人間恐怖症…<つかつく> 1.
<此の二次小説『人間恐怖症…<つかつく>』の中に、不快に思われるやも知れない言葉
が入って居ます。
了承の程、宜しくお願い致します。>
暴漢に襲われたあの港で、司とつくしの二人の取り巻く環境は、急激に、変わって居た。
司は、つくしだけの記憶を失くした事で、NYに渡米する事に成った。
また、つくしは、司が、入院して居たあの病院で…。
つくしは、楓から認められて居た。
其の事で、つくしは、楓から、司との『1年の猶予』を貰える事に成って居たのだ。
だが、結局…。
楓との其の約束は、果たされる事は無かったのだった。
つくしは、唯、後悔の日々を過ごして居たのだ。
端から観て居れば…。
其れは、かなり苦しい日々なのだろうと言う事は、理解出来る程だったのだ。
そして、あれから、3年の月日が経って居た。
司は、漸く、つくしの記憶を取り戻したのだった。
そして、司は、つくしの記憶を取り戻した事で、後悔の日々だったのだ。
つくしの記憶を取り戻せたと言う喜びよりも、つくしを失ってしまった後悔が、司の頭の中を占拠して居たのだった。
だからだったのだろうか?
司は、後悔の念を胸に、日本へ連絡する事も、躊躇われる筈なのに…。
司は、あきらに、連絡を入れたのだった。
“あきらなら、俺(司)の想いを理解してくれるだろう。”と、司は、思っての事だったのだ。
司は、日本時間に合わせて、あきらに連絡して居たのだった。
「あきら…。」
司が、つくしの記憶を失っていた当時から、あきらだけじゃなく、F3&滋&桜子は、司から、疎まれて居たのだ。
だからだったのかも知れない。
3年振りと言う事も在り…。
司からの連絡に、TELの向こうでのあきらは、戸惑いを魅せるのだった。
“司…か?
久し振りだったな‼”
あきらは、努めて普段と変わりなく、司に、対応するのだった。
だが、司は、躊躇し乍ら、あきらに、訊いて居たのだった。
「牧野…?
如何してる?」
あきらは、驚愕だったのだ。
だから、あきらは、司に訊けた言葉だったのだろう。
“司…。
牧野って…。
記憶、戻ったのか?”
だから、司は、何の躊躇いも無く、あきらに返答するのだった。
「ああ。
一昨日…な。」
あきらは、“最近の事じゃねぇか?”と、更に、戸惑いを魅せるのだった。
そう思っていたのだが…。
あきらは、我に返った様に成り、司に、訊き出すのだった。
“如何遣って、思い出したんだ?”
なので、司は、あきらに、話しするのだった。
「英徳(学園)の制服を着た高校のガキの頃の牧野が、俺の夢の中で、俺に言って来たん
だわ。
“私を早く思い出して…。”って…。
俺は、ハッと、成って、其の時に、目が覚めたんだ。
今でも、其の夢の事は、鮮明に、覚えてる。
追い掛けても、追い掛けても、結局、追い付かないまま…。
目が覚めちまった。
あれから、3年が経っちまったけど…。
牧野が許してくれんなら…。
牧野に、会いてぇって、思ってる。
なぁ~、あきら…。
牧野は、元気か?」
あきらは、司への返答の言葉が、思い付かなかったのだ。
何故なら…。
あきらでさえも、つくしが元気か如何か?
分からなかったのだから…。
だが、暫くして、漸く、あきらは、司に、其の事を伝えるのだった。
“司…。
心して、訊いて欲しんだけど…な。
牧野は、行方不明…何だ‼
もう、3年に成る。
司が、NYに渡米して、直ぐの頃の事だったんだ。
牧野の両親は、司が、NYに渡米して直ぐに、相次いで、病気が発覚して、病に負け
て、亡く成ったんだ。
だから、其の当時の牧野は、2年で、英徳(学園)を自主退学するつもりだったんだ。
だから…よ。
俺等 F3と桜子が、理事長に、掛け合って…。
優秀な牧野に、英徳(学園)では、初めての奨学金制度を利用して、大学まで、英徳
(学園)に、残れる様に、話し出来て居たんだ。
けど…。
牧野に、其の話しも出来ないままで、終わったけど…な。”
司は、あきらから、そんな話しを聞いて、言葉が出せなかったのだ。
所謂、放心状態だったのだ。
だが、TELでは、そんな司の状況等、分かる筈もなく…。
あきらは、話しし続けるのだった。
“俺等 F3&滋&桜子で、かなり、牧野を探したんだが…な。
牧野の弟の進も、一緒に、行方不明に成ってんだ。
牧野と弟の進が住んで居たアパートに、俺等 F3&T3で向かった時には、既に、『蛻の
殻』状態だったんだ。
しかも…な。
牧野家の戸籍から、牧野と弟の進の戸籍が、削除されてんだ。
だから…な。
情報を、かなり、探って視たんだが…。
ロックが掛けられてんのか?
探る事が出来なかったんだ。
最後まで、類も、諦めずに、捜索してたんだが…。
最終的には、類も、捜索を打ち切ったんだ。”
司は、やっと、一言、発する事が出来ただけだった。
「其れは、何時の事だ?」
なので、あきらは、思い出し乍ら、司に伝えるのだった。
“1年は、探したと思うんだけど…な。
類は、更に、1年は、探したらしいわ”
あきらからのそんな言葉に、司は、ボソッと、呟いたのだった。
「捜索願は、出したのか?」
なので、あきらは、司に、言って除けるのだった。
“ああ。
警察からは、「事故と事件の両面で、捜査する。」と、言われたんだけど…な。
全く、音沙汰無しだ。
桜子が、一度、問い合わせした様だが…。
「捜査中。」で、話しに成らなかったらしい。
だから、司なら、警察に探りを入れられるんじゃねぇか?”
そんなあきらからの言葉に、司は、理解したのだった。
“牧野と弟の周りで、何かが、動いてんじゃねぇか?”と…。
だから、司は、あきらに言えた言葉だったのだろう。
「ああ。
俺の方で、至急、調べて視るわ。」
そう言って、司は、あきらとのTELを切った後…。
司は、西田を、自身の執務室に、呼び出すのだった。