ワーカホリック~仕事中毒~…<つかつく> 20.
司は、F3から、久々に、呼び出されて、会って居たのだった。
あきらから、口火が切られたのだった。
「司…。
例の彼女とは、本格的に付き合い始めたんだろ?
早く、俺等に会わせろよ⁉」
だが、あきらからそう訊かれた司は、浮かない顔をして居たのだ。
そんな浮かない顔をする司を、F3でも、今までに、観た事が無かったのだ。
何故なら、司の今までは、自信に満ち溢れて居て、そんな頼り無げな顔付きをした事が無かったのだ。
だから、不思議がるF3だったのだ。
なので、類が、そんな司に声を掛けて居たのだった。
「何…司?
司でも、そんな顔付きするんだ⁉」
だが、司は、類に悪態を突くのだった。
「うっせぇよ‼」
だが、そんな司を心配に成るあきらは、司に訊き出し始めて居たのだった。
「司…?
本当に、如何したんだ?
彼女と、上手く行ってねぇのか?」
だから、司は、返答するのだった。
「否、上手く行ってるとは思うよ。
けど…よ。
あいつは、鈍感らしくてよ。
俺には、平気で、自分の身を任せるくせに、俺の事は、好きじゃねぇみてぇな態度をし
やがるんだよな。
あいつは、好きでもねぇ男に、身を任せられる女じゃねぇんだよ。
なのに…。
何時まで経っても、自分自身の本心に、気が付きもしねぇ‼
俺は、ここ最近、自信を失くしてんだよ。」
「「「………」」」
そんな頼り無げな司を、心配するF3だった事は言うまでも無いのだ。
だから、F3も、迂闊に、司に声を掛ける事も、出来ずに居たのだった。
だが、F3は、思って居たのだった。
“司を此処までにする『司の女』って、凄ぇ(凄い)女だよな(ね)。”と…。
だが、此の時の司は、唯、打ち拉がれた状態と成り、俯いたまま、顔を上げられない状況と成って居たのだった。
更に、心配に成るF3だった事は言うまでも無いのだ。
誰が、こんな司を想像出来るだろうか?
唯、F3は、“そんな『司の女』に会って視てねぇ(視たい)‼”と、思うのだった。
だが、優紀と会ってからのつくしは…。
司に対する考え方も変わって来たのだった。
また、つくしは、自分自身の司への想いを、見詰め直す様にも成って来て居たのだった。
だからだったのかも知れない。
つくしは、つくし自身が尊敬する先輩女性検事に、相談する事にしたのだった。
「先輩…。
相談が在るんですが…?
今、大丈夫ですか?」
つくしは、つくし自身が尊敬する先輩女性検事の部屋のドアの前に立って、お伺いを立てて居たのだった。
「ええ、良いわよ。
何か、有った?」
つくしは、つくし自身が尊敬する先輩女性検事の部屋に入室してから、了承されたと言う事も在り、話し始めるのだった。
「何と言って良いのか…?
もしも…の事、何ですが…。
もしも、私が、“検事を辞めたい。”と、言ったら…。
先輩は、如何思われますか?」
一瞬、つくしが尊敬する先輩女性検事は、驚愕したのだが…。
其処は、『検事』というモノ…。
顔には、出さなかったのだ。
だが、此のつくしが尊敬する先輩女性検事は、つくしに対して、“何故…そんな事を訊いて来るのか?”と、不思議に思い、つくしに訊き出し始めて居たのだった。
「牧野…。
何故、そんな風に、私に訊いて来るの?
もしかしたら、牧野は、『検事』を辞める事を考えて居るのかしら?」
つくしは、如何、返答しようか、悩んでいた。
だが、此のつくしが尊敬する先輩女性検事に嘘を付いたとしても、何れはバレる事は目に見えている。
だから、つくしは、此のつくしが尊敬する先輩女性検事に、素直に、つくしの気持ちを伝えるのだった。
「私は、『検事』を辞めたいと思って居る訳では在りません。
私の性格上…。
『検事』という職種は、私の性に合って居ると認識しています。」
つくしの此の返答には、此のつくしが尊敬する先輩女性検事は、じれったさを感じて居たのだった。
だから、此のつくしが尊敬する先輩女性検事は、つくしに言えた言葉だったのかも知れない。
「だったら…。
牧野は、『検事』を辞めるっていう事は、考えて居ないと言う事…?」
なので、つくしは、正直に、つくしが尊敬する先輩女性検事には、話し始めて居たのだった。
「私は、現在、『道明寺司』と、お付き合いしています。」
「はぁ~??」
此のつくしが尊敬する先輩女性検事は、つくしの話しを聞いて、驚愕して居たのだった。
実は、司とつくしが、現在、住んで居る高級マンションの一室を、楓に、売却しているつくしが尊敬する先輩女性検事は、楓から、言われて居る事が在ったのだ。
実は、楓に売却する時に、此のつくしが尊敬する先輩女性検事は、破格の金額で、楓に売却していたのだ。
其の為…。
楓から、交換条件として言われて居る事が在ったのだ。
実は、楓には、分かり切って居たのだ。
つくしの性格上…。
つくしが、義理堅い人間で在るだろう事は…。
【「もし、牧野さんが、“検事を辞めたい。”と、貴女に、相談事を持ち掛けて来たら…。
牧野さんには、『検事』という仕事を辞める様に、後押しして欲しい。」と…。】
だからだったのだろう。
此のつくしが尊敬する先輩女性検事は、あの時に、楓から言われていた言葉を、ふと、思い出して居たのだった。
“あの時のあの打診は、こういう意図が在っての事だったのだろう。”と…。
だから、此のつくしが尊敬する先輩女性検事は、一瞬は、驚愕したのだが…。
つくしを後押しする事にしたのだった。
「もしかして、道明寺支社長から、“検事を辞めて欲しい。”と、言われたとか…?」
つくしは、頷き乍ら、此のつくしが尊敬する先輩女性検事に伝えていたのだった。
「はい。
“公私共に、傍で、サポートして欲しい。”と、言われて居るんです。
ですが…。
私には、先輩方への恩義も在ります。
簡単に、検事を辞めるとは言えません。
だから、悩んで居るんです。」
つくしの其の言葉を聞いた此のつくしが尊敬する先輩女性検事は、クスクスと笑って居たのだった。
そして、思って居たのだった。
“牧野のこう言う処を、気に入られたんでしょうね?
道明寺社長には…。”と…。
だから、つくしが尊敬する先輩女性検事は、つくしに言えた言葉だったのかも知れない。
「そんな事を言って居たら、一生、牧野は、結婚出来ないわね。
決断する時には、決断するべきよ。
牧野は、『検事』という仕事を通して、何を学んで来たの?
私は、貴女に、何を教えて来たのかしら?」
「………」
だから、つくしは、此のつくしが尊敬する先輩女性検事に、何も、言えなかったのだ。
つくしは、此のつくしが尊敬する先輩女性検事から、『検事』という仕事を叩き込まれたのだから…。
だから、つくしは、此のつくしが尊敬する先輩女性検事から言われた言葉を噛み締めて居たのだった。