あれから【再び】…<総優> 続編⑮
<総二郎side>
其の後、優紀は、入院した事で、会社での引継ぎも遅れていたが、やっと、ケリが付き、退職する事に成った。
会社の同僚からは、「送別会を…。」と、言われた優紀だったが…。
俺が、行かさなかった。
何故なら…。
奴等が、優紀に何を企んで居るのか?
分からねぇ奴等の中に、優紀を行かせる事は、俺には、出来なかった。
だから、俺は、優紀に言って除けて居た。
「俺は、優紀の親父さんやお袋さんから、優紀を預かってんだ‼
お前を陥れ様と考えて居る奴等の中に、お前を行かせる訳にはいかねぇんだよ‼
だから、優紀…。
断れよ‼」
そう言った俺に対して、優紀は、思う処でも在るのだろうが…。
1回は、痛い目に合った優紀だったので、俺の気持ちを汲んだのか?
俺に約束してくれた。
「そうですよね。
なので、お断りして来ます。」
そう言って、退職日の朝…。
優紀は、最後の仕事に、出掛けて行った。
だが…。
俺は、そんな優紀が、心配だったので…。
SPには、強化する様に、伝えた事は言うまでもねぇ。
そして、無事、優紀は、最後の仕事を勤めて、帰宅したのだった。
<優紀side>
私は、最後の仕事の日を迎えていた。
何だか?
寂しい気もしていた。
だが、居辛く成って来て居た事は事実だったので…。
“此れで、良かったんだ。”と、私は、自分自身に、言い聞かせていた。
そんな時だった。
例の私の同期が、私に声を掛けて来た。
「優紀…。
今日が、最後…何だね。
色々、ごめんね。」
私は、そんな同期に、何も無かったかの様に、振舞って居た。
此の時の私は、ニコッと、笑い乍ら、同期に、返答していた。
「何の事…?」
だから、同期も、其れ以上、何も、言って来なかった。
「ううん。
何でも無いよ。」と…。
私は、最後の日位…。
蟠り無く、最後の日を迎えたかったのだ。
後腐れなく、最後の一日を過ごす様に、私は、過ごしていた。
『立つ鳥跡を濁さず』って、言うし…ね。
そして、17:30に成り、退社時刻に成った。
なので、最後に、私は、所属部のお世話に成った皆さんに、挨拶をして、其の場を後にして居たのだ。
「皆さん…。
大変、お世話に成りました。
お元気で…。」
そして、私は、机の上を整理して…。
更衣室のロッカーの中を片付けて…。
両手に一杯の荷物を抱えて、会社の玄関前に出て来た時に…。
総二郎さんが迎えに来てくれて居た。
吃驚はしたけど…。
迎えに来てくれた事は、嬉しかった。
そして、私が、両手に持って居た荷物を、総二郎さんは、軽々と、持ってくれた。
私には、重たかったんだけど…。
其の時に、私は、思ってしまった。
“やっぱり、男の人は、凄いなぁ~。”と…。
そして、私は、総二郎さんの運転する愛車の助手席に、エスコートしてもらって、乗車して、一緒に、マンションまで、帰ったのだった。
<総二郎side>
実は、数日前に、俺は、あきらから、事前に、連絡をもらって居たのだ。
「総二郎…。
優紀ちゃんの退職祝いをすると、T3が張り切って居る様だから…。
優紀ちゃんの退職の日は、メープルに集合な‼
取り敢えず、優紀ちゃんには、当日まで、内緒にして於けよ‼」
なので、俺は、有難く、あきらには、返事して於いた。
「了解‼」と…。
そして、一旦、マンションに帰って来て、優紀の荷物を部屋に置いた時点で、俺は、優紀に声を掛けて居たのだった。
「優紀…。
此れから、メープルに行くぞ‼
準備しろよ‼」
優紀は、吃驚でもしたのか?
其のまま、固まった状態に成った様で、動かなく成って居た。
だから、俺は、優紀の顔を覗き込んで、言って遣った。
「優紀…。
俺の言った言葉…。
聞いてるのか?」
「………」
優紀は、やっと、我に返ったのか?
言葉は、無かったが…。
首だけ、上下に動かして、頷いて居た。
俺にして視れば…。
“優紀は、何、可愛い事してんだ⁉”と、押し倒したく成る様な気分だったのだが…。
遅れて行けば…。
冷やかされるのは、オチで…。
“外野が煩い事が分かり切って居るので、楽しみは帰ってから…。”と、俺は、俺自身に言い聞かせて居たのだった。
そして、準備の出来た優紀を連れて、メープルに到着した俺と優紀だったのだ。
そして、メープルの司がキープしている部屋に着いた時点で、優紀は、不安顔を顔に張り付かせて、俺に言って来たのだった。
「此処って、確か…?
道明寺さんのお部屋じゃ無いんですか?
一体、何が有るんですか?」
だから、俺は、優紀に言って遣った。
「まあ、楽しみしとけって…。」
そう言い乍ら、俺は、チャイムを鳴らして、ドアを開けたのだ。
其処に、T3が、クラッカーを持って、優紀に、お祝いの言葉を言って居た。
「優紀…。
お疲れ様でした。」
🎉の弾ける音が、部屋中を占拠していた。
そんなT3に、優紀は、言葉も出せずに居るのか?
俯いたまま、じーっとして居たのだった。
其の時の優紀が、目に涙を浮かべて居たと知ったのは、其の後の事だった。
そして、其の後の俺等 F4&T4の集まりは、どんちゃん騒ぎに成った事は言うまでもねぇ。
其の時に、俺は、言われたくねぇ話しを、優紀に聞かせるT3を、俺は、睨み付けていた事は言うまでもねぇのだ。