tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

PVアクセスランキング にほんブログ村

花男メンバー…<F4&T4>  17.



或る日の放課後の事だった。


英徳学園内で、総二郎と優紀は、擦れ違ったのだった。


実は、此の日の放課後の優紀は、先生に呼び出されて、職員室に居たのだった。


だから、つくしと桜子には、先に、帰ってもらって居たのだ。


だから、優紀は、先生に言われた言葉を思い出して居たので、総二郎には、気が付いて居ない様子だったのだ。


だが、総二郎は、優紀に気が付いて居たのだ。


なので、総二郎は、優紀の腕を掴んで、呼び止めるのだった。


「松岡…。
 今から、ちょっと、話し出来ねぇか?
 訊きてぇ事が有んだよ。」


そう言われた優紀は、総二郎に了承するのだった。


「はい、大丈夫です。」と…。



そして、総二郎と優紀は、メープルのカフェの個室に入るのだった。


そして、総二郎は、唐突に、優紀に、話しし始めて居たのだった。


「まさか、松岡の姉ちゃんが、俺の兄貴の彼女だったとは…な。」


優紀は、クスクス、笑い乍ら、言って除けるのだった。


「そうですね(笑)。
 私も、吃驚しました。
 私は、以前に、姉から、祥さん…。
 あっ‼
 西門さんのお兄さんの事は、紹介されて居たんです。」


総二郎は、兄で在る 祥一朗と優紀の親密さに、驚愕して居たのだった。


「へぇ~?
 兄貴の事を、『祥さん』って、呼んでんだ?
 松岡は、そんなに、兄貴と、仲良くしてたんだな?」


なので、優紀は、飄々と、返答するのだった。


「はい。
 勿論、姉を通じてですけど…。
 去年位から、仲良くして頂いて居ます。
 だから、最初、西門さんの事を知った時は、“祥さんと同じ『西門』姓でも、親戚か
 な?”位に思って居たんです。
 其れが、まさかのご兄弟だった何て…。
 世間は、狭いって、本当ですね。」


総二郎も、優紀の言葉に、頷き乍ら、返答するのだった。


「そうだな。
 まあ、兄貴と俺は、兄弟って言っても、容姿も、中身も…。
 全くの別人だから…な。
 そう思われても、無理もねぇんじゃねぇ?
 兄貴は、母親似…何だよ。
 俺は、父親似…。
 兄貴は、ガキの頃から、頭が良くて…よ。
 本を読む事が、ガキの頃から好きだった。
 兄貴は、ガキの頃から、『読書家』だったんだよ。
 其れに比べて俺は…。
 兄貴より、茶に、長けてるが…。
 其れだけ…だった。
 ガキの頃から、兄貴とは、良く、比べられたわ。
 だから、京都に引っ越すって、決まった時に…。
 ガキだった俺は、“もう、東京に戻って来なくて良いんだ‼”って、ホッとした事を覚え
 てる。
 なのに…よ。
 兄貴から、『次期家元』を押し付けられて、泣く泣く、東京に戻って来た訳だ‼」


優紀は、思ったのだった。


“こんなに、恵まれた方でも、辛い事が有るんだ…。”と…。


だからだったのだろうか?
優紀は、総二郎に、自身の事を話し始めたのだった。


「私も、姉とは、良く比べられました。
 頭の良い姉と違って、私は、其れ程、頭も良く無いし…。
 取り柄も無い。
 姉は、子供の頃から、うち(松岡総合病院)を継ぐ事は、決まって居たんです。
 なので、医学部に通って居ます。
 私は、何も、遣りたい事も無くて…。
 今日、先生に呼び出されたのも、進路についてだったんです。
 此のまま、英徳大学に進むにしても…。
 学部が決まって居ないんです。
 つくしは、父親から、“経済学部に進む様に…。”と、言われているらしいですけど…。
 うち(松岡家)の家業が、病院経営だからと言って、私が、今から、如何、頑張って
 も、医学部には入れないし…。
 本当に、辛いですよね。
 下の立場って…。」


総二郎は、やっと、優紀の事を理解した様な気がして居たのだった。


“松岡(優紀)も、此れまでの生活の中で、自分自身の気持ちを抑えて生きて来たのだろ
 う。”と…。


実は、総二郎も、そうだったのだ。


唯一、気持ちを開放出来て居たのは、京都に住んで居た初等部時代の6年間だけだったのだ。


だが、優紀は、産まれて来てからの17年間の中で、気持ちを開放出来た時期が無かったのだ。


“だから、松岡(優紀)は、松岡の姉ちゃん(瑞紀)の教えに従い、困った事が有ると、
 必然的に、ニコッと、笑う様に成ったのかも知れない。”
と、分析していた総二郎だったのだ。


総二郎は、優紀に対して、“同じ立場の人間にしか分からないモノが在る。”と、気が付いて欲しかったのだ。


総二郎は、思うのだった。


“もっと、俺に頼ってくれて良いんだけど…な。”と…。


だが、優紀は、総二郎が、自身の話しを聞いてくれただけで、何故か?
優紀の心の中は、すっきりした気持ちに成って居たのだった。


だから、優紀は、総二郎に、お礼の言葉を告げるのだった。


「西門さん…。
 今日は、私を誘って下さって、有難う御座いました。
 そして、私何かの為に、身の上話を聞いて下さって、有難う御座いました。
 何だか…。
 西門さんに話しを聞いて頂いただけで、すっきりしました。
 感謝しか無いですね(笑)。」


優紀は、何時もの、スマイルで、総二郎に、お礼の言葉を伝えるのだった。


だが、総二郎は、そんな優紀の心の中を、もっと、曝け出して遣りたかったのだ。


そして、願わくば…。
自分自身の心の内に在る 気持ちを、全て、曝け出して、前に進みたいと思って居たのだった。


だから、総二郎は、優紀に、伝えて居たのだった。


「なぁ~、優紀ちゃん…。
 “私何か…。”って、言うのは、止めねぇか?
 其れよりも、此れからは、前向きに成ろうぜ‼
 だから…よ。
 此れからも、俺とこうして、話ししねぇか?」


だが、そう言われた優紀は、或る一点だけに、驚愕して居たのだった。


「あの~?
 『優紀ちゃん』って…。
 今、言われました?」


だから、総二郎は、思って居たのだった。


“其処か…よ。”と…。


だが、そう思っていた総二郎の心の内は、優紀には隠して置いて、総二郎は、優紀に伝えるのだった。


「こんな風に、話しして居るのに…。
 『松岡』じゃあ…。
 味気ねぇだろ?
 だから、『優紀ちゃん』呼びに変えた。
 其れが、嫌なら…。
 『優紀』って、呼んで遣ろうか?」


そんな総二郎の言葉に、優紀は、真っ赤な顔付きに成り、首を左右に振り乍ら、返答するのだった。


「いいえ、『優紀ちゃん』呼びで、大丈夫です。」
「………」


だが、総二郎は、そんな優紀の照れた姿に、煽られっぱなしだった事は言うまでも無かったのだ。


だから、其れ以上、何も、返答出来ずに居た総二郎だったのだ。

×

非ログインユーザーとして返信する