ。
「はぁ~??
何、言ってやがるんだ?
そんな事は、俺が許す訳ねぇだろ?」
だが、楓は、司の激怒にも、モノともせず、跳ね除けて居たのだった。
「許すも何も…。
人事権は、社長の此の私(わたくし)に有るのよ。
司…。
お分かりかしら?」
其れでも、司は、言いたい事を楓に告げていた。
「ぜってぇ、俺は、許さねぇからな⁉
つくしに辞令が出ても、俺は、つくしをNYには、ぜってぇ、行かせねぇからな‼」
自身の息子に呆れていた楓は、思いっ切り、溜息を付いた後…。
更に、呆れる様に、司に言って除けて居たのだった。
「はぁ~⤵。
じゃあ、司…。
貴方も、つくしさんとご一緒に、NY配属にしたら、如何かしら?
其れじゃあ、宜しいんじゃ無くて…?」
「其れなら、了承する。」
楓は、そんな自身の息子に、呆れる様に、心の中で、思って居たのだった。
“本当に、世話の焼ける息子です事…。
司は、つくしさんが居なければ、どんな経営者に成って居たのかしら…?
想像しただけでも、恐ろしいわ。
しかし、やっぱり、そう言う事…なのよね?
本当に、先が思い遣られるわ。”と…。
そして、其の後の司とつくしは、2か月後に、NY転勤と言う事で、NYに渡米したのだった。
そして、NYに渡米したつくしは、楓の下…。
NYでも、頭角を現し始め、見る見る間に、NYメープルの企画は、つくし失くしては、始まらない様に成りつつ有ったのだった。
そんな時に、つくしの妊娠が発覚した。
つくしは、出産ギリギリまで、仕事をするつもりで居たのだが…。
司が、其れを許さず、つくしは、無理をしない程度に、NYメープルに関わる事を、司と、約束させられて居たのだった。
楓も、初めから、つくしには、無理をさせる気は無く、無理をさせない様に考えて居たのだが…。
楓は、司から、「無理強いしない。」と、約束させられて居たのだった。
楓は、つくしを『ホームワーク』勤務に切り替えて、道明寺邸にて、メープルの経営戦略チームに携われる様にしたのだった。
唯、唯一、汚点だったのが…。
司の姉で在る 椿の存在だったのだ。
妹が欲しかった椿にとって、妹の存在で在る つくしの事が、可愛くて仕方なかったのだ。
所謂、椿は、つくしを溺愛して居たのだった。
そんな椿は、妊娠して居るつくしを連れ廻す様に成って居たのだった。
つくしも、姉が欲しかった事も有り、そんな椿を無視する訳にもいかず、素直に、つくしは、椿と行動を共にして居たのだった。
其れに怒ったのは、司だった事は言うまでも無い。
椿と司は、マジ喧嘩するのだから、始末に悪いのだ。
道明寺姉弟の母親で在る 楓が、呆れる程だったのだから、仕方ないと云えた。
そして、そんな日々も、幾月か経ち、月日は流れていた。
其の後、つくしは、出産したのだった。
産まれて来た赤ちゃんは、男の子と女の子の双子だった。
男の子は、『翔』と、名付けられ…。
女の子は、『すみれ』と、名付けられた。
『翔』は、道明寺家のDNAを色濃く受け継いで居たが…。
『すみれ』は、牧野家のDNAを色濃く受け継いだ様だった。
『翔』と『すみれ』は、時が経ち、成長するに従い、個性が出て来たのだった。
また、『翔』に至っては、髪の毛の資質に至るまで、司にそっくりだった。
所謂、『翔』の髪の毛は、クルクルヘアだったのだ。
また、『翔』の性格までもが、司にそっくりだったのだ。
『すみれ』は、黒髪のストレートヘアで、目はくりくりで、容姿も、性格も、つくし其のものだったのだ。
司は、『翔』と『すみれ』の誕生を大いに喜び、我が子の顔を見なければ、一日が明けない程だったのだ。
司は、司の幼少期の頃の事からすれば…。
考えられ無い程の子煩悩振りだった事は言うまで無かったのだ。
楓は子育てをする事無く、一切をタマに任せて居たので、司の事を心配して居た様だが、楓の心配を余所に、司は、つくしと共に、子育てにも参加して居たのだった。
此れも其れも、“つくしさんのお陰だ。”と、楓は、つくしに感謝して居たのだった。
“司は、つくしさんに寄って、幸せを手に入れた様だ。”と、楓は、喜んでいた。
そして、楓は、楓自身が、息子で在る 司にして遣れ無かった事を、(楓)自身の代わりに、“つくしさんにしてもらって居るのだ。”と、更に、感謝して居たのだった。
更に、楓は…。
“道明寺家の今の此の幸せが、永遠に続きます様に…。”と、密かに、祈って居たのだった。
fin