ワーカホリック~仕事中毒~…<つかつく> 21.
つくしは、仕事が終わり、マンションに帰宅後…。
つくしが尊敬する先輩女性検事から言われた言葉を、もう一度、思い出して居たのだった。
つくしにして視れば…。
つくしは、『検事』という仕事に、生き甲斐を感じて居たのだ。
だが、検事をし乍ら、司を支えると言う事は、ほぼ、不可能なのだ。
“だったら…。”と、言う想いが有り、つくしは、悩んで居たのだった。
また、つくしは、『決断する時には決断すべき…。』と、いうつくしが尊敬する先輩女性検事から言われた言葉に、決断する必要性をやっと理解し始めたのだった。
其の事を、つくしが尊敬する先輩女性検事から教えられたつくしは、自分自身の気持ちを、やっと、理解出来たのかも知れない。
また、優紀からも教えられたつくしだったのだ。
そんなつくしは、司に、自身の気持ちを伝える事にしたのだった。
そして、其の日の司の帰宅後に、つくしは、司に話しし始めて居たのだった。
「道明寺…。
上司に、『検事』を辞める事を伝えて来る。
正式に、辞められる時期は、何時に成るのか?
まだ、分からないけど…。
取り敢えず、伝えて来るよ。」
「………」
司は、つくしからの言葉を、一瞬、何と言われたのか?
理解出来ずに居たのだった。
実は、司自身…。
もう、諦めて居たのだった。
何故なら、頑ななつくしに、何を伝えても、通じない事を理解して居た司だったのだ。
否、司は、既に、つくしから、愛されて居るという自信が持て無かったのだ。
だから、司は、諦めて居たのだった。
なのに…。
司は、つくしから、言われた言葉の意味を、如何、捉えたら良いのか?
理解出来ずに居たのだった。
なので、司は、再度、つくしに訊き出し始めて居たのだった。
「つくし…。
其れって…。
『検事を辞める』って意味で良いんだよな?」
つくしは、司の返答に、『???』を、頭の中で、巡らして居たのだった。
つくしにして視れば…。
何故、司は、同じ事を、何度も訊き返すのか?
理解に乏しかったのだ。
だから、つくしにとって、言えた言葉だったのだ。
「えっ??
そう言ったつもりだったんだけど…?」
だからだったのだろう。
司は、つくしからのそんな言葉を聞けて…。
つくしを引き寄せて、抱き締めて…。
つくしに伝えるのだった。
「つくし…。
サンキュな‼
俺は、やっと、つくしと一緒に、仕事出来んだな。」と…。
だが、つくしは、そんな司に、念押しをする事だけは、忘れて居なかったのだ。
「だから…ね。
今直ぐって訳じゃ無いよ。
退庁届が、受理されなければ…。
直ぐには、辞められないし…。」
だが、司は、飄々と、つくしに言って除けるのだった。
「ああ。
大丈夫だ‼
つくしさえ、決心してくれたんなら…何とでも成る。
だから…よ。
俺の呼び名を、『道明寺』じゃ無くて…。
『司』って、呼べよ‼
俺とお前が、結婚すれば…。
お前も、『道明寺』に成るんだから…よ。」と…。
「………」
だから、つくしは、司への返答の言葉に困って居たのだ。
実は…。
つくしは、司を呼ぶ時の『道明寺』呼びを気に入って居たのだ。
何故か?
自然な形で、何時の間にか、つくしは、『道明寺』呼びで、司を呼んで居たのだった。
だが、司に言われた…。
『俺とお前が、結婚すれば…。
お前も、『道明寺』に成るんだから…よ。』と言う言葉に、何も言い返せないつくしが其処に居たのだった。
つくしは、やっと、司への気持ちを理解した処なのだ。
だから、行き成り、司から結婚の話しが出た事で…。
司とつくしの此れからの人生に於いて、つくしにとっては、現実味を帯びて来た処だったのだ。
だから、やっと、司への想いに気が付いたつくしにとって…。
『司』呼びをする事は、ハードルが高過ぎるのだ。
前に言われていた時は、司への想いを、まだ、認識して居なかった。
だから、自然な形で、却下出来たつくしだったのだ。
だが、今は、違う。
つくしは、司への想いを理解出来たのだ。
つくしにも、照れが入っても、仕方なかったのだ。
司から、結婚の話しをされれば…。
つくしは、真っ赤な顔で、司を上目遣いで観る事しか出来なかったのだ。
司は、つくしのそんな姿を、今までに観た事が無かったので、驚愕して居たのだが…。
同時に、思って居たのだった。
“こんな可愛らしいつくしは、初めてだ‼
つくしには、こういう可愛らしい所も在ったんだな。”と…。
だから司は、言えた言葉だったのだろう。
「徐々に、慣れてくれれば、良いから…よ。」と…。
つくしも、司から、そう言われて、頷くだけに、留めたのだった。
「うん。」と…。
そして、司も、つくしの赤面した姿を観てしまって…。
司も、赤面したかの様に、顔を赤らめるのだった。
やはり、初心な司とつくし…。
司とつくしの此れからは、やっと、始まったばかり…。
そして、次の日…。
司は、楓に連絡するのだった。
「やっと、つくしが、『検事』を辞める気に成ってくれた。」と…。
其の話しを聞いた楓は、司に、嫌味を言う事だけは、忘れて居なかったのだ。
「やっとなの…ね。
どの位…。
時間が掛かったのかしら…?」と…。
そして、楓は、楓で…。
素早く、行動に移したのだった。
先ずは、検事総監に連絡をした楓だったのだ。
「つくしさんの退庁届を、受理して下さるかしら?」と…。
なので、検事総監も、了承したのだった。
「承知致しました。」
そして、楓は、つくしの先輩女性検事にも、連絡を入れて、お礼の言葉を伝えるのだった。
「有難う。」と…。
全ては、楓が、目回しした事…。
つくしの行動を予測していた楓の勝利と言う処だったのだろう。