tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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人間恐怖症…<つかつく>  16.




司は、進の話しを聞いて居て、更に、思って居たのだった。


何故なら…。
司は、つくしが、こう成ってしまった理由全て、司自身に有ると、認識して居たのだった。


勿論、司は、つくしがこう成ってしまった諸悪の根源は、司自身に有ると認識しての事だったのだ。


其れは…。
先ずは、司が、つくしに赤札を張った事…。
そして、司が、其の後、つくしを好きに成った事…。
そして、つくしが、司を好きに成る様に、仕向けた事…。
そして、つくしの其の後には、司を好きに成った事…。
そして、司が、つくしの記憶の全てを失った事…。
そして、つくしが、『牧野つくし』としての記憶全てを失った事…。
そして、つくしが、『人間恐怖症』に陥ってしまった事…。
そして、つくしが、『牧野つくし』としての人格を失くし、『古菱美桜』という人格に生まれ変わってしまった事…。


此の全てを…。
“進が、言う様に、俺が、諸悪の根源だと言うの成らば…。
 俺が、あいつの病を克服させたい。”と…。


だから、司は、進に言えた言葉だったのかも知れない。


「弟…。
 あいつが、こう成ってしまった諸悪の根源が、俺に有ると言うの成らば…。
 俺の手で、あいつの病を克服させたい。
 だから、頼む。
 あいつに俺を会わせてくれ‼」と…。


だが、其れでも、今の進は、頑なだったのだ。


司が、如何言おうと…。
つくしに、司を近付けようとし無かったのだ。


だから、進自身…。
司に、言えた言葉だったのだろう。


「道明寺さんが、如何言おうと…。
 道明寺さんを姉ちゃんに会わせる訳にはいかないんです。
 今の姉ちゃんが、道明寺さんを求めて居るとは、とても、思えないんです。
 其れ処か?
 古菱邸で、仕えてくれて居るスタッフ達にも、やっと、慣れて来た所…何です。
 其れなのに…。
 また、今の姉ちゃんにとっては、『初めまして』の方が、目の前に現れれば…。
 また、姉ちゃんが、如何成るか?
 分からないんです。
 そんな過酷な中に、また、姉ちゃんを放り込む事は、俺には、出来ないんです。
 だから…。
 道明寺さんには、姉ちゃんを忘れて、次に、進んで欲しんです。
 道明寺さんの未来には、企業家としての立場が待って居ます。
 だから、姉ちゃんを忘れて、道明寺HDの為に、前に向かって下さい。」


司は、そんな進からの返答が、信じられないで居た。


何故なら…。
進が、司に言って除けた其の言葉は、現在の進にも、言えた言葉だったのだ。


現在の進は、『古菱財閥の御曹司』なのだ。


既に、進は、『古菱財閥の御曹司』として、経営の仕方を学び始めて居たのだった。


だからこそ、進は、司に言えた言葉だったのだ。


だが、司には、そんな進の言葉は、『悪魔の囁き』にさえ、聞こえたのだった。


何故なら…。
そんな進からの言葉は、司とつくしを引き裂く言葉だったのだから…。


だから、司も、進に言えた言葉だったのだろう。


「弟…。
 俺への其の言葉は、今の進にも、言える言葉だろ?
 お前も、今では、『古菱財閥の御曹司』として、経営の仕方を勉強してんじゃねぇの
 か?」


なので、進も、飄々と、司に言えた言葉だったのだ。


「そうですね。
 俺にも、言える言葉だと思います。
 だからこそ…。
 今の俺だからこそ…。
 道明寺さんに、言える言葉…何ですよ‼
 『財閥の御曹司』としての立場が、如何言うモノなのか?
 俺には、分かるから…。
 道明寺さんに、言えた言葉ですよ。
 俺が、どんなに努力しても、頑張っても…。
 “流石…。
  『財閥の御曹司』だ‼”で、片付けられる。
 『財閥の御曹司』は、何事にも、遣れて当たり前。
 出来なければ…。
 批判されるだけ…。
 そんな毎日ですよ。
 ちょっとでも、気を緩めると…。
 付け入るスキを、相手に与えてしまう。
 こんな毎日に、うんざりする事は、俺にも、勿論、在ります。
 俺は、元々、一般家庭出身の息子ですから…。
 尚更ですよ。
 でも、俺には、古菱家に、恩が在る。
 だから、逃げ出したくても、逃げ出せない。
 だからこそ…。
 俺は、誓ったんですよ。
 “姉ちゃんと共に、古菱家を守って行く。”と…。」
「………」


其の時の司には、進に言い返せるだけの言葉は、持ち合わせて居なかったのだ。


寧ろ…。
何も言えなかったのだ。


なので、進は、更に、司に懇願したのだった。


「だから、道明寺さんは、姉ちゃんの事を忘れて、道明寺HDの為に、生きて下さい。
 其の事を望んだのは、道明寺家…何ですから…。
 道明寺さんのお母さんにしても…。
 姉ちゃんの記憶を忘れた頃の道明寺さんにしても、姉ちゃんに言って居たんですよね?
 “貧乏人が…。”と…。
 あの頃の姉ちゃんは、良く言ってました。
 “貧乏人で、悪かったわよね。
  貧乏人の何処が悪いのよ‼”と…。
 だから、道明寺さんは、道明寺さんの立場が在ります。
 今の姉ちゃんにも、『古菱美桜』としての、今の姉ちゃんの立場が在ります。
 だから、もう、古菱家には、拘らないで下さい。
 古菱家も、道明寺家には、拘る事は在りません。
 道明寺家と古菱家には、何の繋がりも無いんですから…。
 だから、此れからは、もう、俺を呼び出さないで下さい。
 宜しくお願いします。
 なので…。
 今日は、此れで、失礼します。」


と、言ったまま…。
進は、立ち上がり、道明寺邸を後にしたのだった。



進が、後にした其の後の道明寺邸は、其の場に誰も存在して居ないかの様に、其の場は、静まり返っていた。



其処に、口火を切ったのは、やはりのあきらだったのだ。


「進が、あんなに、頑なな男だったとは、思わなかったわ。
 進の中に、何か、覚悟みてぇなモノを感じたな‼
 牧野を、守って行く覚悟って、言ったら良いのか?
 何か?
 俺には、進が、頼もしく感じたな。」


其処に、優紀も、口を開いたのだった。


「私も、そう思いました。
 私が、知って居る頃の進君は、頼り無げで…。
 あんな風に、自分自身の気持ちを、表に出す様な少年じゃ無かったんです。
 つくしの言い成りの様な…。
 自分自身の意思で、動く様な事は、無かった様に思います。
 其れが、今見た進君は、自己主張がちゃんと出来ていた。
 つくしを守って行く覚悟を身に付けたんじゃないでしょうか?」


其の優紀の言葉には、誰しも、同じ考えだったのだ。



其の時に、あきらは、司の様子を観て居て、司に、声を掛けるのだった。


「司…。
 此れからのお前は、如何して行くんだ?」


だが、あきらからそう訊かれた司は、何も、返答する事無く…。
立ち上がり…。
進が出て行った部屋の扉に、ふらふらとした足取りで、向かうのだった。


そして、漸く、司は、呟くのだった。


「すまねぇが…。
 俺を一人にしてくれ‼」と、言ったまま、其の場を後にして、自室に向かったのだった。

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