人間恐怖症…<つかつく> 18.
<此の二次小説『人間恐怖症…<つかつく> 18.』は、文面に、不快に思われる言
葉が入って居るやも知れません。
了承の程、宜しくお願い致します。>
F3は、道明寺邸に着いて、司の自室に向かって居た。
そして、司の自室のベッドルームに入った時に、F3は、驚愕したのだった。
何故なら…。
司は、驚愕する程、変わり果て、其処(ベッド)に眠って居たのだから…。
そんな司の様子を観たF3は、言葉も無く、唯、其処に、佇んで居るだけだったのだ。
だが、一足早く、我に返った類は、椿に声を掛けたのだった。
「姉ちゃん…。
俺…。
進に会って来るよ。」
椿は、唯、類の顔を、じーっと、観たまま…。
唯、類から発せられた言葉に、驚愕するのだった。
「類…?」
だからだったのだろう。
類は、椿に、諭す様に、言葉を告げるのだった。
「だって…。
此のままじゃあ…。
司の身も心も、潰れてしまうでしょ?
進に会って…。
司の現状を伝えて来るよ。」
そんな類からの言葉に、あきらも、納得する様に、椿に、話しし始めたのだった。
「姉ちゃん…。
俺も、其の方が良いと思うわ。
類に任せた方が良いと思うぞ‼
こういう仕事は、俺等の中では、類が適任かもな。」
また、総二郎も、納得するのだった。
「そうだな。
元々、進は、類の話しは、素直に聞いて居たらしいな。
確か、牧野がそう言ってた様な気がするんだけど…な。
今の頑なな進の心を解せるのは、類が適任だと、俺も思うわ。」
其処で、椿は、F3の話しを聞いて、納得する様に、類に告げるのだった。
「類…。
お願いして良いかな。
宜しくお願いします。」
なので、類も、椿に、返答するのだった。
「うん、分かった。」
其処に、あきらは、類に、茶目っ気たっぷりに、訊き出すのだった。
「だけど…よ。
あれだけ、牧野の事で、司を怒っていた類が…。
司の為とは云え…。
良く、動く気に成ったよな⁉」
なので、類も、茶目っ気たっぷりに、あきらに返答するのだった。
「だって…。
こんな司を観たら…。
幼馴染として、放って置ける訳無いでしょ‼
勿論、全面的に、司を許した訳じゃ無いよ。
今でも、俺は、司の事を怒ってるよ‼
あの当時の牧野が、どれだけ、苦しんで居たのか?
総二郎も、あきらも…。
知ってるでしょ‼
何時も、あの当時の牧野は、俺等の前では、笑って居ても…。
誰も居ない所で、泣いて居たんだよ、牧野は…。
あの当時の牧野は、俺等の前では、何時も、強がって、泣かずに居た。
“そんなあの当時の牧野の辛さを、少しは、司も、思い知ったら良い。”って、今でも、
俺は、思ってるよ。
でも、其れだったら、司も、牧野も、潰れてしまうでしょ‼
司は、牧野を忘れられずに…。
牧野は、『人間恐怖症』の病を克服出来ずに…。
何時まで経っても、今の牧野は、人間が怖いまま…。
其れに、俺だって、一日でも早く、牧野に会いたいし…。
其れには、牧野が、一日でも早く、『人間恐怖症』の病を克服出来ないと…。
でしょ‼
其れには、司の力が、必要でしょ‼
だから、俺は、司に、協力するだけ…。」
総二郎にしても、あきらにしても…。
類が、強がって言って居る事位は、お見通しなのだ。
だが、総二郎にしても、あきらにしても…。
そんな類の事を分かって居ても、気が付いて居ない振りをしていたのだ。
其れが、類への思い遣りだったのだ。
だからだったのだろう。
総二郎にしても、あきらにしても…それぞれ、思うのだった。
“類が、牧野同様、司を大切に思って居る事は、分かり切って居るんだが…な。”と…。
そして、其の後の類は、進に連絡して、会う事に成ったのだった。
実は、類は、古菱邸に、連絡を入れたのだった。
そして、進は、そんな類からは、逃げられないと悟ったかの様に、類と会う事に、了承したのだった。
そして、類は、進と会う成り、開口一番…。
進に、司の事を話しし始めたのだった。
「進…。
司が、大変…何だよ。
あの日…。
進が、道明寺邸を後にした後…。
アルコールに強い司が、急性アルコール中毒症に陥る程…。
アルコールを摂取したらしくて…さ。
牧野の幻覚まで観る様に成ったらしいんだよ。
で、此のままだと…。
司は、潰れてしまうよ。
なぁ~、進…。
進の気持ちは、俺にだって、十分、分かってるよ。
俺だって、全面的に、司を許した訳じゃ無いし…。
でも、司だって、十分、苦しんでるよ。
“全て、俺(司)のせいだ‼”って、自分自身を自分自身で、呪ってるよ。
だから、アルコールを摂取しなくちゃ、遣ってられなかったんだと思う。
司を許さなくても良い。
だけど…。
チラッとでも良いから…さ。
司を牧野に会わせて遣って…。」
類は、進に、懇願する様に、伝えて居たのだった。
だが、進には、或る思いが有ったのだった。
「ですが…。
もし…。
姉ちゃんが、道明寺さんとお会いして、過呼吸にでも成ったら…。
如何するんですか?」
そう進から言われる事は、類にとっては、想定内だったのだ。
何故なら…。
類には、気が付いて居た事が有ったのだ。
だから、類には、進に言えた言葉だったのだ。
「其れって…。
司に会った牧野は、過呼吸に成る事が前提なの?
進が言って居る言葉は、俺にしたら…。
牧野は、初めて会った筈の古菱夫妻には、過呼吸には成らなかった。
けど…。
姉弟の筈の進には、牧野は、過呼吸を起こした。
其の事が、ずーっと、心に響いて居るんだよね。
進は、姉弟としてのプライドが、ズタズタにでも成ったのかな?
だから、もし…。
牧野が、司にも、“過呼吸を起こさなかったら…。”と、云う思いが、進を頑なにして居
るんじゃ無いの?
図星だったら…。
ごめんね。
でも、何方にしても…。
今のままじゃあ…。
牧野は、『籠の鳥』状態…何じゃない?
今の牧野は、何時まで経っても、一人では、何も出来ない。
何も出来ない処か?
何処にも行く事は出来ない。
其れが、今の牧野にとって、良い事なの?
其れが、今の牧野にとっての幸せなの?」
「………」
此処迄、類から言われた進は…。
直ぐには、何一つ、言葉を発する事が出来なかったのだ。
何故なら…。
進にとって、類から言われた言葉は、図星だったのだから…。
なので、進は、漸く、類に言えた言葉だったのだ。
「分かりました。
取り敢えず、古菱の父に、相談させて下さい。
俺一人で、決められる話しでも無いので…。」
なので、類も、柔軟に、進に対応するのだった。
「うん、分かった。
じゃあ…。
連絡は、此処にして…。」
そう言って類が、進に渡した物は…。
類のプライベート携帯の番号が記された類の名刺だったのだ。
進は、其の名刺を受け取り、類に、伝えるのだった。
「承知しました。」
なので、類は、頷いたのだった。