ワーカホリック~仕事中毒~…<つかつく> 15.
司は、つくしの其の言葉を逆手に取って遣ろうと、密かに、思い付いて居たのだった。
なので、司は、つくしに、言って除けるのだった。
「だったら…。
俺の駄目な所を、つくしが変えてくれたら良いんじゃねぇ?」
つくしは、驚愕して居たのだった。
なので、声が上擦ってしまったつくしだったのだ。
「へっ??」
だが、司は、更に、言って除けるのだった。
「俺は、お前が、俺の傍に居てくれなきゃ…な。
もう、駄目…何だよ。
俺の親父は、『オーバーワーク』が祟り、『ワーカホリック(=仕事中
毒)』で、倒れやがった。
俺が、高校卒業した直ぐ後の事だったんだ。
だから、俺は、其の後直ぐ…NYに呼ばれたんだ。
けど…。
俺は、周りから良く言われて居たんだ。
如何も、俺の働き方は、昔の親父の遣り方と似て居るらしい。
だから…よ。
俺が、『オーバーワーク』し過ぎて、『ワーカホリック(=仕事中毒)』
で倒れねぇ様に、俺を見張っててくれよ。
否、其の前に、お前が俺の傍にさえ居てくれれば…。
仮に、俺が、『オーバーワーク』し過ぎたとしても、俺には、『ワーカホリック
(=仕事中毒)』に成らねぇ自信が有んだよ。
だから…よ。
良いよな?」
「………」
つくしは、司の懇願とも取れる其の話し振りに、何も言い出せなかったのだ。
だが、つくしの心の中では、そんな司に対して、呆気に取られて居たのだった。
“其れって、如何いう自信なのよ‼”と…。
だが、此のつくしの心の声は、しっかり、司に聞かれて居たのだった。
だからだったのだろうか?
司は、更に、言って除けて居たのだった。
「俺の傍で仕事をして、俺を常に見張ってろよ‼」
そんな司の言葉には、つくしは、言い返していたのだ。
「そんな事…出来る訳無いでしょ?
私は、検事なのよ。
仕事を放り投げる訳にはいかないのよ‼」
だが、司も真剣だったのだ。
つくしが、如何いうと、司には、もう、引き下がる事が出来ないで居たのだった。
「だから、『弁護士』に成れば良いだろ?
俺専属の弁護士に…。」
つくしは、司の俺様振りに、驚愕顔を顔に張り付かせたままだったのだ。
「はぁ~??」
だが、つくしは、司に、更に、吠えて居たのだった。
「横暴っ‼」と…。
だが、司は、ニヤニヤと、つくしを見詰めたままだったのだ。
こういう時の司は、何かを企んで居る時の司だったのだ。
其の事を良く理解して居るつくしは、此の後に起こるで在ろう状況が、目に見える様で不安で一杯だったのだ。
実は、其の後の司は、楓に、直談判するのだった。
「つくしの事だけど…よ。
つくしを俺の傍に居させてぇんだよ。
つくしに、『検事』を辞めさせて、俺の専属弁護士にさせる事は、出来ねぇのか?」
此れには、楓は、驚愕したモノの…。
今後の司の事を考えると…。
楓には、納得出来た司からの提案だったのだ。
だが、つくしに検事を辞めさせる事は、難関だと思っていた楓だったのだ。
何故なら…。
つくしは、検事のホープだったのだ。
今、検事総監でさえ…。
つくしを辞めさせる事はしないだろうと思えた楓だったのだ。
其の事は、分かって居る楓だったのだが…。
楓は、取り敢えず、検事総監と相談する事にしたのだった。
そして、楓は、日本に帰国して帰って来た際に、秘書には、検察庁に立ち寄るスケジュールに調整させて居たのだった。
そして、楓は、検事総監に相談するのだった。
「お願いがございますの。」
検事総監は、また、何を、楓から言われるのか?
戦々恐々として居たのだった。
「何でございましょうか?」
其処で、楓は、検事総監の顔を、じーっと、観乍ら、言って除けて居たのだった。
「ええ。
牧野さんを、弊社に、譲って下さらないかしら?」
検事総監は、驚愕で、声が上擦ってしまったのだった。
「へっ??」
検事総監にしても、楓からの申し出には、驚愕以外、何物でも無かったのだ。
だが、検事総監にしても、理由を聞かずには居られ無かったのだ。
「一体、其れは、如何いう意味ですか?」
なので、楓も、言わずには居られ無かったのだ。
「ええ。
私(わたくし)共の愚息は、今や、牧野さんが、傍に居なければ、自分自身の管理さ
えも、出来なく成ってしまった様ですの。
今の司は、何時(いつ)、『ワーカホリック(=仕事中毒)』に成っても
可笑しく在りませんわ。
ですが…。
司の傍に、牧野さんさえ就いて居てくれれば…。
其れは、回避出来る様ですわ。
私共にとっては、情けない事ですが…。
ですから、弊社には、牧野さんが必要ですのよ。」
検察庁にとって、つくしは、今や、必要不可欠な人材に成って居たのだ。
そう簡単に…。
否、そう易々と、譲る訳にいかないのだ。
だから、検事総監にしても、拒む言葉を言って居たのだった。
「其れは、難しいご相談かと存じます。
という寄り、当の本人で在る 牧野の意見を訊いて居ない段階で申し上げる事案では無
いと存じます。」
だが、楓も、引き下がろうとはして居なかったのだ。
だから、楓とて、言えた言葉だったのだろう。
「では、本人に、伺いましょうか?」と…。
此れには、検事総監も、納得したのだった。
其の方が、筋として、楓には、納得してもらえると思ったからだったのだ。